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ジェリ アレンには余裕のオジサマがお似合い

先日に続きジェリ アレン
について

ジェリ アレンの作品群を聴いて私が彼女から感じる印象は
 非常に自信あふれるピアノのタッチ
 かなりの先達の演奏家をよく聴いている
 自己にも他人にも厳しく完璧主義である
 型をなぞるような演奏を好まない
 全くもってクレバー
というようなものです。

先にも述べましたがこれらのことから彼女の演奏が
非常に完成度が高く高踏的な感じを与えているのだと思います。

このことは共演するメンバーのミュージシャンにも当然大きく影響するわけで
ややもすると窮屈な感じを聴くものに与えるように思います。

これほどキレるジェリ アレンにはそれ相応の実力と経験のある
サイドメンが必要であると感じます。

こういった考えを持っていた時に実際に老練なベーシストとドラマーを得て
リリースされた作品が
Twenty One geri allen
"Twenty One" (somethin else)
Geri Allen

「トゥエンティ ワン」でした。

このアルバムはアメリカブルーノートの兄弟レーベルとして
日本のサムシンエルスが作成したものでした。

ベーシストにはロン カーターを
そしてドラムにはトニー ウィリアムズという
ベタもベタな鉄壁マイルズ黄金クインテットのリズム隊での作品。

収録曲の半数には
 .イフ・アイ・シュッド・ルーズ・ユー
 ビューティフル・フレンドシップ
 ティー・フォー・トゥー
木の葉の子守唄
  オールド・フォークス
と有名なジャズスタンダード曲がずらり

日本制作のジャズアルバムでサイドメンにはロンとトニー
そしてスタンダードとくればもう購入意欲が失せる人もいるでしょうな(笑)

ところがどっこいこのアルバムは良質なお勧め盤です。

創造性や実力のないピアニストであればこの企画が駄盤に終わったでしょうが
相手は俊才ジェリ アレン。

ガンガンドライブするトニーのドラムと魔法の絨毯ロン カーターのサポートで
いつになく自由にピアノを楽し気に操るジェリ アレンの演奏が聴こえるのです。

アルバムのコンセプトやら他のメンバーへの気配りなどから解放されて
自由自在に音楽を楽しむ彼女の姿がそこにあります。



そしてもう一枚
in the year of dragon geri allen
"In The Year Of The Dragon" (JMT)
Geri Allen

「辰年に」

このアルバムでジェリ アレンのサイドメンを務めるのは
ベーシストのチャーリー ヘイデンとドラムのポール モチアン。

これもまた願ってもない豪華なサイドメン。

タイプは先のロン=トニーとは全く違って
ゴツゴツと先ノリでユニークでメロディアスなベースと
懐深くしかもパルシブな鋭いツッコミもあるドラム。

ビル エヴァンズが来ようがオーネット コールマンが来ようが
キース ジャレットが来ようが無問題。

さてここでもジェリ アレンは天翔ける羽を得た如く
楽しそうに存分にピアノを弾いています。


ジェリ アレンほどの才女には
余裕たっぷりのオジサマでないと
  などと思う今日この頃でございます。



この記事で紹介したアルバムです
Twenty one
In the Year of the Dragon


2018年08月29日 埋もれたCD紹介 トラックバック:0 コメント:0

ジェリ アレンですって ジェイ ディ アレンちゃいますって

先日J.D. アレンについて記事を書きました。

だれかとJ.D. アレンについてお話をしようとする場合
気をつけないとジェリ アレンと間違われることがあります。

もちろんJ.D. アレンは男性のテナーサックス奏者ですし
ジェリ アレンは女性ピアニストです。

世代的にもジェリ アレンのほうが一回り以上年上なので
文脈を注意すれば取り違えは起こらないのですが。


一般的なジャズファンにとってはJ.D. アレンも
ジェリ アレンも話題にすらならないのかもしれません。

それはそれで惜しいのでちょっとジェリ アレンのお話を


実を言うと女性ジャズ奏者というのは私にとって
少しばかり距離を置きたくなる存在であることが多いです。

ジャズに限らず小説や散文などにおいても
同じように女流からは距離を置くことが多いです。

そこには男性的な思考や生き方と女性的な思考や生き方の
根本的な違いが横たわっている気がしますが文化人類学者でも
ない私が明確に指摘できるはずもなくもやもやしたままうっちゃっています。


それだけとは限らないですが
私にとってのジェリ アレンと言うのはなかなか焦点があわない
ミュージシャンです。

私が彼女の演奏に初めて接したのは
Home Grown Geri_Allen
"Home Grown" (minor music)
Geri Allen


彼女がマイナーミュージックからリリースした二枚目のリーダーアルバム
「ホーム グロウン」でした。

ピアノソロによる作品でAB面各一曲ずつにセロニアス モンクによる作品が
配され残りはすべてジェリ自身のオリジナル曲で構成されています。

"Home Grown"というタイトルも実に自信に満ち溢れています。


レコードに針を落としてすぐに感じられるのは新人らしからぬ
堂々としたピアノの響きです。

タイトル通り確固とした自信に満ち溢れたタッチに驚かされます。

それとともに聴くものにピシッと居ずまいを 正させるような
たたずまいが演奏から聴こえてきます。

非常にクレバーで生真面目なピアノの音です。

まぁ こういったところが私が女流ピアニストを敬して遠ざける
部分ではあります(笑)。


もう一つ彼女の演奏に特徴的なのは1957年生まれという年代を考えると
ピアノのノリが非常に後ノリであることです。

エロル ガーナーやレッド ガーランドのようにとまではいいませんが
ゆっくりとした間合いで音楽を紡ぐ様は魅力的です。

このノリがあるゆえに私がジェリ アレンの音楽を遠ざけるばかりではなく
彼女の音楽に惹かれる部分だと思います。


フレージングについては彼女が
キース ジャレット
チック コリア
セシル テイラー
ハービー ハンコック
アンドリュー ヒル
といったミュージシャン達から直接間接にかかわらず
大きな影響を受けていることがうかがえます。

