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ジャズ原理主義マルサリス家長兄が残したワークソング

「ボルガの舟歌」の記事のなかでハラーについて触れましたが
ジャズのアルバムに収録されたハラーを思いついたので少し

Branford Marsalis I Heard You Twice The First Time
"I Heard You Twice The First Time" (col)
Branford Marsalis

ブランフォード マルサリスの「アイ ヒアード ユウ トゥワイズ ザ ファースト タイム」

1992年リリースのアルバムでグラミー賞ジャズ部門の栄誉に輝きました。


通常のジャズアルバムとは少し毛色が変わっているアルバムで
ゲストにはブルーズ界の大スター達であるB.B. キング、ジョン リー フッカー、
リンダ ホプキンズが参加しています。

彼らゲストの参加している曲ではそれぞれの本業である音楽を演奏していて
そこへブランフォードらジャズ奏者達が同等に参加すると言うスタンスです。


ゲストが参加していないトラックでは通常のジャズが演奏されますが
それらの中に突然降ってわいたようにハラーの「ベルタ、ベルタ」が
謳われます。

初めてこの「ベルタ、ベルタ」を聴いた時には効果音を交えた
いきなり生っぽいワークソングに面喰いました。


この「ベルタ、ベルタ」についてはマルサリス一家三男坊のデルフィーヨが
インナースリーブで解説しています。

それによるとこの「ベルタ、ベルタ」はオーガスト ウィルソンの劇作
「ザ ピアノ レッスン」の劇中で出演者によって歌われたとわかります。

このブランフォードのアルバムの「ベルタ、ベルタ」には
その「ザ ピアノ レッスン」のオリジナルキャストが参加して
歌ったことの事です。


さてもまたありがたいご時世でございまして「ザ ピアノ レッスン」
劇中での「ベルタ、ベルタ」がyoutubeで観ることが出来ます。


まさにフランフォードの「ベルタ、ベルタ」にピタリと符合します。

もともとこの「ベルタ、ベルタ」はミシシッピー州立刑務所で
強制労働に携わった者たちの間で歌われたワークソングだったそうで
1930年代にフィールドワークにより採取されたとのことです。

一聴わかるようにヨイトマケの歌ですね。
  お父ちゃんの為なーら、エーンやコーラ


アルバムタイトルから想像されるのはブランフォードは
 俺たちのジャズの演奏の中にはハラーが息づいているんだぜ
 本物のジャズはこうだぜ
なんて主張しているんでしょうな。


ジャズの中に流れている様々な黒人音楽にスポットを当てようと言う
ブランフォードの意気込みは察せられますが
実のところ彼の演奏とそのルーツと主張したい音楽の
乖離具合がとてもよくわかるアルバムだと感じます。


マルサリス一家の目論見はよそに置いておいて
参加したブルーズミュージシャンたちの演奏は
ノリノリで大変にご機嫌なトラックsになっています。

ジョン リーが録音スタジオにやってきた時に
アップライトの大きなベースが用意されているのを見て
「おうっ、ガキどもおまえら本気だな」
と言ったとか言わないとか(笑)
  もちろんジャズでは当たり前のことですけど

