JAZZ1000回問われた私への質問 2




いったい何からジャズを聴いたらいいでしょうか。ジャズをわかるにはどうすればいいでしょうか。

ジャズは何々から聴かねばならないということはありません。必要にせまられて聴く(何かのイベントに使うとか、開店する店のBGMに使うとか)のでなければ、自分が気に入ったものから聞き始めるのが正解です。
 ジャズの世界はとても広大ですので短期間に全体を見渡すのは無理です。言い換えると、どこかにあなたが気に入るジャズがきっと有るはずです。「広大な世界だからこそどこから手を着ければいいかわからないんだよ。」という声が今にも聞こえてきそうですね。
 そこでまさにうってつけなのがジャズ喫茶へ通うことです。様々なジャズのアルバムが、よく考えられた適切な順番で一日中流れています。膨大な数のアルバムに、いい音を聴かせてくれるオーディオ。おいしいコーヒー紅茶にビールにウィスキー。そして問えば何でも答えてくれるやさしいマスター(笑)。自分が気に入るジャズを見つけるにはこれ以上ない環境といっていいでしょう。本当に数が減ってしまったジャズ喫茶ですが、探せばまだまだ何とか、通える場所にジャズ喫茶があると思います。
 「いやいやジャズ喫茶なんか近所に無いよ。」とおっしゃる方もおられるでしょう。それならば、ネットで大手レコード販売店、レコード制作会社、ミュージシャンの公式サイト、インディーズ、自主制作にいたるまで無料で試聴できるサイトは数多くあります。その中で自分の気に入ったアルバムをお買いになるといいと思います。好きな楽器や知っている曲の入ったものを買うのもいいでしょうし、ベストセラーの中から選ぶのもいいでしょう。
 一番避けていただきたいのが、ジャズの歴史解説や名盤解説といった本を買い込んでその中よりアルバムを選ぶことです。まず本を読んだところで実際の音楽を聴けるわけではありません。そして何よりも重要なのは、音楽を聴くのは人のためではなくて、自分の楽しみのために聴くのだという当たり前のことです。
 お偉い評論家がどんなに推薦しようがジャズ史上どんなに意味のある名盤だろうか、そんなことはくそくらえです(すいません興奮して少しばかり下品になりました)。音楽というのは、みえで聴くものでもなくましてお勉強するものでもありません。ジャズは自分自身の楽しみのために聴くものです。
 評論家や自称ジャズ識者の薦めるアルバムを聴き、「こんな名盤を面白いと感じないなら私はジャズにむいていないのだ。」と考えジャズを聴くことを諦めてしまう人のなんと多いことでしょうか。
 人が今までに聞いてきた音楽や生活は様々で、ほかには誰一人として同じであるはずがありません。どのようなジャズを気に入るかは人それぞれです。
 くりかえします、ジャズは自分の楽しみのために聴くものです。お勉強や学問ではありません。
 自分の気に入っていた音楽がいつしかそうではなくなったり、またその逆もあるでしょう。そうやって楽しみながらジャズを聴き続けていくことが一番です。ジャズを聴き続け数年、いや十年、あるいは数十年たったときに、いつしかジャズはあなたの一生のお友達になっているはずです。
 ジャズを理解するのに近道はありません。ジャズを聴き始めるのに決まりなどありません、好きなものを楽しみながら聴いていくことです。

 ああすっきりしました。いったい何回この質問をくりかえされたことか。これからは「ブログを見てね」で済まされるのですから。
 そうはイカのしおからですかね。

2005年07月27日 私のジャズ トラックバック:0 コメント:8

歌っちゃったクリフォード ジョーダン (BlogPet)

