cherry タレンタインよりもタバコのおはなし

チェリー

"Cherry" (CTI)
Stanley Turrentine (ts)
Milt Jackson (vib)
Bob James (key)
Cornell Dupree (g)
Ron Carter (b)
Billy Cobham (dr)


紙巻たばこを随分と前にやめてしまった私には直接関係の無いことですが
震災の影響でタバコの生産がストップしている銘柄がかなりあるようです。

震災の影響なら仕方が無いかと
誰しもが納得せねばならないところでしょう。

そこに目をつけてというか
どさくさにまぎれてというか
廃止してしまうタバコの銘柄がJTから発表されていました。

店にお客さん用の買い置きのタバコを置かなくなって久しいので
どんな銘柄が人気のタバコなのか見当がつかないのですが
多分不採算になっている銘柄をこの際廃止してしまおうという目論見でしょう。


なんという気もなしにJTのサイトを見ていると
その廃止銘柄のリストの中に「チェリー」の名前を見つけました。

「チェリーがねぇ」
 とちょっと感慨にふけりました。



私が新人サラリーマンであったころのお話ですが
(つまりは四半世紀以上も前の話ですな)
ちょうど課長さんぐらいの肩書きの方が
職場の同じフロアーの四人で
そろって吸っていた銘柄がチェリーでした。


チェリーなんてタバコは当時でも
なかなか自販機では見つけられない銘柄なのにと
とても不思議に思いました。


私はタバコを吸い始めたときに
町で見かけるタバコのありとあらゆる種類を吸って
自分の好みのタバコはないかと試してみました。

そのときにチェリーというタバコも口にしたのですが
チェリーの独特の香りがどうにもなじめずに
一箱吸いきらずに捨ててしまいました。
 「こんなタバコ吸うやつおるんかいな」

それ以来入社するまでの間に多くの喫煙者と過ごしましたが
チェリーを吸う人と会うのはほとんどまれなことでした。


私は今では随分と変わりましたが(変わってないぞの声が聞こえたような)
なかなか自分の価値観と対立する人とはうまくやっていけない性分でした。

そのうまくやっていけない人たちがなぜかみなチェリーを吸っていました。

最初は何かの偶然であるのかと思いましたが
多分にチェリーという銘柄を吸う人は
ある世代のある同じような考えを持つ人たちが
共通して吸っているのだと思うようになりました。


チェリーは大阪万博のひらかれた1970年に発売されました。
当時の宣伝のキャッチコピーは
 「世界の味 Oh チェリー!」
日本で初めてのアメリカンブレンドのタバコとのふれこみ。

時代は高度経済成長まっただ中。

いけいけどんどん
体力勝負でがんがん仕事をこなし

号令一下
一目散にゴールをめざす

民主主義と正義を標榜しながら
多数決をふりかざし
少数の意見はかえりみない


そんなイメージがチェリーに
染み付いています。

柔軟な考えを持ち
博愛主義のチェリーを愛煙していた方には
まことに申し訳ない話です。


そんなチェリーが廃止になるとは。

なんだかんだ言って
保身にたけて身返るのが早い人たちだから
タバコなんかはとっくに止めてしまったんでしょう。


廃止になったチェリーに黙祷!




ちょっとだけ
タレンタインの「チェリー」についても。

都会的でブルージーという形容がピッタリと似合う
ミルト ジャクソン
スタンリー タレンタイン
のご両人。

ここへまたブルージーなギター職人
コーネル デュプリー。

こんな面子を
あっさりとバッキングする
ボブ ジェイムズ。


中身なんか聴かなくたって
ジャケットから音があふれ出るような気がします。

CTIの作品をフュージョンの一言で片付ける人がいますが
こりゃもう間違いなしの大傑作であります。

聞き流してよし
じっくり耳を傾けてよし!

もちろん私はよう聞き流しませんけれども。

ほんま洒脱なアルバムですわ。


私の大推薦盤です。





この記事で紹介したアルバムです
チェリー





2011年05月25日 埋もれたCD紹介 トラックバック:0 コメント:6

ジョン イラバゴン 「フォクシー」 に ヒガシマル賞をどうぞ

Foxy

JON IRABAGON "FOXY"
Jon Irabagon (ts)
Peter Blendler (p)
Barry Altschul (ds)



ジョン イラバゴンという名前を初めて聞いたのは何年か前のモンクコンペティションの優勝者としてでした。

そのときに優勝者の特典としてメジャーデビュー作品が世に送り出されたのですが
はっきり言ってそれほどの素質を感じませんでした。
あまりに保守的なバッキングを勤めるミュージシャンを選んだせいかもしれません。
もっとも彼がバックミュージシャンを選んだのかどうかは私には知るよしもありません。

それ以来彼の作品を手にすることは無かったのですが
2010年の新作のあまりにあほらしいジャケットにやられて
アルバムを購入することにしました。


はい、チョットこのジャケットをご覧ください。

何が言いたいかはお分かりでしょう?(笑)
2.3年もジャズをお聞きになった方はこのジャケットにピンときますわなぁ。

はい、ソニー ロリンズのかのコンテンポラリー盤であります(爆)。
このジャケット結構細かいところにも凝っていまして
右上をごらんいただくと 
  CONTEMPORARY
   STEREO
とあります。

んな わきゃあ ありません。


そして右下角のロゴマークにご注目を
輸入版で名盤を収集している方にはなじみのあるロゴマークが
  はい OJC ooaka jazz club

んな わきゃぁ ありません2


そしてスペシャルゲストの名前が
ああ、おナツカシや バリー アルトシュル

そうです
あのサークルでドラムをたたいていたかのひとであります。

こりゃもうジャケット買いをしないことを標榜しているわたくしめも
かわずにゃぁいられません。


ということで購入したのですが
聞いてびっくり!

このアルバム
ジャケットの裏には12曲のクレジットがあるのですが
実際にははじめから終わりまで約80分の間ノンストップ演奏!!
こんなことはジャズ界始まって以来の暴挙でありましょう。

ドラムがドラムでしかもピアノレスということで
ドシャメシャなフリージャズを想像しそうですが
中身はフリーキーに傾く場面もあるにはあるのですが
基本的にはハードバップの範疇で演奏が繰り広げられます。

アルトシュルというドラムには
フリーにしても結構知的な演奏家であると認識していたのですが
ここではなかなかのやたけたぶりで
にんまりしてしまいます。


このジャケットからするに
イラバゴンはロリンズを崇拝しているのでしょうが(実際そういう演奏も残しています)
ここでの演奏を聴く限りはジョニー グリフィンがアイドルといった感じがします。

マルチリード奏者であるイバラゴンですが
基本的なボキャブラリーはアルトサックスにあるようです。

そこへテナー奏者としては基本的なコルトレーンを加えて
すこしばかりロリンズの粉を振りかけたという印象です。


正直に言うとイラバゴン自身の個性の確立には
いまだいたっているようには聞こえませんが
このハッチャケぶりには好感を持ちました。

アルバムをはじめから最後まで通して聞くのは無理ですが
適当なところを区切っておなかが膨れるまで聞くには面白いアルバムです。

ジャケットの中身の写真も含めて
持っていて損はしないのではないかなぁと思います。


といことでジョン イラバゴンの「フォクシー」に
2010年審査員賞を送りたいと思います。

「はい、ヒガシマル ヒガシマル」 (by Bonji Saijou)


この記事で紹介したアルバムです
Foxy





2011年05月18日 新譜紹介 トラックバック:0 コメント:2