ジョン リー 好きやわぁ
           うふふふふふふふふ




この記事で紹介したアルバムです
アイ ヒアード ユウ トゥワイズ ザ ファースト タイム




2018年10月12日 埋もれたCD紹介 トラックバック:0 コメント:0

ジャマルもラムゼイもシカゴで「エイ コーラ」と船を曳く

「ボルガの舟歌」という題名はご存知なくても
「エイコーラ エイコーラ もひとーつ エイコーラ……」
という掛け声であの歌かと思いつくと思います。

この「ボルガの舟歌」ですが記憶をたどると
初めて聞いたのは人形劇テレビドラマのひょっこりひょうたん島
ではなかったのかと思うのですが

なにせ幼稚園にあがる前の事で定かではありません。


「ボルガの舟歌」ですがロシアのトラディショナル(民謡)で
船曳歌として世界中に知れ渡っています。

ボルガ川を船でさかのぼるためには発動機などの無い昔のこと
川岸の労働者が綱で引っ張り上げていたわけです。
 淀川の三十石などと同様ですな

重量のある船を多数の人間が力を合わせて船を曳くのに
「エイコーラ」と声を合わせるために歌った労働歌が
「ボルガの舟歌」というわけです。

ちょっとこの「ボルガの舟歌」について調べてみると
もともとは農民たちの労働歌であったのが
後に船曳歌に転用されたものだそうで面白いものですね。

今となっては舟歌にしか聞こえません。


こういう労働歌というのはハラーなどと呼ばれてジャズのルーツの一つですが
「ボルガの舟歌」がジャズに取り上げられることはそれほど多くありません。

ですが良く知られている曲だけにアルバムに収録されていると
記憶に強く残っています。

アメリカではジャズとしてはグレン ミラー オーケストラによる録音が
大ヒットしているのですが日本ではそれほど有名ではないと思います。


私が知っているジャズの「ボルガの舟歌」はどちらも
アーゴレーベルのものです。

しかもアーゴの二大看板ピアニストである
アーマッド ジャマルとラムゼイ ルイスの作品です。


Ahmad Jamal Trio ‎– Count Em 88
"Count 'Em 88" (argo)
Ahmad Jamal

アーマッド ジャマルの「カウント エム 88」

1956年発売の作品でベースには盟友イスラエル クロスビー
ドラムはウォルター パーキンスです。

ジャマル版「ボルガの舟歌」ですが当時のジャマルらしく
大きくダイナミズムをつけながら軽やかに旋律を奏でます。

典型的なジャマル節全開で快調に飛ばします。

エンディングでピアニッシモに絞っていき
そのままエンディング
あっぱれ アーマッド ジャマル

とてもおしゃれでしかも省エネで労働歌には
ちょっと不向きでしょうな(笑)




The Ramsey Lewis Trio ‎– More Music From The Soil
"More Music From The Soil" (argo)
Ramsey Lewis

ラムゼイ ルイスの「モア ミュージック フロム ザ ソイル」

こちらは1961年のリリース
ベースにはエルディー ヤング
そしてドラムにはレッド ホルトの黄金のトリオ。

出だしは土臭くいかにもハラーらしく演奏が始まります。

途中からはどんどんとファンキー度が加速し
労働していた人々も踊ること必定のダンサブルな演奏
 ここら辺猫のフェリックスでアニメ化したのを見てみたい


エンディングでは「カルメン」のクオーテーションもはさみながら
ジャマルよろしくだんだんと音を絞っていき……
そのまま完了かと思いきや
一転力強く一声はりあげ「エイ コーラーッ」
マックスで ズドンと終了。

こちらも当時のジャマルトリオの魅力満開な演奏。


ラムゼイが受けたジャマルの影響が興味深くも
それぞれの当時の二人の個性が際立った
楽しい「ボルガの舟歌」であります。





この記事で紹介したアルバムです
カウント エム 88
モア ミュージック フロム ザ ソイル



2018年10月10日 埋もれたCD紹介 トラックバック:0 コメント:0

ロン カーターの裏のお仕事 その二

記事のつづき



"Once Upon A Dream " (atlantic)
The Rascals‎

ザ ラスカルズ(アメリカの方ね)の「ワンス アポン ア ドリーム」

いわゆるブルー アイド ソウルと評されるラスカルズですが
このアルバムを聴く限りではサイケ ロックもしくはシンフォニー ロック
といったラベリングのほうが似つかわしいと思います。

"Singin' The Blues Too Long"といった曲などは
なるほどソウルだと言える曲もあります。


ベーシストにはロン カーターの他にチャック レイニーと
リチャード デイビスが共に参加しています。

ベースのパートはほぼオーケストレーションの中にあり
どのベースが誰であるのかは判別が難しいです。

常識的に考えてチャック レイニーはエレキベースで
ロン カーターとリチャード ディビスがアコースティックでしょう。

個性が異なるロンとリチャードですけれども
さーてアルコはどちらかしら?
 うふふふふふ 誰が興味あんねん(©ヤナギブソン)

これぞロン カーターの裏のお仕事





"Night Rains" (col)
Janis Ian


ジャニス イアン1979年のアルバム「ナイト レイン」
 邦題は「ユー アー ラヴ」(笑)

A面4曲目の"Photographs"にロン カーターが参加

写真にまつわる思いを嫋々と語るといった曲で
イアン自身のピアノとロン カーターのベースの他には
エンディングにハープが入るだけの構成です。

当然ベースの ロン カーターの比重はかなり高くなるわけで
粛々とお仕事をこなしている感じです。

ロン カーターの指名はイアン自身のものであったそうなので
彼女の描いた歌は出来上がったのでしょう。

こういった歌いまわしを聴くと彼女がユダヤの血を引くと言うのも
なんとなくわかる気がします。

実を言うと私が不得手とするジャンルなのですけどね
  うふふふふ

ロン カーター お仕事 お仕事

ちなみに他の曲にはチック コリアの参加も





"Baduizm" (universal)
Erykah Badu

エリカ バドゥのファーストアルバム「バドイズム」

このアルバムが発売されてもう20年が経過していることに
少し驚きを感じます。

当時一躍ポップス界の寵児となったエリカ バドゥですが
彼女の音楽が新しくどのジャンルにも属さないのでレッテルを貼る代わりに
90年代のビリー ホリディなんて言い方をされていました。
 今やネオ ソウルというジャンルで呼ばれているらしい