彼女自身の語り口については今少し時間が必要だと感じましたが
先に述べたすでに持っている個性は得難いものです。


考えればもう30年以上もまえの彼女との出会いでしたなぁ

ちょっと長くなりそうなのでお後につづきます。


この記事で紹介したアルバムです
ホーム グロウン





P.S.
よくジャケットの女性がミュージシャン自身であると思い違いしている人が

「きれいなピアニストねぇ」って……
ジーン ハリスって黒ーいおっちゃんですねんけどね(笑)

でも上記のジェリ アレンのジャケットに写る美女は
間違いなくジェリご本人の若きお姿。

ちなみに「ムーズ」に写るお人は
当時のアルフレッド ライオン夫人
彼女もまた当時のジャズ界では後々も色々と語り継がれる
有名人であります。



2018年08月27日 埋もれたCD紹介 トラックバック:0 コメント:0

サンソン フランソワとジャズ

クラシック音楽を専門に聴いておられる方とお話をする機会が
ままあります。

私も全くクラシック音楽を聴かないわけでは無いのですが
一般的には現代音楽に属する方を聴くことが多いので
そういった方たちとお話をしてもなかなかかみ合った話を
することが出来ないです。

さてそんなクラシックファンと先日お話をしていた時に
「グレン グールド」を聴かれはしないかと言われました。

また来たか「グレン グールド」と私は独り言ちました。

私がジャズを主食とする人間だと聞くとかなりの確率で
話題に出るのがグレン グールドです。

クラシックファンの間ではグレン グールドのジャズ的な事は
有名なようです。

まぁ、果たしてグールドをお勧め下さる方が
実際にグールドのジャズ性についてりかいしておられるかどうかは
全く疑問でありますが。

生半可な自称ジャズファンがクラシック愛好家に対して
MJQ(モダン ジャズ カルテット)を勧めるようなもんですかね。
 (私は絶対に推薦しませんけれども)


実際のところわたしは別にグールドが嫌いというわけでもありませんが
アルバムを所有はしていません。

クラシックの演奏家の作品を聴いてその自由さがジャズに通ずると感じたのは
カザルスの演奏を聴いた時でした。

ピアノの演奏という事でジャズを感じる演奏者としてはグールドよりも
サンソン フランソワを第一だと感じています。
 (部外者の管見に入るところですけれども)


ドビュッシーの素晴らしい世界を私に開いて見せてくれたのは
冨田 勲でした。

「月の光」   (RCA)
冨田 勲


冨田 勲の「月の光」を聴いて
ドビュッシーに魅入られてから通常のピアノによる
数々の作品を耳にしました。

端正な額縁に入れられたような品格のあるピアノ作品も
充分に私を満足させてくれました。

しかし最も驚いたのはいくつかのドビュッシーのピアノ作品集を聴いた後に
出会ったサンソン フランソワのアルバムでした。

"Debussy: Piano Works"
Samson Francois


このフランソワのピアノ演奏を聴いてどビックリ

テンポは自在に前に後ろに動くは
ノリもビートの頭にお尻にと自由自在。

 うーん ジャズやんか

クラシックの演奏というのは記譜通りに正確に演奏されると
思い込んでいた私に衝撃を与えてくれました。

そしてフランソワの紡ぎだすドビュッシーの作品の
まったくもって色彩感の豊かなこと。


サンソン フランソワはパブロ カザルスに次いで
私が勝手に思い込んでいたクラシック観をぶち破り
大きく目を見開かせてくれたのでした。

そのごいろいろとクラシックの演奏を聴いてはいますが
サンソン フランソワほどジャズ的なピアニストは
未だ出会っていません。

私にとってはグールドより断然フランソワです。


うーん
でもクラシックファンはフランソワをどう思っているのかしら



この記事で紹介したアルバムです
ドビュッシーピアノ作品集


2018年08月24日 埋もれたCD紹介 トラックバック:0 コメント:0

Cy Touff(サイ タフ)というバス トランペット遣い

先日甲子園のブラスバンドの記事でスーザフォンについて書いていて
バス トランペットについて思った次第

一般に楽器には音域の高低別に複数の同種の楽器が存在します。

ジャズでお馴染みの楽器のサックスを例に挙げればポピュラーなものとして
音域の高いほうから
ソプラノ サックス
アルト サックス
テナー サックス
バリトン サックス
と言った具合に幾種類かの楽器が作成され使用されています。

トランペットと言う楽器にも実はいくつかの音域の種類があるのですが
ジャズで普段トランペットと言えば一種類に限られると言っていいと思います。


ほとんど知られることは無い楽器ですがトランペットにも
さらに低い音域を担う楽器のバス トランペットというものが存在します。

バス トランペットと言う楽器ですが音域はトロンボーンと同じなので
ちょっと聴いた感じではその違いは分からないと思います。

よく聞いてみればピストン又はバルブで音程を造るバストランペットと
スライドで音程を造るトロンボーンの違いから特徴が聴き取れます

当然のことながら早いフレーズや音の跳躍を伴った演奏は
バス トランペットの法に利があります

他方トロンボーンには音の高低を滑らかにスライドさせるという
他の楽器には無い奏法が可能です。

音色の聴感上ではバス トランペットの方が音の輪郭がハッキリしていて
しまった感じがします。

ところがややこしいことにトロンボーンにもスライドではなく
バルブを使用したものがあり聴感上判別できるかは
自信が無いですねぇ。
(ボブ ブルックマイヤーが有名)


ジャズ界の中でバス トランペットという珍しい楽器を
演奏するサイ タフと言うミュージシャンがいます。

基本的には西海岸で活躍したミュージシャンと言われていて
ウディ ハーマンのメンバーとして知られています。

ご存知のようにアフロアメリカンの黒ーいジャズを中心として聴いてきた私が
サイ タフに行き当たったアルバムがありました。

cy touff
"Hyde Park After Dark" (beehive)
Clifford Jordan, Von Freeman, Cy Touff, Norman Simmons, Victor Sproles & Wilbur Campbell


