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ラッセル ガンの描く今のジャズ

russell gunn krunk jazz
"GET IT HOW YOU LIVE" (ROPEA)
The royal krunk jazz orkestra Russell gunn


ロイ ハーグローブの追悼記事を書いていて同時期にジャズ界に現れた
トランぺッターのラッセル ガンを思い出し
  どこに行ったんだ
と呟いたわけですが

彼はスティーブン スコットのように本当にジャズ界から
行方をくらましていたわけではありません。


ラッセル ガンもハーグローブと同様に早くからジャズだけではなく
ソウルファンク、ヒップホップ系の音楽でも活躍していました。

ラッセルの場合彼の主戦場はジャズのフィールドではなくて
いつしかもう一つの分野で活躍していたわけです。

こうなってしまうとジャズを中心に聴いている私には
ラッセルの活動はほぼわからなくなっていたというのが実情です。
 いわゆる管見に入らずといったていですな


現在ラッセル ガンが力を入れているのは冒頭にあげた
ザ ロイヤル クランク ジャズ アルケストラと銘打った
ビッグバンドでの活動です。

この「ゲット イット ハウ ユウ リヴ」というアルバムは
先ごろ発売されたばかりの作品です。


内容を聴いてみますと
ソウルフルでダンサブルそしてヒップでポップ
しかもジャジー。

バラードのソウルフルな曲もありヴァラエティーに富んでいます。

まさにサラダボウルな音楽です。

こう書いてしまうとアルバムがてんでバラバラに空中分解しそうですが
ラッセルのプロデュース力とアレジメントでしっかりとした
一貫性のあるアルバムとして成立しています。


嬉しいことにこんな企画にはジャストフィット間違いなしの
テオ クロカーが一曲にフィーチャリングされています。

ラッセルは主にプロデュースに注力しているようですが
"If I Ever Fall In Love"ではたっぷりとソロを聴かせています。

ここではリズム隊を全く使用せずにブラスセクションをバックに
鮮やかにメロディーう歌っていて魅力的です。


何曲かには女性ヴォーカルとしてブラコンソウル系の
ディオンヌ ファリスが起用されています。
  まぁ私は全く彼女の事は知らなかったんですけれど

彼女が歌っている曲の一つ「ホープレス」がとてもこなれていて
素敵だなと思ったらファリスの持ち歌でした(笑)

ディオンヌという名前はディオンヌ ワーウィックに憧れて
名付けたそうですがロバータ フラックのヒット曲
「バラッド オブ ザ サッド ヤング マン」も歌っています。
  たしか復帰したアート ペッパーが吹いていたやつ


多分ラッセル ガンにとっては自分のやっている音楽が
「ジャズ」と呼ばれようがそうであるまいが知ったこっちゃ無いのでしょう。

もともとスゥイングの時代以前からジャズという音楽は
異ジャンルを取り込みながら続いてきたわけです。

ラッセルにとってはこれこそが今の自分のジャズ
グループ名にジャズの名前が冠されているのはそのあらわれ

あまりにエンターテインメントから離れすぎたジャズを
大衆とともにあることで甦らせようとする試みとも感じます。

私はこのアルバム気に入りました。
  本邦で売れるといいねぇ




この記事で紹介したアルバムです
ゲット イット ハウ ユウ リヴ



  

2018年11月11日 埋もれたCD紹介 トラックバック:0 コメント:0

Stephen Scottを捜せ

前回の記事でスティーブン スコットの事が気になったので捜索しました。

五年ほど前でしょうか リーダー作はおろかサイドメンでも録音が途絶えている
スティーブン スコットがどうしているのかをネットで調べたことがありました。

その結果はと言いますと録音はおろかライブ演奏も含めて
スコットに関する活動状況は全くつかめませんでした。

どこかに引退したような記事でもあるかと探してもみましたが
これまたさっぱり見当たりませんでした。

面白いもので私と同じように彼の事を探している人がいるようで
アメリカのジャズファンたちの為の掲示板に
 スコットについて最近の情報が全くないので誰か知らないかい?
と投稿している方がありました。