個人的にはなぜビリーとたとえられたのかピンとくるものがありませんが
シャウトしない歌いぶりからそう呼ばれたのかもしれません。
前回のロン カーターの

この「バドイズム」の11曲目「ドラマ」にロン カーターが参加しています。

アルバム自体がいわゆる打ち込みとキーボードを中心として作成されていて
アクセントをつける曲としてロン カーターの生のヴォイスが必要と
されたのでしょう。

この曲中ではロン カーターの役割は非常に大きく
曲の空間を作り出す主としてフィーチャーされています。

ただアルバムがアルバムなので通常のジャズのアルバムのように
自由自在に空間を揺さぶることはなくひたすら魔法の絨毯をひくことに
ロン カーターが腐心しています。

ロン カーターのベースに興味のある方は一聴の価値のある
トラックだと思います。

ロン カーター Good Job!





この記事で紹介したアルバムです
ワンス アポン ア ドリーム
バドイズム
ナイト レインズ




2018年10月07日 埋もれたCD紹介 トラックバック:0 コメント:0

ロン カーターの裏のお仕事

ロン カーターの記事を書いていて少しばかり彼のジャズ以外のお仕事について

"Soul '69" (atlantic)
Aretha Franklin ‎

先ごろ悲しい知らせのあったソウルの女王アりーサ フランクリンの
「ソウル69」

このアルバムの半数程の曲にロン カーターが参加しています。

このアルバムにもフランク ウエスやジョー ニューマン、ジョー ザビヌル他
スタークラスの大勢のジャズミュージシャンが名を連ねています。

ロン カーターの堅実なサポートぶりはもちろんのことですが
少ないスペースでソロを取るファットヘッド ニューマンや
オブリガードを付けるケニー バレルがなんともいい感じです。

もともとアリーサはコロンビアのデビューアルバムではレイ ブライアントのコンボで
歌っていたわけでジャズとの相性はばっちりです。

分厚いブラスセクションに全く力負けしないアリーサのホーンライクな
歌唱に驚かされます。





"Paul Simon" (col)
Paul Simon

ポール サイモンがソロとして満を持して発表したセルフタイトルアルバム
「ポール サイモン」

このアルバムのA面4曲目"Run That Body Down"にロン カーターが参加。

なるほどそう思って聴けばベースはロン カーターかなと思えども
ブラインドでは多分わかりません(笑)。

正直なところこの曲でロン カーターを起用したポール サイモンの意図が
よくわからないです。

というか
ポール サイモンの曲に関して何の理解もないわたし
なにか 物をいうのが間違っていますな 
失礼




"The Bridge" (col)
Billy Joel

ビリー ジョエルの「ザ ブリッジ」
4曲目の"Big Man On Mulberry Street"にロン カーターが参加しています。

その他のミュージシャンにもマイケル ブレッカー、ロニー キューバ
エディ ダニエルズと腕利きのジャズメンが参加。

ビリー ジョエルの作品だけにロン カーターの参加もむべなるかな。

アコースティックのベースだけでなく他にエレキベースも入っていますが
ブリッジの部分でビリー自身のピアノ、ヴォーカルとロン カーター含む
リズム隊だけの演奏ではロン カーターの魅力満開。

納得の一枚です。





えーっ もう少し紹介したいアルバムがあったのですが
ジャズ以外のジャンルのアルバムを3枚もきくとちょっと疲れました(笑)


この記事で紹介したアルバムです
ソウル69
ポール サイモン
ザ ブリッジ




2018年10月06日 埋もれたCD紹介 トラックバック:0 コメント:0

ギネス ブックにも載っているらしいロン カーターとロバータ フラック

ジャズに関する本などとんと読まなくなっているので
結構知らないことが多い私でございます。

ロン カーターがギネスブックに載っているとは知りませんでした。

「今までに作成されたアルバムにベーシストとして2200を超える作品に
クレジットされている」
という事でMost recorded jazz bassistとしてロン カーターが
2015年より掲載されているそうです。
  知らんかったわー