「ハイド バーク アフター ダーク」というアルバム名称は
ケニー クラークのサヴォイ盤「ボヘミア アフター ダーク」から来ているのでしょう。

この中のB面一曲目の「サッド サム」のテーマから
サイ タフのバス トランペットがフィーチャーされているのですが
これがなんとも言えず曲想にマッチしていて素晴らしいのです。

曲調はシモンズによるブルージーなボサノヴァなんですが
ペーソスを含んだサイ タフがまさにジャストフィット。


メンバーのジョーダンやフリーマンの哀愁に満ちた演奏と
リズム隊のバッキングも最高です。

このアルバムはシカゴを本拠地とするミュージシャンの
リーダーレスなスーパー セッションといえるもので
彼らだからこその名演奏だと感じられます。

先ほどはサイ タフの事を西海岸のミュージシャンとして知られる
と書きましたがサイ タフもシカゴネイティヴなんです。

言われてみればサイ タフの数少ないリーダーアルバムにも
シカゴのレーベル アーゴからリリースされています。


このアルバムの他に収録されている曲も素晴らしく
くつろぎとブルージーさに溢れた名演ぞろいです。

ただ
残念なことに未CD化のようですね。

放っておくには全く惜しいアルバムなんですけれどね

バス トランペットもサイ タフも一度は耳にして欲しいです。



この記事で紹介したアルバムです
ハイド パーク アフター ダーク


2018年08月22日 埋もれたCD紹介 トラックバック:0 コメント:2

J.D. Allenはまだまだ迷走中のお年頃

ジャズ界の若手テナーサックス奏者としてさっそうと登場したJ.D. アレンも
気が付けば40半ばのおじさんになっていて時の経つことに驚かされます。

近年デビューするミュージシャンたちはたいていそうですが
初録音の時から楽器を演奏するテクニカルな部分はかなりのモノでした。

であれば後は他の誰でもない彼自身のヴォイスや語り口などを
身に着けるだけという事になりますがこれがなんとも難しいようです。


最近のジャズテナーサックス奏者の多くの人が奏法の多くの部分を
コルトレーンに置きそこへウェイン ショーターをトッピングするような
演奏をおこないます。

アレンもまたその顰に倣う奏者の一人のように見受けられました。

キャリアを積むうちに曲やアルバムの構成力も増して
なかなかききごたえののある骨太の作品を送り出すようになっていました。

その彼が先日リリースした新譜が

"LOVE STONE" (Savant)
J..D. Allen

「ラブ ストーン」です。

今までの彼のアルバムの傾向からするとちょっと意表を突かれたのですが
全編バラードで綴られたスタンダード集でした。

ここしばらくリリースを続けるサヴァントからの出版でしたが
コルトレーンの三部作じゃああるまいしどうしたものかと訝しく感じました。
 アレン君売れたいのか?


ちょっと眉に唾をつけながら一曲目の"Stranger in Paradise"を聴きますと
コルトレーンに倣った語り口に少しデクスター ゴードンが見え隠れするような
演奏振りです。

途中で破綻するような部分もなくこれはこれで完成された曲だと思いますが
正直あまり興味を掻き立てられるような演奏とは思えない私がいます。

演奏を聴いて確かにうまいがアレン独自の語り口というものが
ほぼ見えません。

これならば別に新たにスタンダード集を世に問う必要があるのかと
言いたくなります。


二曲目の"Until the Real Thing Comes Along"はさらに
ソニー ロリンズの香りが付け加わったような気がしますが
一曲目と同様にさほど面白味を増すことはありません。


三曲目"Why Was I Born"はコルトレーンがケニー バレルと共に残した
有名作があるのでその伝で行くのかと思いきやなんとロリンズ節が
さらに強まる演奏です。


さらに聴き進めまして"Put On a Happy Face"
これはもう恥ずかしげもなくロリンズの物真似サンかと疑うばかりの演奏。

「新しく出たグラント スチュワートの曲です」なんて紹介されたら
なるほどとうなずいてしまう程です



演奏に気というか鮮度が感じられずに全体に
テンポが遅いように聴こえます。

もうこの辺になると一気に最後まで聴き通す気が失せてしまい
ちょっと気がのるまでうっちゃっておくことにしました。


うーん どうしたんだ J.D. アレン
40半ばになってフランケンシュタインのような
継ぎ接ぎスタンダード集を造っているようでは……


お笑い界の若手たちと同様に
ジャズ界も40歳は若手だなんて押し通す気ですかな


うーん なんだかなぁ(©阿藤 快)
と思う今日この頃でございます。








2018年08月20日 新譜紹介 トラックバック:0 コメント:0

夏の甲子園にジャズはいかが

甲子園では夏の高校野球が行われベスト8が選出され
いよいよ大詰めとなっていますね。

もちろん球児たちの活躍ぶりを楽しませてもらっているのですが
同時に注目しているのが応援席のブラスバンドの演奏です。

昔の高校野球の応援で有名であったのはまずはPL学園でありましたが
今や野球部そのものが消滅してしまい残念です。

他方大阪地区では新しい勢力が台頭して久しく
今や常勝軍団ともいえるのが大阪桐蔭高校です。

私のようにブラスバンドの演奏に注目している者たちの間では
大阪桐蔭の応援のすばらしさはつとに有名です。

そんな話をお客さんたちとしていると
意外や意外あまりブラスバンドの演奏に興味を持っている人が
それほどいないので不思議に感じます。

と言ってもわたしとて別にブラバン出身者でもありませんので
過度に演奏に肩入れしているわけでもないのですが
少しだけ記事に


大阪桐蔭のブラスバンドを見渡してまず驚くのは
その演奏者の数の多さです。

ざっと見渡した感じでも100人くらいはいそうです。

なかでも突出して目立っているのがスーザフォン奏者の数。
10本!!!

