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J.D. Allenはまだまだ迷走中のお年頃

ジャズ界の若手テナーサックス奏者としてさっそうと登場したJ.D. アレンも
気が付けば40半ばのおじさんになっていて時の経つことに驚かされます。

近年デビューするミュージシャンたちはたいていそうですが
初録音の時から楽器を演奏するテクニカルな部分はかなりのモノでした。

であれば後は他の誰でもない彼自身のヴォイスや語り口などを
身に着けるだけという事になりますがこれがなんとも難しいようです。


最近のジャズテナーサックス奏者の多くの人が奏法の多くの部分を
コルトレーンに置きそこへウェイン ショーターをトッピングするような
演奏をおこないます。

アレンもまたその顰に倣う奏者の一人のように見受けられました。

キャリアを積むうちに曲やアルバムの構成力も増して
なかなかききごたえののある骨太の作品を送り出すようになっていました。

その彼が先日リリースした新譜が

"LOVE STONE" (Savant)
J..D. Allen

「ラブ ストーン」です。

今までの彼のアルバムの傾向からするとちょっと意表を突かれたのですが
全編バラードで綴られたスタンダード集でした。

ここしばらくリリースを続けるサヴァントからの出版でしたが
コルトレーンの三部作じゃああるまいしどうしたものかと訝しく感じました。
 アレン君売れたいのか?


ちょっと眉に唾をつけながら一曲目の"Stranger in Paradise"を聴きますと
コルトレーンに倣った語り口に少しデクスター ゴードンが見え隠れするような
演奏振りです。

途中で破綻するような部分もなくこれはこれで完成された曲だと思いますが
正直あまり興味を掻き立てられるような演奏とは思えない私がいます。

演奏を聴いて確かにうまいがアレン独自の語り口というものが
ほぼ見えません。

これならば別に新たにスタンダード集を世に問う必要があるのかと
言いたくなります。


二曲目の"Until the Real Thing Comes Along"はさらに
ソニー ロリンズの香りが付け加わったような気がしますが
一曲目と同様にさほど面白味を増すことはありません。


三曲目"Why Was I Born"はコルトレーンがケニー バレルと共に残した
有名作があるのでその伝で行くのかと思いきやなんとロリンズ節が
さらに強まる演奏です。


さらに聴き進めまして"Put On a Happy Face"
これはもう恥ずかしげもなくロリンズの物真似サンかと疑うばかりの演奏。

「新しく出たグラント スチュワートの曲です」なんて紹介されたら
なるほどとうなずいてしまう程です



演奏に気というか鮮度が感じられずに全体に
テンポが遅いように聴こえます。

もうこの辺になると一気に最後まで聴き通す気が失せてしまい
ちょっと気がのるまでうっちゃっておくことにしました。


うーん どうしたんだ J.D. アレン
40半ばになってフランケンシュタインのような
継ぎ接ぎスタンダード集を造っているようでは……


お笑い界の若手たちと同様に
ジャズ界も40歳は若手だなんて押し通す気ですかな


うーん なんだかなぁ(©阿藤 快)
と思う今日この頃でございます。








2018年08月20日 新譜紹介 トラックバック:0 コメント:0