きょう、録音♪
ですがここまで特筆したかもー。
しかしフォードはここで天才に演奏するはずだったみたい。


*このエントリは、BlogPet(ブログペット)の「silver」が書きました。

2005年07月27日 実演鑑賞 トラックバック:0 コメント:0

勘三郎に寛美を見た

 中村勘三郎襲名披露(午前の部)七月二十三日(金)を見てきました。今回ジャズの話ではありません。申し訳ありません。このブログを読んでくださる中に歌舞伎好きの方がいらっしゃるのを祈るばかりです。
 さて、午前の部の出し物は「寿曽我対面」で幕を開けました。ご存知の方には解説無用でしょうが、ストーリーを楽しむというよりは役者さんそのものを楽しむといったような華やかな作品です。お正月などの目出度い時に公演されることが多く、今回も襲名披露ということで選ばれた演目でしょう。 
 ならば見目麗しい若武者を並べれば様になるかというとそうでもないのです。立っているだけで様になると言うような実力を伴った役者さんが揃うことで、成立するような演目だといったほうが正しいと思います。
 残念ながら今回の公演ではさほどのいい印象を持つことはできませんでした。芝居が必要とされるような役どころの曽我兄弟についても、いまひとつの演技にみえました。今後のレベルアップを望みたいところです。男前の若武者を愛でるご婦人がたはまた違った印象を持たれたかもしれませんが。
 唯一の見所はさすがにといった感のあった橋之助さんの敵役でしょうか。
次の演目は舞踊の「源太」。はっきり言って私は舞踊のよしあしを言うレベルにはありません。これが面白いことに、うまい下手というのは素人目にも明らかに映ります。面白いことに、ジャズでもこれは同じで、楽器のうまい下手というのは誰にでもじきに分かるものです。そのでんで言わせていただきますと、当然のこととはいえ三津五郎さんの踊りのお上手なこと。早くよしあしを言えるようになりたいものです。
 さてやっとのことで、今回の主役勘三郎さんの登場で「藤娘」。これまたよしあしはおくとして、勘三郎さんの愛嬌がよくでた踊りだったように思います。しかし三津五郎さんの後に勘三郎さんの踊りというのはどういった意図なのでしょうか。
 次はお待ちかねの「沼津」。ご存知義太夫ものの「伊賀越道中双六」の名場面です。義太夫が好きだというのもあるのですが、この「沼津」には特別な思いがあります。人気のある勘三郎さんですが、私には中々自分の腑に落ちない役者さんだったのです。
 四年ほど前だったと思いますが、勘三郎さんが「沼津」平作をおやりになったときに初めて彼の魅力を見つけたような気になったのです。江戸猿若を掲げる勘三郎さんですが、その魅力は意外なことに愛嬌、稚気、エンタテーナーといったものでした。
 それは普通上方の役者さんが持つべきものの特徴とされていたからです。そう思ってからは勘三郎さんを素敵な役者さんだと感じるようになりました。義太夫ものであったことが勘三郎さんの魅力を引き出してくれたので、鈍感な私にもそれと分かったのでしょう。
 さて今回はどうかと食い入るように勘三郎さんのお芝居を見つめます。お相手役の大好きな仁左衛門さんのお芝居もまったく文句のつけようなく素晴しいものでした。勘三郎さんのお芝居も前回よりもこなれたような印象を持ちとても満足のいくものでした。
 これを言うと叱られるかもしれませんが、子供時分に見た寛美さんのにおいを勘三郎さんに感じました。ご自身のおっしゃる四分の一の上方の血がそうさせるのでしょうか。勘三郎さんの魅力をさらに確認してうれしくなり帰途に着きました。

