ロリンズの前にも、コールマンの前にも、ヘインズの前にも



"Road Shows Vol.2" Sonny Rollins (Doxy Records/EmArcy)
Sonny Rollins(ts)
Ornette Coleman(as)
Roy Hargrove(tp)
Jim Hall(g),
Russell Malone(g)
Christian McBride(b)
Bob Cranshaw(b)
Roy Haynes(ds)
Kobie Watkins(ds)
Sammy Figueroa(per)

ソニー ロリンズの「ロードショウズ2」が秋口に発売されています。
お客さんから今度のアルバムはブログに書かないのかと言われました。

前回のアルバムvol.1についてはブログを書いたので
今回のアルバムについても当然書くのであろうと
お思いになったようです。

ひとつにはなかなかブログを更新しない私への
やんわりとしたアピールであったのかもしれません(苦笑)。


アルバムが発売されてから結構な時間が経っているののだから
内容に関しては把握しているのですが
このアルバムを他人様に推薦するのは結構難しいなぁと思っていたのです。

そのためにこのアルバムをブログに載せるのはどうかなぁと
二の足を踏んでいたのです。


このアルバムはロリンズの80歳の誕生を祝ったコンサートを中心として
構成されています。

ゲスト陣も豪華でオーネット コールマンやロイ ヘインズ
そしてジム ホールといったベテランが顔をそろえています。

そういった点ではアルバムの売り文句としては
簡単に惹句を並べることが出来るのでしょうが
アルバムの内容を踏まえて推薦するのは難しい点があります。


このアルバムを聴いてみてさすがにロリンズのプレイに
老いを感じないわけにはいきませんでした。


若々しいプレイ振りに瞠目させられていたロリンズ翁ですが
このアルバムに収められた演奏を聴く限り
衰えを感じずにいられませんでした。

テナーの音はかなりかすれていますし
演奏の調子もそれほど良いとはおもえません。

それはゲストのコールマンにも言えることで
ヨレ気味で同じフレーズを吹いたりするのですが
彼の場合にはもともと天然が売りの人?ですから
ロリンズより衰えを感じないかもしれません。

一つにはアルトというテナーよりは
小さな楽器であると言うこともあるでしょう。


このアルバムの収録された時点で
ロリンズもコールマンも齢80を超えています。

ロイ ヘインズにいたってはなんと85歳です。

演奏から老いを感じるのは無理からぬところです。

こういった演奏を万人におすすめするのはどうかなと
私は躊躇していたわけです。



それならばこの演奏を私が価値の低いものだと思っているかと言うと
まったくそうではありません。

彼らの演奏に他の多くの演奏から受ける感動には無いものを
感じ取っています。


一つには半世紀以上も前のものから現在に至るまでの
彼らの演奏を聴いてきたものが感じられるストーリーを
このアルバムに聴くことが出来るからです。

ロリンズがレコーディングデビューしてから現在に至るまでは
決して平坦な一本道ではありませんでした。

新人のころからとんでもない演奏をみせたロリンズですが
音楽家として幾度も大きな成長点を記録しながら
たゆまぬ努力を続けてここまでジャズ演奏家として歩んできました。

その間にロリンズが演奏の中で捨て去ったものもありますし
新たに付け加えたものもあります。

無くしてしまったものもあるでしょうし
身につけていったものもあるでしょう。

そうした長いジャズミュージシャンとしての年月の中で
現在あるがままの姿がこの80歳記念コンサートの中に残されています。

長らく彼の演奏に接してきた者には
このアルバムはかけがえのない彼の人生を聴き取る気持ちになります。


しかし初めてロリンズの演奏に接する人たちにそれを強いるのは
無茶なことだと感じます。



ただ、初めてロリンズやヘインズ、コールマンに接した人たちにも
他のプレイヤーたちの演奏とは異なる大きな点を感じ取ってもらえるのではないかなと
思っていることがあります。

それは彼らがモダンジャズの成長期のなかで
モダンジャズそのものを大きく発展させてきた当事者であるからです。

いわば彼らはモダンジャズと言う音楽を育て上げてきた
まさに本家本元のミュージシャンであるからです。


ロリンズが演奏する前には彼のように演奏したものは皆無でした。
彼こそがオリジネーターであったのです。
彼の出現いらいロリンズのように演奏する奏者は数知れずです。

このことはコールマンやヘインズについても同じことです。

彼らはその演奏において宗家ともいえるミュージシャンなわけです。

その後に出現した凡百の演奏家の音楽とくらべ
彼らの演奏には揺るぎのない強さを感じます。

この点については初めて彼らの演奏に接する人たちにも
感じ取れるものがあるのでは思っています。

モダンジャズの宗家三人がが80の年月を経て
一堂に会した演奏をきくことができるとは
なんとも幸せなことだと感じます。


いずれにしても
私にとっては得がたいアルバムです。



この記事で紹介したアルバムです
Vol. 2-Road Shows










2012年01月25日 新譜紹介 トラックバック:0 コメント:0