それに対する返事もみな同様に
  全くスコットについては聞かないねぇ どうしたんだろう
といった調子のものばかりでした。

このネット時代でも全くスティーブン スコットの足取りは
杳としてつかめませんでした。


私の知る限りスコットの最新の録音は
Clifton Anderson Decade
"Decade" (doxy)
Clifton Anderson


クリフトン アンダーソンの2008年リリースのアルバム
「ディケイド」あたりだと思います。

このアルバムはおじさんのソニー ロリンズが
プロデューサーとして名を連ねています。

ロリンズの来日公演でも帯同していた
スティーブン スコットの参加は当然ですな。

ちなみにロリンズの来日公演でピアニストを務めた中では
スコットがダントツにフィットしているように思います。


さらに二年ほど前にまたぞろスティーブン スコットのことが気になって
ネットで調べてみました。

すると割合に小さい会場で彼がライブを行っていたり
地方のラジオ局での放送で演奏していたりする情報が
いくらか見つかりました。

それほどの表舞台ではありませんがスコットは
音楽活動を再開していたようです。



そして今回またスティーブン スコットの情報はないかとネット検索しますと
 ありました
Bobby Watson Made In America
"Made In America" (smoke)
Bobby Watson


2017年のスモークからのボビー ワトソンのアルバム
「メイド イン アメリカ」にスコットが参加していました。


近年のオリン エヴァンズのアルバム発売などで注目していた
スモークレーベルでしたのに不覚にも見落としていました。

ボビー ワトソンには失礼な話ですが彼のアルバムはいくらかありますし
さほど変わり映えのしない物だろうとスルーしていました。

参加メンバーの確認を怠っていたようです。
  ジャケットにメンバーが書いてあるのにねぇ


さっそくこのワトソンの新譜を聴いてみました。

いやもう 間違いなくスティーブン スコットの演奏です。
  あたりまえやがな

特徴的なビハインドビートの左手
跳ね回るような演奏とモンクのような音遣い

そして少し落ち着きというか貫禄というか
円熟味も出てきたようです。
  ロイ ハーグローブと同じく49歳のはず

衰えもなく変わらないスコットの演奏に
嬉しくなりました。


次回はもう少し大物実力ミュージシャンとの演奏が聴いてみたい
などと欲どうしい気持ちがむくむくと……


いったいスティーブン スコットに何があったんでしょうな
でもジャズシーンに帰ってきてくれて本当に良かった。

とにもかくにも
お帰りなさい スティーブン スコット




この記事で紹介したアルバムです
メイド イン アメリカ




2018年11月09日 埋もれたCD紹介 トラックバック:0 コメント:0

哀悼 ロイ ハーグローブ 逝く

Moment to Moment

いつものようにザっと新聞に目を通していて何気なく訃報欄へと目をやると
 「ロイ ハーグローブ」
の名が

えっ
思わず少し声が出ました。

ハードバップ全盛時のミュージシャンがどんどんとなくなってしまう昨今ですが
ロイ ハーグローブは私なんかよりずっと若いはず……

記事によれば長らく腎臓を患っていて闘病中であったとのこと。
 うーん やんぬるかな


最近リーダー アルバムの発売が無いなぁと思っていましたが
今年の初めにも来日公演をおこなっていたので
活動の軸足をライブに置いているのだなと合点していました。

49歳はちょっとあまりにも早すぎます

訃報に接したときのおべんちゃらなんかではなく
本当にトランぺッターとしてこれからのジャズを背負う人であったのに……


ロイ ハーグローブの名を知ったのは日本でのブルーノート兄弟レーベル
サムシンエルスから出た「スーパーブルー」によってだと思います。
  なんだか本家の「アウトオフザブルー」のパチモンみたいだった

それからほどなくして自身名義のリーダーアルバムが
novusから続々と発売されるようになりジャズファンの間で
知名度が上がるようになりました。


年代的には1990年前後の事ですね。

この辺に輩出されたジャズトランぺッターというのは
ほぼ例外なくウィントン マルサリスの影響がみられ
ウィントン チルドレン的な演奏をするものが多くいました。

ロイもその例外ではなかったのですが彼にはウィントンが持ちえない
野性味というかちょっと尖がったところがありました。

リー モーガンのようなこういったいかにもジャズトランぺッターらしいさまは
優等生的な演奏に終始するウィントンに不満のあったジャズファンから
強力に支持されるようになりました。
  まぁ私もそのような輩のひとりではありましたな


この辺りの事情は往年のハードバップ黄金期を支えた大御所たちも
同じだったとみえジャッキー マクリーンやソニー ロリンズからも
アルバム収録に参加を乞われています。

ジャズミュージシャンお名前シリーズの記事を書いていましたが
実はソニー ロリンズはロイ ハーグローブにも曲を贈っています。
Heres to the People
"Heres to the People"    (milestone)
Sonny Rollins