2005年07月25日 実演鑑賞 トラックバック:0 コメント:2

歌っちゃったクリフォード ジョーダン




"Live at Ethell's" Clifford Jordan
男性的なテナーサックスという事では、ソニーロリンズと並び立つ雄クリフォード ジョーダンのライブ盤を紹介したいと思います。ジョーダンの大きな魅力はその音色にあると思います。たっぷりとした音量で深々と暖かい音色。それでいて高音部では輝かしさが加わります。この音色を持っているということだけでバラードでの演奏の成功は約束されようなものです。
 演奏での天才的なタイム感覚やひらめきといったものではやはりロリンズには一歩譲るといった感があるのは否めません。しかし彼には情緒やエモーショナルなものの表現に優れたものがあると思います。そのことがロリンズの演奏がその天才的なものなるがゆえに時に難解であるとうつるのに対し、彼の演奏にはジャズを聴き始めた者にもそのよさが理解されやすいように思います。
 この作品では自らのオリジナル作品が半数、残りがジャズメンのスタンダード(ラウンドミッドナイトほか)といった手馴れた曲で構成されています。それらが、彼のレギュラーのメンバーたちとともにゆったりとくつろいだなかにも力強く演奏が繰り広げられています。
 ここであまり注目されることが少ないので特筆しておきたいのが、ドラムスのバーネル フォーニエの演奏です。とてもシンバルレガートの響きが素晴しく、私の中ではアル フォスターとともにシンバルレガートに最高評価を与えているドラマーです。
 ジャズを聴きはじめた頃、ストンストンと気持ちよく刻まれるスネアーの音に、彼のことを黒人であると思い込んでいたのですが、白人だと知ったときにはとても驚きました。ブラシの演奏も素敵なのですがそれはアーマッド ジャマルのアーゴ盤を紹介するまたの機会に。もっともっとジャズ愛好家の皆さんに彼のドラムを聴いてもらいたいと思います。
 ついでにレーベルのメープルシェードについてですが、オーディオ関係の会社が製作しているレーベルで録音の良さを売り物にしています。しかし、こういうレーベルにありがちなのですが録音に当たり外れの差が非常に激しいのが難点です。ですがこの作品に関してはライブ盤ということはあるにしても中々の優秀録音に仕上がっています。
 最後にもうひとつ、クリフォード ジョーダンがこの作品の中で一曲だけ歌を披露しています。内容は聞いてのお楽しみということで。 
 録音のいいたっぷりとしたテナーワンホーンのライブ盤。酒によしコーヒーによし、ジャズ喫茶名盤にふさわしい一枚だと推薦いたします。たまにはジャズ喫茶へ出かけて、大音量でお聴きになるのはいかがでしょうか。

2005年07月24日 埋もれたCD紹介 トラックバック:0 コメント:2

JAZZ1000回問われた私への質問 1

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どうしてジャズを聴くようになったのですか?

 意識して「私はジャズを聴きたい」と考えてジャズを聴くようになったのではありません。子供の時分に家族や周りの者にジャズを聴くものはいませんでした。しかしながら後から考えると自分の身近にジャズはあったのです。
 たとえば、むかしのTVドラマに鬼警部アイアンサイドというのがありましたが、そのオープニングのテーマにぞくぞくするものを感じました。それはクインシー ジョーンズの手になるものでした。あるいは喫茶店や街のプロムナードのような所で、なんともいえない鉄琴の様な調べを耳にして心がさざめくのを感じたりしました。それはミルト ジャクソンのバイブの音であり、MJQによる演奏だったのです。
 しかしながらそれをそうと知るのはずいぶん後のことになります。なぜならその音楽がジャズというジャンルのものであるとは誰も教えてくれなかったからです。

