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マイルズじゃなくてショーターのクリスマスセッション


"Bag's Groove" (prestige)
Miles Davis


ジャズのお話の中でクリスマスセッションと言えば
先ず真っ先に語られるのがこのアルバム。

マイルズとモンクとのけんかセッションとしても都市伝説化。

確かにこのセッション(ピアノがモンクのもの)は
1954年のクリスマスイヴに録音されたものです。


数多あるジャズのアルバムの内でクリスマスに録音が
なされたものはいくらかあるのですが
以外にあまり知られていないのが

"Speak no evil" (bluenote)
Wwayne Shorter


ウェイン ショーターの有名作「スピーク ノー イーヴル」

「バグズ グルーブ」のようなエピソードには欠けますが
ちょっと心霊写真のように見えるジャケットで有名(笑)。

ちなみにジャケットの女の人は当時のショーター夫人の中上さん。


このアルバムをショーターの代表作にあげる人もたくさんいらっしゃいます。

その一方発展途上のショーターの作品とみる人も少なからずいます。

多分コンパクトにまとまっていて全編モードで処理されているわけでは無いので
ハードバップファンにも愛聴される点が好評感につながっているのでしょう。

他方その後のショーターのアルバムの雄大さや融通無碍さを知ると
このアルバムが物足りなく感じる人もいらっしゃるでしょう。

この辺がこのアルバムの評価の分かれ方の理由ではと。


ショーターワールドの入門編としてはお勧めしやすいアルバムです。



このアルバムが録音されたのが1964年のクリスマスイヴなので
先の「バグズ グルーブ」のちょうど10年後の録音。

教科書的にはハードバップのさきがけからモードの隆興期。

たった10年されど10年
ジャズははるばると旅をつづけましたなぁ
そして いまも まだまだ……

「スピーク ノー イーヴル」からは50年以上も経過しました。


皆さんに
メリー クリスマス







2017年12月24日 埋もれたCD紹介 トラックバック:0 コメント:0

ジョー フィールズにもさよならを

いよいよ年も押し詰まり一年を振り返るような記事や番組が多くみられます。

と言ったわけでもないのですが
今年一年のジャズ関連のニュースを見ておこうかと思い
海外ジャズジャーナリズムのサイトをチェックしていますと
目に入ってきた記事が

"Jazz Label Owner Joe Fields Dies at 88"

あっ  と小さく声をあげました


ジャズレーベルのオーナーと書いてありますが
彼の立ち上げたレーベルこそが愛してやまない
ミューズ であり サヴァント であり ハイノート であり コブルストーンです。


70年の半ばから本格的に同時代のジャズ作品を聴き始めた私にとっては
これらのジョー フィールズが創設したレーベルたちは非常に愛着があります。


ビバップ、ハードバップの全盛期に産声をあげた
ブルーノートの創設者アルフレッド ライオンのような知名度はなくとも
私にとってはジョー フィールズの名前は同等の価値を持っています。

彼の名前がジャズファンたちの間でそれほど有名ではないのは
70年代以降という時代もあるでしょうが
ライオンのようにアルバムのすべてをプロデュースするという
立場ではなかったからだと思います。


ジョー フィールズの名をアルバムから確認できるのは

"TUNE UP!+CONSTELLATION" (cobblestone)
Sonny Stitt


このアルバムぐらいからだと思います。
ジョー フィールズの名前はA&R(Coordinator)として確認できます。
プロデューサーにはドン シュリッテンの名があります。

ジョー フィールズ自身はプレスティッジやVerveでも活躍しているのですが
販売部門であったらしくその名前はアルバムからは確認できません。


このコブルストーンと言うレーベルですが
もともとはブッダというブルーズ ソウル系のレコード会社が
ジャズの作品を売り出すためにジョー フィールズを招聘しおこしたものです。

その後フッダ自体が左前になった時に
ジョーがそのレーベルを買い取り改名してミューズとして
プレスティッジでの盟友ドン シュリッテンとともに創設しました。

以前にコブルストーンの名義で出ていた作品たちが
ミューズのレーベルの下で発売されるのはこのような理由からです。


上記のような経緯で創設されたミューズですので
スティットの同一路線のアルバム

"12" (muse)
Sonny Stitt

が発売されるのは当然のことですね。


順調にミューズが滑り出したかに思われたのですが
ドン シュリッテンとジョーは方向性の違いから袂を分かつことになります。

ドン シュリッテンはミューズを去り
新たにレーベル"XANADU"(ザナドゥ)を設立します。

その際にミューズの作品のいくらかはドンが権利をもってでたらしく
ザナドゥでミューズの作品が発売されるのはこのような理由からです。
   うーんめんどくさい そして誰が興味あんねん(©ヤナギブソン)

