ジョシュアとメルドーの邂逅は必然だったのだろう


"Nearness" (nonesuch)
Joshua Redman, Brad Mehldau



今年に入ってから手にしたジャズのアルバムのうちで
間違いなく最高の純度の音楽だと思います。

いやジャズに限定する必要もないですね。


ジョシュアレッドマンのアルバムについては近作のアルバムについて
記事を書いています。

このアルバムが録音されたのは2011年の各地でのライブ会場ですので
前回の記事で触れたアルバム「トリオズ ライブ」の前後に記録されたものとなります。


現代のジャズにおいてピアニストとしてのトップミュージシャンであるメルドーと
サックス奏者としてのこれまたトップミュージシャンのジョシュア。

この二人には大きな共通点があると感じています。

それは 「孤独」


デビュー当時の二人の音楽からは
ちょっと余人を安易には寄せ付けないような屹立した孤独感が漂っていました。


ただ二人が持っている孤独感というのは本質的にはちょっと異なるように感じます。


ブラッド メルドーから感じる孤独感というのは
ちょっと底が見えないような深ーい闇のような孤独です。

日本人の私からはちょっと想像がつかないのですが
彼にはきっと創造者である神がいるのではないかと感じます。

音楽性は異なるのですが
ここまでの深い孤独を感じさせるのはビル エヴァンズだけでしょう。


かたやジョシュアから感じる孤独というのは
現代に生きる者としての孤独感です。

インテリ都会人としての孤独ともいえるかもしれません。
望むと望むまいと逃れられない自立。


この二人が最初に残したアルバムは98年の「タイムレステールズ」でした。

最初のこのアルバムからジョシュアとメルドーの相性はぴったりです。

それからこのアルバムの曲たちが録音された時までに十数年の月日が経っています。


二人の相性はそのままに
とても親密なな関係性がうかがえる演奏へと発展しています。

ふたりが互いに発する一音たりとも互いに聞きのがすことはなく
即座に演奏でこだましあう様がなんとも素晴らしい。

これほどまでに呼吸が合っている演奏であれば
誰が耳にしてもインタープレイという言葉の意味が
即座に理解されると思います。


ピアノとサックスのデュオであったことが
テンポと音の空間の自由さに寄与していると思います。

ベースやドラムが使用されていれば
これほどの自由さはなかったことでしょう。


孤独な二人が必然の出会いと
年月を経て得た幸せな境地
  "nearness"

こういう演奏を聴かされると
自分が音楽を享受するだけの立場なのが残念です。

こんな風に演奏ができるなら
ミュージシャンであるのは至福でしょうなぁ。



音楽を愛する万人にお勧めできる一枚です。

この記事で紹介したアルバムです
ニアネス




2016年11月04日 新譜紹介 トラックバック:0 コメント:0