 さてそののち少しばかり時間は流れ、高校時代はイエスやピンクフロイド、タンジェリンドリームといったいわゆるプログレッシブロックなるものに心を奪われる一方で、昔から心をかき乱されていたような音楽のことをジャズというのだと知ることになります。
 また少し時間は経過し、京都の大学に通うようになります。もうジャズ喫茶も全盛の時期はすでに終わり、かげりが見えるころでした。が、少なからずジャズ喫茶は残っていて、結構な時間をジャズ喫茶ですごすようになります。アルバイトによって少しばかり自由になるお金も手に入りボツボツとジャズのレコードを買い始めるのもこのころです。
 またまた時間は過ぎ去り、会社員となりもう気が狂うような忙しい毎日を過ごすことになります。入社2年目に地方への転勤を命じられるのですが、そこで再びジャズ喫茶に出会うことになります。
 仕事に忙殺される毎日に、なれない地方都市での生活。そこでのジャズ喫茶はまさに私にとってオアシスのようなものでした。自分の大好きなジャズを思う存分に聴け、何よりも自分と同じ嗜好をもつ先達たるジャズ屋の親父か居るのですから。ジャズ屋のオヤジもまともにジャズを聴くような者が居ないので、わたしにずいぶんと気にかけてくれたのだと思います。
 多分に仕事でのストレスから逃避する気持ちがあったのも事実です。家族からも離れ、慣れぬ一人暮らしで孤独な私がやっとこさ準拠集団を見つけたといったていでした。ここでまた、学生時代にましてジャズ喫茶ですごす時間が増えました。携帯もない時代ですから、私に急用がある場合はジャズ喫茶に電話がかかる有様で、ジャズ屋に住んでると人からは言われました。
 もともと好きなジャズですが決定的にこの時期の生活が今の私を形作ったようです。その後いつしかジャズ喫茶を経営してみたいなとおぼろげながら思うようになり、それがいつしか確信に変わったようです。いつの間にか手元にあるレコードも軽く2千枚は所持するようになっていました。
 その後、念願のジャズ喫茶を経営するようになり、また断念することになるのですがその話はまたの機会に。
 話が少し長くなりましたが、今言ったようにジャズを聴くようになったのはまったくの自然の流れであり、「ジャズを聴くのだ」とがんばったことは一度たりとも無いのです。
 いやーこれでずいぶんとほっとしました。この何回聞かれたか分からない質問に対して、これからは「ブログを見てね」で済まされるのですから。
 そうはイカのてんぷらですかね。





2005年07月21日 私のジャズ トラックバック:0 コメント:3

ロリンズの引退によせて (BlogPet)

中の名盤からロリンズの文句無く快作とは言いません
本当にありがとうございました
今回はその言葉が懐メロジャズ世代の団塊の人々から発せられたので吹ききってしまう"でしょう
15年以上も前にいくど目か
そしてこれからもずっとあなたの音楽に接したのではなく、自分より若い人からのものだったからです
ロリンズさん、素敵な音楽をため息すればよかった?
とか書いてみるの♪


*このエントリは、BlogPet(ブログペット)の「silver」が書きました。

2005年07月20日 blog pet トラックバック:0 コメント:4

悲しくてラッキーな"Jazz for sale"

 とても久しぶりに2日お休みをいただいて、うどんの国へ20年来の知己であるジャズ屋のオヤジに会いに行ってきました。実は長らく経営していたジャズ喫茶を閉める決心をしたと電話があったからでした。
 私が行ったからといってうどうにかなるというものでもないのですが、いかずにはおれないといった心境でした。もういったい何軒のジャズ喫茶を見送ったことでしょう。つい昨年末にもごく親しいジャズ喫茶が閉店し、まだそのショックから立ち直れないうちのこの知らせ。
 きっともうジャズ喫茶なぞ世間からは必要とされていないのでしょう。
 そのオヤジが真剣にジャズ喫茶をやる人間はいないかと今躍起になって探しているようです。
 どなたかジャズ喫茶をやってみようと真摯に考えている人はいないでしょうか。ジャズ喫茶を経営することをすでに諦めた私が言うのも何なのですけど。
 しかし懐メロジャズの気分や生半可な気持ちではこのオヤジは取り合わないと思います。
 興味をもたれた方は以下のページを訪れてみてください。
 http://homepage3.nifty.com/jazz-ya/