スーザフォンと言っても一般的な認知度はあまりないでしょうから
写真を


ブラスバンド中最大の管楽器で演奏するには
身体に管体をまとうように固定します。

この楽器ですけれども室内ではチューバが担当するパートを
屋外のマーチングで使えるように改変したものです。

チューバと言ってもよくわからない方もいるでしょうから
これまた写真を

最低音部を受け持つために図体は大きくなりますし
重量も10キログラムにもなりマーチングはちょっと無理ですわね。

そこで「マーチ王」スーザが新しい楽器を作成たわけですな
そこで名前がスーザフォン。
  スーザっていうのはアメリカ国歌作った人ね


事のついでですがジャズ界でも唯一と言っていいチューバ奏者が
レイ ドレイパー

"Ray Draper quintet" (newjazz)
Ray Draper


このアルバムジョン コルトレーンが参加しているために
比較的に知名度があり一聴の価値ありです。



話を元に戻して大阪桐蔭のブラスバンド部ですが
スーザフォンが10本もいるので低音部が充実していて
大人数にもかかわらずソリもピッタリで素晴らしいです。

演奏中に他のホーン奏者はもちろんの事スーザフォン奏者も
揃って左右にアサガオを振る様は圧巻です。
  へたな筋トレより厳しいですぜしかも炎天下

あれだけ揃ってホーンを左右に振るのですから
ドップラー効果でトレモロがかかるんでしょうなぁ

人間レズリースピーカーですな。

レズリースピーカーといってもこれまたわけかかめでしょうから
写真を

ハモンドオルガンには必須アイテム
 レズリーの無いハモンドなんて


高校野球の応援ソングもなかなかに斬新な曲も多くなってきましたが
いつも残念に感じるのがジャズ物が見当たらないこと。

どっかの高校でジャズ物演ってくれませんかなぁ
"Two bass hit"
なんてピッタリやと思うんですけれど
うふふ

他にも構想はあるので
希望者はご一報を(笑)



いっぺん現地で桐蔭の応援きいてみたいわぁー
  でも あついわなぁ
やめとこ(笑)



2018年08月17日 未分類 トラックバック:0 コメント:0

ハンク モブリーにとってののスタンダード

mobley soul station
"Soul Station" (bluenote)
Hank Mobley


モブリーの「枯葉」についての記事を書いていて彼のスタンダードに想うところを少し

ハンク モブリーのバラードがあまりにも素敵なので
彼が生涯に残したスタンダード曲の数は相当数あるのかと思いきや
事実は全くそうではありません。


後から発掘されたレコードは除くとして
彼のリーダーアルバムで演奏したスタンダード曲は
20曲に満たないのです。

ここで言うスタンダード曲とはいわゆる職業作家による
歌物のことでジャズメンによる曲は含みません。


ちょっと面倒なので躊躇しましたが
以下リスト アップしますと
"Love for sale"
"Little girl blue"
"I should care"
"Easy to love"
"Time after time"
"Falling in Love with Love"
"Speak low"
"All the things you are"
"There Will Never Be Another You"
"Remember"
"If I should loose you"
"The more I see you"
"The good life"
"My sin"
"I See Your Face Before Me"
"Summertime"
見落としもあるでしょうが他にバラードのメドレーがあるくらいです。

とっても意外な感じがするとはお思いになりませんか。

ちょっとしたジャズミュージシャンなら必ずと言っていいほどに残す
"Body and Soul"や
" I Can't Get Started" や
"My Funny Valentine"や
"What Is This Thing Called Love?"も
"Yesterdays"だって
"Stella By Starlight"なんかも
"Star Dust"までもが
ハンク モブリーのリーダーアルバムでは
手つかずに放置されているのです。

ジャムセッションやサイドメンとして残されたアルバムには
もちろん他にもハンク モブリーの演奏したスタンダード曲が
残されてはいるのですが……


冒頭にあげた"Soul Station"はモブリーのワンホーン作品で
彼のソロがたっぷり楽しめる名盤です。

このアルバムはスタンダード曲である「リメンバー」で始まり
「イフ アイ シュッド ルーズ ユウ」とこれまたスタンダード曲で
幕となります。

そのスタンダード曲の間をモブリーの手になるオリジナル曲が
4曲おさまるという構成になっています。

アルバムの口開けとエンディングに演奏されるスタンダード曲での
モブリーの語り口があまりに見事なので彼の事を
相当数スタンダード曲を演奏しているミュージシャンだと
思い込まされたのかもしれません。


あらためてこのアルバム「ソウル ステーション」を聴きなおしてみると
冒頭とエンディングのスタンダード曲と間の彼自身のオリジナル曲の
語り口にほとんど差がないことに気付かされます。

つまりはハンク モブリーはどのような曲の演奏であっても
物語を紡ぐようにテナーサックスで演奏をしているように聴こえます。

それも常に普段の語り口で語り決して大げさに激昂したり
悲嘆にくれるようなことは無くしみじみと説得力を持って
平易な言葉で物語をすすめます。


多分ハンク モブリーにとっては演奏する曲がスタンダードであろうが
なかろうが演奏をすることに別段の区分けは無かったのでしょう。

まさに天性の「語り部」であったのが
彼ハンク モブリーであるということですな。


晩年復帰を目指してNYのジャズクラブでの演奏も始めていて
アルバム制作の話もほぼ固まりつつあったというハンク モブリー

還暦を過ぎたモブリーのオリジナル曲の演奏を
是非耳にしたかった……





この記事で紹介したアルバムです
ソウル ステーション



2018年08月15日 埋もれたCD紹介 トラックバック:0 コメント:0

ハンク モブリーと枯葉のえにし

ハンク モブリーのラストレコーディングの記事をかきました。

テテ モントリュー トリオと共に演奏された曲は"Autumn leaves"でした。

その録音時のモブリーは肺を病んでリタイア中でしたので
絶好調な演奏とはいきませんでした。


バラードの演奏を得意とするモブリーですからこの演奏が発掘された時に
「枯葉」のタイトルを聞いて心をはずませたファンは多かったはずです。

なぜならハンク モブリーのそれまで公式発売されたアルバムの中には
「枯葉」はついぞ収録されたことが無かったからです。

「枯葉」などというジャズ界において最もポピュラーなスタンダード曲を
ハンク モブリーがリーダー作であれサイドメンであれ録音したことが
無いと言うのは不思議なことに思えます。