"Brooklyn Brothers" (xanadu)
Cecil Payne


その後ザナドゥおよびミューズから出版されたアルバム達をみれば
ドンとジョーのジャズに対するアプローチの違いは明らかに感じます。

ザナドゥはそれまでのジャズの保守本流を行く感があり
プロデュース自体もブルーノートのライオンのように
ドン シュリッテン自身が行っています。

彼の場合プロデュースはおろか
ジャケットの写真撮影からデザインまで
果てはライナーノーツまで手掛けてしまうわけですから
アルフレッド ライオン以上の完全主義であるともいえます。


ミューズはジャズの多様性と楽しさに焦点を当てているようで
ザナドゥに比べると何が飛び出すかわからないワクワク感があります。

販売出身のジョーは統括責任者の立場であり
稀にプロデュースに関わりはしますが
複数のプロデューサーにアルバム制作をまかせて
レーベルの個性を広げています。

こういった方針は彼が在籍していたプレスティッジの在り方と
同一であり私はミューズこそがプレスティッジの後継者であると
考えています。


ドンが去った後もミューズは出版を重ねて
カタログにして500枚ほどにもなる大きなレーベルとして成長します。

ところが
ジョーはこのミューズをジョエル ドーン有する32レコードに売却します!

はて
ジョー フィールズはこれで楽隠居でもするのかな
  と思えばどっこい

新たに"Highnote"と"Savant"という
それまでに変わらぬ路線の二つのジャズレーベルを立ち上げます。

  どういうこっちゃねン  マネーゲームですかい


でハイノートもサバントも順調に楽しいジャズのアルバムを
送り出し続けています。


"I REMEMBER BROTHER RAY" (HIGH NOTE)
David "Fathead" Newman



The Adventurous Monk (Savant)
Eric Reed




この二つのジャズレーベルはジョーの息子さんのバーニーとの
共同設立ということなのでジョー亡き後も
しっかりと彼のジャズはレーベルへ引き継がれたとのだと思います。

亡くなったのも自然死であったと記事にありましたので
これはもう大往生と言っていいのでしょう。


リヴァーサイドの後ギャラクシーやランドマークを手掛けた
オリン キープニューズもすでに鬼籍に入り
ドン シュリッテンは隠居状態ですし
確実に一つの時代は去っていく感は否めないです。


70年の半ばから40年以上もの間
お世話になりました

ありがとう ジョー フィールズ











2017年12月19日 未分類 トラックバック:0 コメント:2

ボイジャー1号のニュースで原子心母を想った

ネットのニュースで
「ボイジャー1号が37年ぶりにエンジンの噴射に成功」
と言う記事を目にしました。

ボイジャーの推進力はほとんど惑星間の重力を利用したもので
姿勢制御や軌道修正の為の小さなエンジンしか積んでいないので
それらの必要が無ければ動かす必要もなかったということなのでしょう。

当初ボイジャー1号の耐用年数は5年と見積もられていたので
40年が経過した現在ちゃんと地球からコントロールが可能であるのは
全く奇跡であるとしか思えないです。


現在はあまり使用されなくなったものですが
ボイジャーには動力源として原子力電池が使用されているようです。

原子力電池と言っても
原子力発電のように核分裂でエネルギーを得るわけでは無いです。

安定していない核物質が自然崩壊する際に発生する熱を
電力に変換して使用します。


原子力電池と聞いて一番に思いついたのが

"Atom Heart Mother" (Harvest)
Pink Floyd


いかるが牛乳ではなくてピンクフロイドの名作「原子心母」

「原子心母」というアルバム邦題にはずーっと違和感があるのですが
私がこのアルバムを聴き始めた時にはすでに定着していましたし
名訳であるとの評価もあるようでして。

原子力電池と聞いてこのピンクフロイドを思い浮かべる人は
私一人ではないと思うのですが、 いかに。


プログレおたくの間では
この"Atom Heart Mother" がどのようにして付いたのかは
もはや都市伝説級のお話があります。

もともとこの曲には別の名前があったのですが
公演に先立って何かいい曲名が無いかと思い
新聞を眺めていて目にしたタイトル
"Nuclear Drive for Woman s Heart "
からヒントを得て付けたというのです。

この記事の内容はと言うと
心臓の病で臥していた女性が
原子力電池を電源としたペースメーカーを埋め込んで
無事に生活ができるようになったというものです。

またその女性が妊婦であって
無事に出産したとの話もありました。


一体全体この伝説が本当であるのか
ネットならば確認ができるだろうと調べてみると
前半はその通りであるようで該当の当時の新聞記事までヒットしました。

但しその女性は56歳となっていて
妊婦であった云々というのは全くのガセネタでした。

原子心母という邦題に引っ張られて
話に尾ひれがついたんですね。

うふふふふふ


また一つスッキリしました。

でもその原子力電池のペースメーカーって
どんな大きさだったのかしらん 



あとで久しぶりに
"Atom Heart Mother"
聞いてみようっと



この記事で紹介したアルバムです
原子心母

2017年12月02日 ジャズではない話 トラックバック:0 コメント:0