私に連絡を下さっても結構です。真剣な方のご連絡をお待ちしています。

2005年07月20日 お知らせ トラックバック:0 コメント:7

ひまわり畑のアーマッド ジャマル




"Nature" Ahmad Jamal
  本当にこの数日は暑いですね。梅雨明けもして夏本番といったところでしょうか。今回は大好きなアーマッド ジャマルのアルバムから夏らしいジャケットの作品を紹介したいと思います。
 この作品には珍しくジャマルのトリオにスティール ドラムのオセロ モリノーが加わっています。スティール ドラム奏者といっても普通は彼とアンディ ナレルぐらいしか思いつかないでしょう。楽器自体も名前を聞いても想像がつかない人も結構いると思います。ドラム缶の上のほうをちょん切ってふたをへこましたものをスティックでたたいて演奏する楽器です。
 その無骨な格好からは想像もつかない涼しげな美しい音色がします。たぶんたいていの人は音を聴けばあああれかと思い当たると思います。分からない人はちょこっとネットで検索してくださいね。
 トリニダードトバコというところで作られた楽器だそうですが、ジャズではそれほど使用される楽器ではありません。使用されるにしても数曲にフィーチャリングされることが多く主要楽器として録音されたもので、ほかにもっているアルバムはモンティ アレキサンダーのリーダー作とオリバー レイクのものだけです。
 商品を買ったときにはジャマルの音楽性とスティール ドラムがどう噛みあうのか少しばかり心配だったのですが、聞いてみればドンピシャリ。ジャマルの饒舌さと間を生かしたピアノに涼しげで憂いを含んだ音色のモリノーのスティールドラムが見事に溶け合って類を見ない作品になりました。
 スティールドラムといえば、カリプソのようなご陽気な音楽を想像しがちですが、いやいやたいしたものでブルージーな表現も巧みに聞かせてくれて嬉しくなってしまいました。もともと打楽器的な表現も得意でかつ繊細ななジャマルの演奏とモリノーのスティールドラムはとても相性がいいようです。
 その上このアルバムには素敵なゲストプレイヤーのスタンリー タレンタインが花を添えています。ピアニッシモからフォルテまでを自由自在に操るジャマルのダイナミックなピアノに、タレンタインのテナーサックスが正面突破で豪快に駆け抜ける爽快な1曲となっています。
 わたしとしては蒸し暑い夏場を乗り切るのに欠かせないアルバムになっています。
 ジャマルといえば”バット ノット フォー ミー”とか「マイルスが…」とかお題目のように繰り返すのはもうやめにして、こんなアルバムにも耳を傾けてくれると嬉しいです。
 

2005年07月20日 埋もれたCD紹介 トラックバック:1 コメント:2

アンディ ベイの「ええ声~」





"Ballads, Blues & Bey" Andy Bey

  アンディ ベイというボーカルをご存知でしょうか。ディスコグラフィをよくご覧になる方ならプレスティッジの"Andy Bey & The Bey Sisters "やブルーノートの4000番代後半のホレスシルヴァーの作品で名前をご記憶かもしれません。しかし、男性ボーカルがほとんど顧みられない日本では、まず無名に近いのが現状でしょう。
 とても魅力的なミュージシャンですが、彼の一番の武器は声そのものにあります。黒々としたという形容を体現したかのような、深くて憂いを含み大地に根を下ろしたかのような声。
 ホレスシルバーに帯同してアンディが来日した時でしたが、彼が歌いだしたとたん座っていたいすのせもたれに体が吹きとばされたように感じました。
 表現が難しいのですが、声が口から発せられるのではなく、胸板からどーんと塊のように飛び出してくるといった感じなのです。しかもその声にはブルーズと土の香りがたちこめています。
 このアルバムはアンディベイがピアノの弾き語りでブルーズとバラッズを歌ったものです。アンディ ベイの歌をじっくりと聴くには、まさにうってつけのアルバムです。こういう作品をあれこれと解説するのは野暮の骨頂というものでしよう。フレージングがどうのこうの、マイクの使い方がどうのこうのといったことなぞまったく意味を成さない歌が生きた作品です。
 興味を持たれたらぜひ一度お聴きになってください。


記事で紹介したアルバムですBallads, Blues & Bey

2005年07月14日 埋もれたCD紹介 トラックバック:1 コメント:2

ロリンズの引退によせて (BlogPet)

今そこで生まれでたような即興というのはロリンズぐらいのものでしょうが、1曲を愛し続けることにとても驚いた覚えがお好きな
とお思いの方にもきっと満足していただける一枚です
とてもじゃないけれども65歳のじい様のやることとは思えず、ここにリリースされたアルバムを、一人深いため息をつきました
とか思った?