ロン カーターがジャズに限らず他ジャンルのレコーディングにも
しばしば参加しているのでおそらくかなりの数の作品に
記録されているとは思っていましたがその数2200超ですか。

ロン カーターが商売人として有名なのは知っていましたが
すごいものです。

ギネス好きの日本での公演がまたもや増えそうですな。


このことはロン カーターがデトロイトの地元新聞に掲載された
インタビュー記事で知りました。

その記事で数多くのレコーディング作の中からロン カーター自身が
10枚の参加アルバムをピックアップしています。

その中でちょっと毛色の変わったアルバムがありました。
Roberta Flack ‎– First Take
"First Take" (atlantic)
Roberta Flack ‎


ロバータ フラックの「ファースト テイク」です。

アルバムタイトル通りに彼女のメジャーデビューアルバムになります。

"Killing Me Softly with His Song"であまりに有名であるロバータですが
果たしてこのアルバムがいかほどファンに評価されているのか
残念ながら門外漢の私にはわかりません。

ですがこのアルバムジャケットを裏返してみると
"Les McCann Presents"と大書してあります。

クラブで歌っていたロバータ フラックを聴いてこれはいけると踏んだ
レス マッキャンが自身の所属レーベルアトランティックに売り込んで
この作品が作成されたとのこと。

これまた知らなんだー ロバータファンには有名な話でしょうけれど


レコーディングは当初ロバータ自身のピアノトリオによって
製作がすすめられたのですが二、三日試行錯誤して
どうにもうまくいかなくてロン カーターにお鉢が回ってきたそうです。

その結果なのか参加ミュージシャンが凄いことになっています。
ドラムに手練れのアル ルーカス
ギターにはジョン ピザレリ
ブラスには
フランク ウェス
セルダン パウエル
ジョー ニューマン
ジミー ノッティンガム
ベニー パウエル
などなど大御所がズラリ。




アルバム一曲目にマッキャンのテーマソングともいえる
"Compared to What"が収録されていますが なるほどですな。

この曲の印象的なイントロからモーダルに展開される
ベースラインについてロン カーターがコメントしています。

「このベースラインは彼女のアイデアで生まれたんだ。
それを実現するのに私が手を貸し彼女が意見を言い
二人で作り上げたんだ。」

モーダルでブルージーに展開するベースライン。

この「コンペア トゥ ホワット」のイントロを聴いただけで
ベーシストがロン カーターだとわかる個性的で
充分にスペースを活かした演奏でうならされます。

そしてロバータ自身のピアノが加わりその上に
先の豪華なブラスバンドが絡んでご機嫌なトラックに仕上がっています。


ロン カーターのおかげでまた一つ楽しめるアルバムを知ることが出来ました。



この記事で紹介したアルバムです 
ファースト テイク




2018年10月04日 埋もれたCD紹介 トラックバック:0 コメント:2

「ザ ソニー クリス メモリアルアルバム」由来

The Sonny Criss Memorial Album
"The Sonny Criss Memorial Album" (xanadu)
Sonny Criss


前回の記事
引き続き「ザ ソニー クリス メモリアルアルバム」について

そもそもこの「ザ ソニー クリス メモリアルアルバム」のB面に収められた
スタジオ セッションがどのような経緯で録音され未発表のままであったのか
とても興味深い話がプロデューサーでありザナドゥオーナーの
ドン シュリッテンによって語られています。


1959年に「アット ザ クロスローズ」をピーコックに残してから長い間
アメリカでのリーダーとしてアルバム製作が途絶えていたソニー クリスに対して
1966年にプレスティッジとの契約を結んだのは当時プレスティッジで
プロデューサーその他で活躍していたドン シュリッテンでした。

その翌年か次の年にドン シュリッテンが録音の為にロサンジェルスに赴いた時に
ソニー クリスの自宅に招待されたそうです。

その時にプレゼントされた録音がこの「ザ ソニー クリス メモリアルアルバム」のB面
に収録されたセッションだったのです。


この未発表のままであった録音は長らく自身のリーダーアルバムを出せなかった
ソニー クリスがハンプトン ホーズらと共にレコード会社へとアプローチする為に
作成したデモンストレーション用の演奏でした。

ソニー クリスは世話になったプロデューサーのドン シュリッテンに感謝し
「いつか私のメモリアル アルバムを作るときに使って欲しい」と
彼に託したのです。


時は流れて1975年再び長らくリーダー作品を世に問うことが無かった
ソニー クリスに再びアルバムを制作依頼したのはドン シュリッテンでした。

そして残された作品が
Sonny Criss ‎– Saturday Morning
"Saturday Morning" (xanadu)
Sonny Criss