 ハンク モブリーの「枯葉」ってどこかにあったんじゃなかったっけ
と思った人は多いはず。

生涯のうちにもう幾度となく「枯葉」の演奏を残しているマイルズのバンドに
モブリーが参加していただけに余計に不思議に感じられます。


オリジナルのマイルズのアルバムにモブリーと共に残した
「枯葉」の演奏はありませんがブラックホークで残された記録の
未発表テイクに「枯葉」がありました。

それは最初モザイクが発売したブラックホークでの演奏記録の
コンプリート版の発売により皆に知られることとなりました。

その後コロンビアからもコンプリートなブラックホークでの演奏が
発売されました。

"The Complete Blackhawk" (col)
Miles Davis


未発表テイクであるのでここで聴かれる「枯葉」でのモブリーの演奏が
好調で無いのは当然と言えば当然。

マイルズのグループでのモブリーの演奏がのびやかさを欠いている点からも
この「枯葉」の演奏を彼の推薦曲とするのは気が引けます。


うーんモブリーの「枯葉」はあきらめるか

なんて思っていたら一昨年突然に発売されたのが

"To One So Sweet: Stay That Way" (DJA)
Hank Mobley


演奏記録では知られていたハンク モブリーが1968年にオランダでの
録音テープが発掘されCD化されたのです。

このCDには三つのセッションが収録されていますが
最後のロッテルダムのB14というクラブでの演奏の中に
「枯葉」があったのです。

 おーっ やっと好調なモブリーの「枯葉」が聴けるぞ
なんて勢い込んで聴きました。

結果はと言いますとこれがなんとも微妙な演奏です。

1968年の頃にはハンク モブリーの演奏にも少し陰りが
見え始めたころです。

ブルーノートの録音にもお蔵入りセッションが多数……


今一つはやはりというかオランダ現地のサイドメンが
使用されている点。

水準以上のレベルのあるミュージシャン達ですが
アメリカでブルーノートのセッションで付き合っている面々の
腕前を望むのは少々酷なところです。

ハンク モブリーのファンであればそれなりに聴きどころは
あるのですが一般人に推薦するのは難しいです。




無いものねだりですけれど
1962年前後にウィントン ケリーと一緒に「枯葉」を
演奏してくれていたらなぁ  
                
     などと思う今日この頃です。



この記事で紹介したアルバムです
The Complete Blackhawk
To One So Sweet: Stay That Way


2018年08月12日 埋もれたCD紹介 トラックバック:0 コメント:0

ハンク モブリーの"The Beginning And The End"

昨日長い付き合いのジャズ愛好家の吉田さんと話をしていた時に
「最近の若い子はハンク モブリーってあんまり聴かないようだね」
という趣旨のことを言われました。

瞬間
 そんなことはないだろう 
と思った私

ハンク モブリーと言えばジャズ喫茶では大の人気者です。

アルトサックスならジャッキー マクリーン
ピアノなら ウィントン ケリー
こういったジャズメンというのは嫌いだと言う人を見つけるのが困難な程
超の付く人気者でありました。

しかもブルーノートに10枚を超えるリーダー作品を残している
ハンク モブリー ですよ

そんなハンク モブリーが昨今の人には聴かれない?


ややあって
 ひょっとしたらそうかもしれないなぁ
と思い直した私


懐メロジャズファンは横に置くとしてジャズ喫茶不在の今
ジャズを入門書から聴き始めようとする若い人たちにとっては
ハンク モブリーというミュージシャンが重要人物とは
認識されていないのかもしれません。

レオナード フェザーからはテナーのミドル級チャンピオンといわれ
マイルズのグループでは前任者のコルトレーンと比較され
なんとなく二流のレッテルが貼られているような節が……


ジャズで革新的なものをもたらしたわけではありませんが
ハンク モブリーほど歌心にあふれたテナーサックスは
そうそういるもんじゃぁありません。

そういった点ではコルトレーンにひけをとることは全くありません。

ですがジャズ史観的な点からはハンク モブリーの居場所が
それほど真ん中に位置しないのでしょう。

本当にハンク モブリーが聴かれないようになっているのなら
とても寂しいなぁと思います。


私にとってはあまりに身近にありすぎてブログにも取り上げることがなく
少し反省した次第です。



5年ほど前でしたかハンク モブリーの未発表発掘盤がアップタウンから
発売されてとても嬉しかったです。

”Newark 1953” (uptown)
Hank Mobley


この「ニューアーク 1953」と題されたアルバムは
ニューアークのピカデリーというクラブで録音されたライヴ版です。

メンバーは
トロンボーンにベニー グリーン
ピアノにウォルター デイヴィス ジュニア
ベースにジミー シェンク
ドラムにチャーリー パーシップ
という面々

メンバー構成や年齢を考えても実質的にはベニー グリーンの
リーダー作であると言ってよいと思います。

ただ収録された内容を聴くとハンク モブリーにも多くのソロが与えられ
彼の名義の作品として発売されても問題はないと感じます。

収録年の1953年というのが味噌でありまして
現在知られるところではこのアルバムがハンク モブリーの初リーダーの
作品となります。


いきおい若き日のハンク モブリーの演奏振りが気になるところです。

ベニー グリーンがメンバーという事もありますが1953年時点の演奏でもあり
内容的にはビバップ色の濃い作品になっています。

アップテンポの演奏でモブリーの吹奏が乱れることは無く
基本的なテクニックはすでに取得していることが聴き取れます。

フレージングに関してはデクスター ゴードンからワデル グレイの
ラインにつながる影響とわずかにロリンズの香りを感じます。

1953年という事を考えると非常にニュートラルな演奏だと思います。


特筆すべきはやはりバラードでのモブリーのすばらしさ。

三曲目の「ダーン ザット ドリーム」を聴けばわかりますが
モブリーのソロに入る導入部からサビそしてエンディングへとつながる
歌いまわしの見事なこと。

そして魅力的な説得力のある暖かく少しくすんだ音色。

すでに後年のモブリーらしさがほぼ完成されていることに
驚かされます。


このアルバム実はあのサヴォイで名プロデューサーとして名を馳せる
オジー カデナの録音によるものです。

このアルバム録音の翌年にサヴォイへと入社していますので
ここではまだ一般人であるカデナですが温かみのある
グリーン~モブリーのグループの演奏を収録したことが
なんとなくわかるような気がします。