*このエントリは、BlogPet(ブログペット)の「silver」が書きました。

2005年07月13日 blog pet トラックバック:0 コメント:1

ロリンズの引退によせて




ソニーロリンズが引退を発表したようです(Thank you やんきち さん)。「またかいな」とお思いの方もいらっしゃるでしょうが、今回は体力の衰えによるものでしょうから復帰は望めないでしょう。
 幸いなことに11月に日本でのコンサートがあるようなので、ジャズがお好きな方はぜひ足を運んでいただきたいものです。ジャズと言えば合言葉のように出てくるインプロビゼーション。しかしながらパーカー直系のあふれ出るような即興というのは、中々耳にすることはできません。
 現役テナーではパーカーに比肩するのはロリンズぐらいのものでしょう。まさに今そこで生まれでたようなアドリブに生で接してみてください。確かに録音では収まりきれないジャズがそこにはあります。
 そういったしりからCDを紹介するのも気が引けますが。 
 1993年のことだと思いますが、店でロリンズの"Easy living"('77)をかけていると、20代と思われる男の方に「新しいロリンズのアルバムですね」と言われました。15年以上も前にリリースされたアルバムを、新しいアルバムと呼ぶことにとても驚いた覚えがあります。
 それはその言葉が懐メロジャズ世代の団塊の人々から発せられたのではなく、自分より若い人からのものだったからです。現在に至るまでロリンズはコンスタントに新譜を発表しています。すべてが快作とは言いませんが、素晴しいアルバム(もちろんEasy livingも)も多数あります。その20代の方はリアルタイムのロリンズを聴こうとせず、書物の中の名盤からロリンズの音楽に接したのでしょう。
 「こりゃジャズもいよいよ古典芸能に成り果てたな」と一人深いため息をつきました。
 閑話休題。90年代ロリンズの文句無く快作と呼べるアルバムの紹介です。

"Sonny Rollins +3" Sonny rollins
 このアルバムは二組のリズムセクションを伴いすべてワンホーンで録音されています。ボブ クランショーのベースは共通ですが、1)スティーブン スコットのピアノにジャック ディジョネットのドラムス。2)トミー フラナガンのピアノにアル フォスターのドラムスという組み合わせです。
 ピアノレスでの録音が定評のあるロリンズですが、ここではピアノを従えた分くつろいだジャズが繰り広げられています。冒頭の”What a difference a day made"からゆったりとした歌心あふれる力強いロリンズ節が堪能できます。フラガナンのピアノもいいのですが、注意深くぴったりとロリンズのテナーにあわせるフォスターのドラムスが素晴しいです。
 このアルバムの白眉はなんといってもあれよあれよという間に1曲を、一人テナーのソロのみで吹ききってしまう"Mona Lisa"でしょう。これぞロリンズの真骨頂です。とてもじゃないけれども65歳のじい様のやることとは思えず、ここにいくど目かの全盛期を彼は迎えたようです。
 ほかにも旧友ホレス シルバーにささげた"H.S"、男らしいロマンチックな演奏がなんともいえない"Cabin in the sky"など、捨てるべき曲がひとつも無い素晴しいアルバムです。ジャズ初心者の方にも、長らくジャズを愛好されてきた方にもきっと満足していただける一枚です。