「サタデイ モーニング」です。


その後ソニー クリスはミューズに二枚と
インパルスに二枚のアルバムを吹き込みますが
1977年には不慮の死を遂げることになります。


そして1984年にソニー クリスの言葉通りに作成されたアルバムが
「ザ ソニー クリス メモリアルアルバム」だったのです。


このメモリアルなアルバムはドン シュリッテンより
ソニー クリスの母であるルーシーに捧げられています。

その理由を尋ねられたドン シュリッテンはこう言い残しています。
「ソニーが間違いなくそう望んでいただろうから」


もう一つのソニー クリスによる「サデイ モーニング」の
顛末でありました。




この記事で紹介したアルバムです
メモリアル アルバム
サタデイ モーニング









2018年10月02日 埋もれたCD紹介 トラックバック:0 コメント:0

ソニー クリスのもう一つの「サタデイ モーニング」

後期のソニー クリスの代表作として紹介されることの多いアルバム
Sonny Criss ‎– Saturday Morning
"Saturday Morning" (xanadu)
Sonny Criss


ザナドゥからリリースされた「サタデイ モーニング」はつとに有名です。

ですがタイトル曲の"Saturday Morning"が収録されたクリスのアルバムが
もう一枚存在するのをご存知でしょうか
The Sonny Criss Memorial Album
"The Sonny Criss Memorial Album" (xanadu)
Sonny Criss


同じくザナドゥからリリースされたアルバム
「ザ ソニー クリス メモリアルアルバム」です。


ザナドゥ盤についてそれほどよく御存知ない方の為に申し添えますと
ザナドゥには二つのシリーズがあります。

一つはシルバー シリーズと言い同時代に録音リリースされた
新譜(つまりは通常)のアルバム。

もう一つはゴールド シリーズで過去に録音されたが入手が困難な物
の復刻あるいは発掘盤をリリースした物。


それで
「サタデイ モーニングは」シルバーシ リーズで新録のアルバム
「ザ ソニー クリス メモリアルアルバム」はゴールド シリーズで
復刻および発掘盤という事になります。

「ザ ソニー クリス メモリアルアルバム」のA面には
ビバップの時代の貴重な録音が収められています。

B面にはこれまで全く知られていなかった1965年録音のセッションが
収められています。


B面の録音年月日は1965年6月15日で場所はロサンジェルスのスタジオ。

メンバーが地元のミュージシャンで固められていて
ピアノにハンプトン ホーズ
ベースにクラレンス ジョンソン(詳細不明)
ドラムにフランク バトラーという布陣。

収録曲は
"Saturday Morning"
"When Sunny Gets Blue"
"The Masquerade Is Over"
"What's New"
"Ursula"
最後の曲を除けばソニー クリスの他のアルバムに収録されたことのある
お馴染みの曲ばかりです。


でお目当てのB面一曲目に収められた「サタデイ モーニング」ですが
良く知られたシルバー シリーズの「サタデイ モーニング」とは
一味違った名演です。


シルバー シリーズの「サタデイ モーニング」は1975年に録音され
ちょうどゴールド シリーズより10年後の録音になります。

ピアニストにはバリー ハリスが採用されていてまさに彼の代名詞である
「いぶし銀」のバッキングがしっとりとクリスのアルトを支えています。

クリスの47歳の人生経験の深さと楽器の歌わせ方の円熟味が感じられ
聴きごたえのある「サタデイ モーニング」です。


他方の知られざるゴールド シリーズの「サタデイ モーニング」ですが
端正でわりと淡々とした簡潔に凝縮した演奏です。

37歳のクリスの演奏になるのですが若々しいというよりも
どことなく諦念が感じられる吹っ切れたようにも聴こえます。

もう一つやはりハンプトン ホーズの天才としか言いようのない
きらめきを感じる演奏振りは音楽に大きく寄与していて
曲に品格のようなものをあたえていて見事です。


バリー ハリスに少なからず思い入れのある私ですが
ふたつのシリーズの「サタデイ モーニング」の
とちらかを選択することは到底できませんです。

と言うより2つとも楽しめばよいだけの事
いずれのセッションも意味があるのがジャズですな。


機会があればぜひこのゴールド シリーズ
お聴きいただきたいのですけれどザナドゥの復刻は進まず
やはり入手困難盤
   無念



この記事で紹介したアルバムです
メモリアル アルバム
サタデイ モーニング


もうちょっとこのアルバムには書きたいことがあるので
多分つづけます。



2018年10月01日 埋もれたCD紹介 トラックバック:0 コメント:0