音質はそれなりですがモブリーファンには
買って損のない一枚だと思います。



事のついでにというか
ハンク モブリーの最後の公式録音を紹介

"I Wanna Talk About You" (Steeplechase)
Tete Montoliu


スティープル チェイスに残されたテテ モントリューの
「アイ ワナ トーク アバウト ユウ」ですが
ここにハンク モブリーのラストレコーディングが収められています。

このアルバムについては少し詳細な紹介が必要でしょう。

LPの時代の1980年にこのアルバムは作成されていますが
発売当時はテテのトリオアルバムとしてリリースされています。

従ってアナログディスクを購入してもハンク モブリーの演奏は
聴くことが出来ません。

ところが1996年にCD化されるにあたって新たに
二曲が追加収録されました。

そのうちの一曲「枯葉」になんとハンク モブリーが参加していたのです。

1980年と言えばハンク モブリーは肺を病んでサックスを
思い通りに吹けずにリタイアしていた時期にあたります。

まさかそんな時期のモブリーの録音が残されていたとはと
モブリーファンたちは狂喜乱舞しました。


しかしながら
ただのリハーサル テープが「世紀の大発見」と呼ばれる
コルトレーンとは大違いで一般の人にこの発掘が
喧伝されることはありませんでした。

 なんだかなぁ


内容ですけれど
私は正直苦しくなるのであまり頻繁に聴くことはありません。

ハンク モブリーのすべてを聴いてみたいファンのかたにのみ
この"Autumn leaves"の一聴ををおすすめします。


色あせることのないハンク モブリーの紹介でした。


この記事で紹介したアルバムです
Newark 1953
I Wanna Talk About You





2018年08月10日 埋もれたCD紹介 トラックバック:0 コメント:0

ジャズ喫茶に行ってみたいジャズ初心者の方へ

「ジャズ喫茶に行ってみたいんですけどどうしたらいいでしょうか」

うーん、思い返せばもう40年来にわたってこの手の質問に答えています。

またぞろ最近になってこういった質問をされることが重なりました。

ある意味では少しジャズの周辺に追い風が吹いているのかもしれません。


まぁ、本音を言えばジャズ喫茶なんてなんにも気を遣わずに
行ってジャズを楽しんでくればいいだけだと思っています。

それでもこういった質問をされるにはそれなりの理由があるのでしょう。

曰く
「なんだか怖そう」
「常連さんで店内がかたまっていそう」
「リクエストってどうしたらいいの」
「特別な作法があるんじゃぁないの」
                 etc,

うふふふふ
もう今時そんな昔のようなお聞かせ専門おしゃべり不可古典的なお店など
存在しませんって。
  あるならば私はぜひとも行ってみたい

ジャズ喫茶といいながら
ただのカフェだったりカレー屋さんだったり
はては散髪屋さんやタクシーだったり
  いやいやさすがにこれはジャズ喫茶ではないか(笑)

ジャズ喫茶の経営者のジャズ専門度もそれほど深いものでもないですし
ただのジャズ好きのレベルであることがほとんどです。
ハイ。

そんなに心配せずに気軽に行ってコーヒーの一杯
水割りの一杯を楽しんでくればいいです。

それで気に入ったら よし
もし気に入らなければ別の店をあたればいいだけです。


かんたんでしょ
    (©ボブ ロス)



ちなみにジャズ喫茶の側から考えた
ありがたいお客さんはと言いますと

とにかくかかっているジャズに耳を傾けてくれる人

コーヒーや水割りをお替りしてくれる人

楽しそうにしてくれている人

かかっている曲に対しての感想を言ってくれる人
 知識や蘊蓄を披歴することではない!

何度もリピートしてくれる人

ありがとう と言ってくれる人


ねぇ、 簡単でしょ
   (©ボブ ロス)

みんなでジャズ喫茶へでかけよう




うちの店はただの洋酒喫茶ですからね
  えへへへ



2018年08月08日 象をなでながら考えるJAZZ トラックバック:0 コメント:0

そんな手にのるもんかでも欲しいウエィン ショーター新作

ウェイン ショーターの既発最終作は2012年の"Without a Net"でした。

そのショーターに新作の発売がアナウンスメントされています。

という事は6年ぶりになるわけですね。

"Emanon" (bluenote)
Wayne shorter


"Emanon"というアルバムタイトルですがアルバム中には見当たらないので
純粋にアルバムのイメージをあらわしているのでしょう。

"Emanon"というのは良くある言葉遊びで逆つづりにしたもので
つまりは"Noname"という事ですね。

内田百閒流に言えば甘木氏といったところ。

ビバップをたしなんでいる方ならば

"Groovin High" (savoy)
Dizzy Gillespie


の中に同タイトルの曲があるのをご存知かもしれません。

ミルト ジャクソンのソロが耳に残る名演ですけれども
ショーターがこの曲にインスパイアーされたなんてことはないでしょうな。

ちょっと探したところではアルバムの内容については詳細が分からないのですが
近年の不動のメンバー ジョン パティトゥッチ、ブライアン ブレイド
ダニーロ ペレスのリズム隊によるロンドンでのライブ演奏により二枚。

このカルテットに加えてオルフェウス チェンバー オーケストラとの演奏が
一枚。

合計三枚という大部でのリリースになっています。

演奏曲には既出の曲が6曲
"Pegasus"
"The Three Marias"
"Lost" And "Orbits" Medley
"She Moves Through The Fair"
"Adventures Aboard The Golden Mean"

新たな曲が2曲
"Prometheus Unbound"
"Lotus"
(一部重複も含みます)


そして豪華初回特典盤として
ウエィン ショーター自身の原案書き下ろしによる
SF漫画がついています。

またCD三枚組の発売と
くわえてアナログレコード三枚がセットになった物の2種類
が発売されます。


ファンとしてはとてもほしいのでありますが問題は値段。

CD三枚組+本が12000円ほど
LPも追加されたものが24000円ほど
  too expensive!!!!!