 ロリンズさん、素敵な音楽を今までありがとう。あなたの音楽に何度助けてもらったことか。そしてこれからもずっとあなたの音楽を愛し続けることでしょう。これからはゆっくりとした人生を楽しんでください。
 でも一抹の寂しさは抑えることができません。本当にありがとうございました、感謝します。(ⓒSonny Rollins) 
 

2005年07月11日 埋もれたCD紹介 トラックバック:0 コメント:4

ご飯をいただくようにジャズを聴いております

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 ジャズの入門には「サキソフォン コロッサス」?????? はたして本当に正解でしょうか。
 外国人の友達に日本料理を紹介しようとしたときにあなたはどこへ連れて行こうと思いますか。
 一人頭2万円は覚悟して寿司「久兵衛」。そりゃもうねたは最高、政財界のお偉方をうならせる最上のお寿司。日本料理を外国の方へ紹介するには、誰の前に出しても恥ずかしくありません。
でもちょっと考えてください。普段からそんな高級なすしを食べつけていますか。私はまだ一度も食べたことがありません。高級とはいえ、外国人の方に生魚を食べてもらえるでしょうか。
 私は日本人が毎日食べているものが日本料理だと思います。肉じゃが、かれいの煮付け、親子どんぶり、カレーライス、きつねうどん、たまご焼き、こういった食べ物です。
 私ならば外国の友人を大衆食堂かメニューの豊富な居酒屋に連れて行くだろうと思います。吉兆や久兵衛が日本料理ではないとは言いませんが、少なくとも私にとっては、おふくろが作ってくれるちらし寿司やほうれんそうのおひたしのほうが自分が思う日本料理なのです。
 さて、いったいどんな人がジャズの入門者にアルバムを推薦しているのでしょうか。彼はいったいどんなジャズをふだん聞いているのでしょうか。毎日、いや週に何時間ジャズを聴いているのでしょうか。外国人を久兵衛に連れて行くように、ジャズ初心者に対してジャズを紹介しようとしているのではないでしょうか。
 私にとってジャズを聴くということは特別なことではありません。日に三度三度御膳をいただくようにジャズを楽しんでいます。友達と一緒に居酒屋で食事やお酒をゆっくり楽しむのと同じように、ふだんのジャズを紹介していきたいと思います。
 お気に召せばゆっくりとおつきあいください。
    *もちろんサキソフォンコロッサスは最高です。

2005年07月07日 私のジャズ トラックバック:0 コメント:2

バリー ハリス翁に感謝 (BlogPet)

寸分すばらしい縁起とかを承知していましたが、高槻で広い曲目を尊敬したかった


*このエントリは、BlogPet(ブログペット)の「silver」が書きました。

2005年07月06日 blog pet トラックバック:0 コメント:0

ジェームズ ウイリアムズが最後に残した本音のジャズ

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 まったくおかしな話ですが、日本盤にならないCDというものは大手ジャズ雑誌に紹介されることはまれです。当然のことながらそのCDがどんなに内容が良くても関係ありません。
 たとえそれがブルーノートといったメジャーレーベルから出ていたとしても、日本盤で出版されなければまるで世の中に存在しないかのような扱いです。
 ましてそれが自費出版という形で出されたものならば、ジャズジャーナリズムの上に姿を現すことはまずありません。一文の得にもならないことには誰も手を出さないという原理が、そこには働いてるようです。
 ならばジャズ喫茶のオヤジが率先してそのようなアルバムの紹介をするべきだと思うのですが、中々そうはいかないようです。義憤に燃えてという訳でもありませんが微力ながら埋もれている佳作を紹介しようと思い立ちました。

