ジャズベースの父ウェルマン ブロとドロレス マルサリス家とのつながり

ジャズに関する海外サイトでのニュースをチェックしていますと
ドロレス マルサリスの訃報記事を見つけました。

ドロレスは有名なニューオルリンズのジャズ一家
マルサリス家の母親つまりはエリス マルサリスの妻であり
ブランフォード、ウィントン、デルフィーヨ、ジェイソンの母親です。

日本のサイトでは見かけなかったので未報かもしれません。


youtubeでは旧例に則った葬礼の模様がアップされていました。


目をはらした様子で演奏するウィントン、フランフォード、デルフィーヨの
姿が痛ましい。

映像の終わり近くでパーカッションを打ち鳴らして踊っている少女は
デルフィーヨの娘さんかしら


複数のサイト記事をよんでいてとても気になる記述がありました。

ドロレス マルサリスの父方の大叔父さんがウェルマン ブロだというのです。
ご存知の方もいらっしゃったかもしれませんが全くの初耳でした。


実際のところジャズを趣味とされる方のうちどれくらいの方が
ウェルマン ブロの名前をご存知でしょうか。

ウェルマン ブロはエリントン楽団の初代のベーシストを務めました。

エリントン楽団のベーシストといえば夭逝したジミー ブラントンの名が
つとに有名ですがブロはほとんど認知されていないのではと思います。

かく言う私もちょっとづつエリントンを齧り始めたこの10年ぐらいで
知った名前です。


ジャズに使用されている楽器の歴史解説などを読むと
ベースがジャズのメイン楽器になるのはそう古くないとわかります。

それ以前にベースの役割を担っていたのは主にチューバでした。

ジャズが軍楽隊の楽器を流用して演奏され始めたという説からは
なるほどと頷ける話です。


録音技術がそれほど発達していない20年代では
比較的音の小さなベースでは難しいという事もあったようです。

それゆえ古いジャズベーシストはチューバを兼任する人も多く
このウェルマンもそうであったようです。

彼こそがチューバのように低音をつむいでいくことから
ピッチカートでジャズの演奏の屋台骨を担う変換点の主人公でした。

言ってみれば 近代ジャズベーシストの父
と呼んで差支えのない人です。

テナーサックスでのコールマン ホーキンズに匹敵するお方。


と言っていても音を聴かないとはじまりませんのでこれまたようつべを

BLUE HARLEM - Duke Ellington - 1932

当時では全くの破格であった20秒ほどのブロの
ベースソロを聴くことができます。

普通のピッチカートでの演奏ではやはり音が小さいのか
スラッピングによる演奏です。

ブラントンのように現代のジャズに一直線につながるようには聴こえませんが
ミルト ヒントンひいてはミンガスへの道は見出すことができます。

なるほど ベースの父 ですな。


まとまった彼の演奏を聴くならば

"Cotton Club Stomp" (Naxos)
Duke Ellington:


が簡潔にこの時代のエリントのの演奏をコンピレーションしていて
有用だとお勧めします。

ナクソスはお安くてよろしいな。


さて訃報記事でエリス マルサリスのインタビューが引用されているのですが
要点をまとめて記しますと
  「みんながブランフォードやウィントン息子たちの音楽的な才能は
   私から来ているというんだけれどもそうではない。
   私の親族に音楽に関係のあるものは全くいない。
   すべてはドロレスの血から来ているんだ。
   ドロレスの父方には有名なエリントン楽団のウェルマン ブロがいるし
   そのほかにも歴史的に著名な音楽家を幾人も輩出しているんだ。」

という事だそうです。


うーんなるほど伝統芸能マルサリス家のルーツはとてつもなく深かったのだ。






2017年09月18日 埋もれたCD紹介 トラックバック:0 コメント:0