 LPがあるならCDいらんやんか
 レコードだけ売ってぇや 

そもそもCD二枚に収録できないんでしょうかね。


もうショーターの新譜なんて多分最後でしょうなぁ
足元見た商売しますなぁ ブルーノートさん



どうしようか 考え中……



2018年08月06日 新譜紹介 トラックバック:0 コメント:0

マイルズもラムゼイもピストルズだって振り返る

一年ほど前にバックミラーを見たマイルズ デイヴィスの記事を書きました。

詳細は前記事を見ていただくとして最晩年にマイルズが出したアルバム

Miles & Quincy Live at Montreux" (wea)
Miles Davis


を紹介したもので
短くないマイルズのジャズ人生の中で常に前進あるのみ
ジャズの先頭を走ってきたマイルズがどうして最後に
ギル エヴァンズとの過去作品の再演を計ったのかという記事でした。


「50過ぎると同窓会が楽しくなるんだよ」
なんて言われてもいまだにピンとこない私ですが
そんなこともあってかマイルズがジャズ人生を振り返ったのが理解しがたいのです。

 かつての自分のパートが吹けずに代演をたてるマイルズなんて聴きたくなかっった


何回かに渡ってラムゼイ ルイス トリオの記事を書きました。

その中でラムゼイ ルイス、エルディ ヤング、レッド ホルトの黄金トリオの
解散についても記しました。

1966年に同トリオは解散したのですが
はたせるかなやはり彼らも1983年に再開セッションのアルバム
ramsey lewis trio reunion
"Reunion" (CBS)
Ramsey Lewis trio


「リユニオン」を発行しているのです。

この時点ではそこそこのセールスのあったヤング-ホルト アンリミティッドも
1974年に解散してしまっています。

その後のエルディ ヤング、レッド ホルトの活動はあまり芳しいとは
言いかねるものであったようです。

66年解散以降の同トリオのメンバーたちの活動は
それぞれすこしづつ方向性を変えていったわけですが
そこへ持ち上がったのが再結成の企画です。

恐ろしいもので当時のニュースフィルムが


1960年代の彼らの大ヒットぶりを目の当たりにした世代の人にとって
彼らの再結成が好意的に受け入れられたのは想像に難くありません。

近くで再結成セッションがあったら私も行っていたことでしょう。
  60年代のリアルタイムは知りませんけれども

再結成してギグを行うところまではよく理解できるのですが
それをアルバム収録して発売するという事は全く解せません。


再結成で当時の物をなぞる企画がオリジナルを凌駕することなど
想像もできないからです。

結果的に残されたアルバムの内容は
悪くはないですがオリジナルのアルバムがあるので
蛇足にしか過ぎないと感じられます。


レッド ホルトやエルディ ヤングにしてみれば久々の
檜舞台での露出と言うのはよくわかりますが。

うーん、
 人はなぜ自分の過去を振り返るのか




でもこの再結成のアルバム発売はよくわかります。

"Filthy Lucre Live" ( Virgin)
sex pistols


「俺たちゃあ銭がいるんだよ!」
と再結成しアルバム発売ツアーも敢行。

そりゃぁ儲かったでしょうとも(笑)
すがすがしいくらい潔いぜピストルズ!

でもアルバムはオリジナルがあればそれで良かった
というのが偽らざる本音です。

みんななんだか演奏も上手くなっちゃってさ
うーん……




ミュージシャン達に告ぐ
リユニオンでギグはいいけれどもアルバムかはおやめなさい
 お金が欲しいなら話はべつ


どうしてミュージシャンは自分を振り返るのか









2018年08月05日 埋もれたCD紹介 トラックバック:0 コメント:0

クリーブランド イートンというジャズのベーシスト

先にドラムにモーリス ホワイトを擁したラムゼイ ルイスについて記事にしましたが
その時にベーシストのクリーブランド イートンについて
全く触れなかったので少し。

クリーブランド イートンのディスコグラフィーを見ていくと
まず最初に行き当たるアルバムが

”Playin' for Keeps" (cadet)
Bunky Green


一部に偏狂的なファンがいるとも噂されるバンキー グリーンのアルバム。

まぁ、おたっきーなアルバムと言えるでしょう。

このバンキー グリーンですが一度聴けばそれとわかるようになる
なかなかの個性のアルティストです。

ジャッキー マクリーンがソニー クリスの真似をして
吹きたらすと言ったらお判りでしょうか(笑)。

ここでのイートンは若干ウンペンポコペン的なベースですが
まずは無難にアシストしている感じです。

カデットからのリリースですし同郷で活躍する
バンキー グリーンの録音にイートンが参加するのは納得です。


このアルバムの録音の後に同じくカデットから
超マニアックな辺境最果てアルティストのソニー コックスの
アルバムにも参加しているのですがあまりに重箱の隅で
アマゾン取り扱いが無いので笑い泣きしながら割愛です。