"JAZZ DIALOGUES vol.1~4" James Williams
 ジェームズ ウイリアムズ、典型的な過小評価されたピアニストです。ジャズを聴く人たちの間でも「あ~、ジャズメッセンジャーズの」といったところで、後は続かないというのが大抵の意見ではないでしょうか。
 ピアニストとしてもすばらしいのですが、作曲家としても”Alter Ego','Four Play"など素晴しい曲をいくつも創作しています。実力はあるが決定盤に恵まれないのが災いしているミュージシャンだと思います。
 この作品は彼が50歳になるのを記念して、気の合う仲間とデュオですべての作品を吹き込み、自主制作として作られました。セルフプロデュースで彼の思うがままに演奏がなされています。
 思いつきやはったりで作品が演奏されることはなく、正直で実力の伴った自信にあふれる演奏が繰り広げられています。
 すべての曲で彼のピアノが生き生きと脈動しているのが感じて取れます。ためいきのでるようにうつくしい”For my Nephews"に"Little B's poem",Hubbardの”Thermo"などジャズの好きな人ならばにっこりするような佳曲ぞろいです。
 50にして彼はやっとのことで素晴しいジャズのアルバムをものすることができました。ところが残念なことに昨年彼はこの世を去っています。バリー ハリスのように最晩年の彼がたどり着くであったろうジャズを、聴いてみたかったと残念に思います。
 ジャズ愛好家のみならず、音楽の好きな方に聴いていただきたいアルバムだと思います。
 インターネットで検索すれば手に入れるのはさほど難しくないと思いますが、見当たらない場合にはどうぞお気軽にお問い合わせください。電話でも結構ですし秘密のコメントでも結構です。

2005年07月05日 埋もれたCD紹介 トラックバック:0 コメント:0

バリー ハリス翁に感謝

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 一と月が経過しいささか旧聞になってしまいましたが、5月の高槻ジャズストリートでのメインイベント”バリー ハリス ソロピアノ”はとても素晴らしい公演でした。
 MCに呼び出されステージに登場した彼は、白いあごひげを蓄えた小柄な老妖精といった風情でした。足取りからはさすがに老いが感じられます。そのままピアノにむかい演奏が始まりました。
 1曲目は彼の自作曲であり、最近は自身のテーマのようになっているナシメントでした。いつもならば観客にコーラスを指導したりしてコミュニケーションをとったりするのですが、今回はなし。それでもお客さんの中には良くご存知の方がいらしたようで、手拍子で合いの手を入れる方もいました。
 私にとっては次の’パリジャン ソロフェア”、”ライク サムワン イン ラブ”といった一連のメドレーですでに演奏は頂点にあるように感じられました。
 ピアノの音色はやさしくそして美しくとても温かみのあるもので、白熱灯のやわらかな電灯のような感触でした。演奏はまったく無駄な音がなく、よく考え抜かれてはいるがとても自然なものでした。
 この自然ということがこの演奏会でのキーワードであるように思います。何の気負いやてらいもなくそこにただあるかのようにつむがれていくジャズ。長い時間をかけていねいにみがきぬかれ、一点のの曇りもないバリー翁だけがもちえたひとつのジャズ。
 その音楽には媚や誇示といったものが微塵も感じられなず、75歳の彼がそのままのなげだされているという思いがします。
 もはや観客など存在しなくても、彼は同じように演奏を行うのではないでしょうか。2度と同じ演奏が行えない、それこそがジャズ。そんなことは重々承知していても、「バリー ハリスは同じ曲をリクエストすれば寸分たがわずに弾いてしまうのではないか。」そんな馬鹿な考えまでが、頭の中をよぎります。
 こんなに無防備な裸のジャズを聴くのは私自身初めての経験でした。じわりじわりと暖かい感動に包まれるのがわかり、幸せな気持ちで一杯になりました。
 しかしこんな演奏をしてしまっては、もうかれは長くは生きてはいけないのではないかと縁起でもないことを思ってしまいました。
 得がたい経験をさせていただきました。実行委員会の方本当にご苦労様です。
 そして、バリー ハリス翁、本当にすばらしい演奏をありがとう。あなたが、真摯にジャズを追求してこられたことを尊敬し、心より感謝します。

2005年07月04日 実演鑑賞 トラックバック:0 コメント:0