次に目をひくイートンの参加アルバムが

"The chase!" (prestige)
Dexter Gordon/Gene Ammons


デクスター ゴードンとジーン アモンズのテナー バトルのアルバム。

フロントを務めるのが大御所の二人なので
当然イートンは堅実にサポートに努めています。

シカゴのホテルでのライヴ録音という事で
ここでクリーブランド イートンが参加しているのも納得です。

このアルバムには二組のリズム隊が参加しているのですが
イートンと同じバンドメンバーとしてピアノにジョン ヤングが
参加しているのが得した気分です。

イートンもソロがありなかなかにウンポコペンやってて快調です。

もう一つこのアルバムには個人的に思い入れのある
ヴァイ レッドも一曲ヴォーカルで参加していてうれしいです。

どうせならアルトでチェイスに切り込んでくれたらもっと良かったのに。


忘れちゃいけないのが(本当に忘れそうでしたが)
クリーブランド イートンのリーダー アルバム

"PLENTY GOOD EATON" (blackjazz)
Cleveland Eaton


もうジャケットだけ見ますとですねぇ
絶対にどフリージャズが飛び出してくるに違いないと即断拒否されそうですが
中身はと言いますとソウル ファンクジャズのアルバム。

この辺のアルバムもかなりおたっきーな辺境アルバムなんですが
DJブームのお陰で手に入りやすくなりました。

ラムゼイのトリオで活躍しているクリーブランド イートンですから
このアルバムも納得の一枚。



さて最後にかなーり不思議なのが

"Me & You" (pablo)
Count basie


最晩年のカウント ベイシーのバンドでクリーブランド イートンが
参加しています。

たった一度の参加ではなくてこの後ベイシーが亡くなるまで
ベーシストとして定着しています。

その後のフランク フォスターが率いるベイシー バンドでも
イートンがベースを務めていますので御大にも古株メンバーにも
クリーブランド イートンの評価は高かったのだと言えましょう。

ベイシー バンドでのイートンは全く堅実なオーソドックスな演奏振りで
それと言われなければ気が付かないです。

まぁそれはそれとして
なぜにクリーブランド イートンがカウント ベイシーのバンドに
入ることになったのかは謎ですねぇ。

ビックバンドに詳しい方でご存知の方があれば
ぜひご教示願いたいです。


おもしろいぞ クリーブランド イートン
イートンを紹介できてよかったです。




2018年08月03日 埋もれたCD紹介 トラックバック:0 コメント:0

ラムゼイ ルイスの集大成が結実したアルバム(コンポラサイド)

前回ではラムゼイ ルイス後半生のピアノトリオアルバムの中より推薦作
紹介しましたが今回はコンテンポラリーサイドの推薦作を紹介。

GRP在籍中の1995年にリリースされたアルバム

"Urban Knights" (GRP)
Ramsey Lewis


「アーバン ナイツ」

参加ミュージシャンをあげるとまさにコンポラジャズのスター達が勢ぞろい。
主要ミュージシャンを列記しますと
グローバー ワシントン jr (sax)
ポール ジャクソン jr (g)
オマー ハキム (ds)
ヴィクター ベイリー (b)

さらにゲストとして
フレディー ハバード (tp)
エモーションズ (vo)

そしてプロデューサーに モーリス ホワイト

それぞれがリーダーであっても不思議ではないミュージシャンばかり。


そもそもはGRPの副社長A&Rの企画アルバムであったようです。

えてしてこういったアルバムは船頭多くして船山に上ること多しですが
このアルバムに限ってはそんな心配は無用です。


主要なフロントを務めるのはラムゼイ ルイスのピアノと
グローバー ワシントンのサックスです。

一曲目の"On the radio"ではアースよろしく
アップテンポなキャッチーな演奏でまさに つかみはOK

二曲目にアースのかつてのヒットアルバムから"Wanna be with you"
原曲のダンサブルなところは抑え気味にして
歌の部分はグローバーが謳いあげてゲストのエモーションズが
お決まりのバックコーラスを務めます。

三曲目の"Chill"
アップテンポのラップで一気に盛り上げますが
ここでゲストの御大フレディー ハバードが一節。
  本音をいうとCTIの頃の絶好調な彼に吹かせたかった

4曲目の"Hearts of longing"
ここで一息ラブ バラードをグローバーのソプラノサックスで。


と言った具合に
スルスルとリスナーの耳にスムーズに音楽を展開させる
アルバム構成が見事です。


アルバムエンディングへ向けては
8曲目の"Urban samba"
タイトル通りの都会的なサンバのリズムで
曲調の色変わりをみせておいて

9曲目の"For ever more"
しっとりとしたラブバラード  でアルバムを〆ないところが味噌。

エンディング曲"Senegal"
アップテンポだが重くならない軽快なアフロ調のリズムで
アルバム 幕

本当に見事なアルバム構成ですなぁ。
繰り返し聴けるような工夫がそこここにちりばめてあります。

さぁて 一曲づつダウンロード買いする
いまの若い子たちにこの辺の妙は味わってもらえるのかしらん。


もちろんこういった素晴らしい構成のアルバムを作り上げたのは
先にあげた凄腕のミュージシャン達です。

何がすごいと言ってそれぞれのミュージシャンが自分の役回りを理解し
出る時には思う存分に出てサポートするときは絶妙なバランスで
100%の力でサポートしていて感心しきりです。


このようなアルバムでは得てして各パートが別々に録音され
正確無比ではあるがどこか機械的な感じがしたりするのですが
このアルバムではそういったところが皆無です。

非常に鮮度の高い緊密感あふれる演奏が楽しめます。

多少の後付けの演奏はあるかもしれませんが
ほとんどの部分は一発同時録音であるのではと思います。


ラムゼイルイスのここまでつちかってきた音楽感性や能力
そして人脈など総動員されて出来上がったアルバムだと感じます。

持ってて損のないアルバムです。




この記事で紹介したアルバムです
アーバン ナイツ





P.S.

こういったアルバムを芸術至上主義的な物差しで聴いても
面白くもなんともありませんぜ
 Enjoy it!!


2018年08月01日 埋もれたCD紹介 トラックバック:0 コメント:2