その曲は"Young Roy"
収録当時ロイは21歳かたやロリンズは60歳

ウィントンと演奏を行った時にも増して嬉しそうにロイとプレイする
ロリンズが記録されています。

このアルバムにはもう一曲"I Wish I Knew"でロイが参加しているのですが
このバラードでソロをとるロイのバックで楽しそうにオブリガートをつける
ロリンズが印象的です。


初々しいロイ ハーグローブの演奏は
ヴァーヴへと移籍したころからどんどんとたくましさを感じさせるようになり
一種の風格さえ感じさせるようになっていきます。

Family.jpg
"Family"    (verve)
Roy Hargrove


「ファミリィ」は1995年の作品ですが
このアルバムを聴いた時にロイ ハーグローブにしか持ちえない
ジャズの世界が完成したと強く感じました。
  それにしてもスティーブン スコットはどこにいったんだ?


もう一枚記憶に残るのが
Crisol Habana
"Crisol Habana"    (verve)
Roy Hargrove


「クリソル ハバナ」は1997年に開催されたウンブリアジャズフェスティヴァルでの
公演をライブ録音したもの。

チューチョ ヴァルデスなどキューバのミュージシャン達に加えて
ゲーリー バーツといった先輩ミュージシャン等を率いて
このメンツでしか成しえない素晴らしいジャズを構築して聴かせます。

初めてこのアルバムを聴いた時には思わず唸りましたねぇ。

こんな力業もロイ ハーグローブは持ち合わせるようになっていたんです。




いやぁ 全く残念無念
ジャズ界はかなり大きな可能性をうしないましたなぁ
  門外漢ですがヒップホップソウルファンク系もそうでしょうなぁ


                              合掌


しかし ラッセル ガンどこでなにしてるんやろ??



この記事で紹介したアルバムです 
ヒアーズ トゥ ザ ピープル
ファミリィ
クリソル ハバナ



2018年11月06日 埋もれたCD紹介 トラックバック:0 コメント:0

サイババとちゃいますよシーババのお話

「エレクトリック バード」の紹介をしましたがその中での演奏曲"Xibaba"のお話を

この「シーババ」はCTIの一連のアルバムでのリーダー作や
エレクトリック マイルズへの参加で知られるブラジルのミュージシャン
アイアート モレイラのの作品です。


1990年代の中頃にブルーノート レア ジャズシリーズと銘打ってブルーノートが
盛んにDJブームに乗った作品を出していたことがありました。

その中の一枚にあったのが
Duke Pearson ‎– I Dont Care Who Knows It
"I Don't Care Who Knows It" (bluenote)
Duke Pearson ‎

デューク ピアソンの「アイ ドント ケア フー ノウズ イット」

私の座右の銘かと思うようなタイトルアルバムですが
中身は1969年から1970年にかけて録音された
お蔵入りセッションの落穂拾い的アルバムです。

この中のB面二曲目に収められていたのが「シーババ」でした。
   当時はすでにCD一色の音楽業界となっていましたが
   このシリーズがDJ目当てであったのでレコードも発売されていた
   ただ収録曲はCDの方が多かった  でもレコードを買った私

この曲を初めて耳にしたときに確かに聞き覚えがあるのに
いったいどのアルバムに収められているのかちょっと見当が付きませんでした。

随分とたってから思い当たったのがドナルド バードの「エレクトリックバード」です。

「エレクトリックバード」での「シーババ」でのピアノ演奏及びプロデュースは
デューク ピアソンでしたが先の記事で述べた通りバードのアルバムでは
電化マイルズの影響が強いものでした。



このピアソン自身のアルバムでの「シーババ」ではストレートに
アイアートの原曲を活かしたエスニックなジャスになっています。

すんなりと聞けるので何気に聞き流すにはこちらの方が
良いように感じます。

しっかりと聴くならばバードの「シーババ」の方が
聴きごたえがあるのも確かです。

ピアソンがどういう経緯でこのアルバムでの「シーババ」を没にし
「エレクトリック バード」で再演したのかを考えると
とても面白いです。


バードのアルバムにもピアソンのアルバムにも
アイアート モレイラは演奏者として参加しています。

この「アイ ドント ケア フー ノウズ イット」での収録は
1969年の10月3日に行われています。

手元のディスコグラフィではエレクトリック マイルズへのアイアートが
参加した収録は1969年の11月19日が初めてとなっているので
ピアソンのアルバムの方が先になっています。

他方バードのアルバムの収録は1970年の5月15日ですから
すでにアイアートはエレクトリック マイルズの洗礼を受けています。

この辺りもとても面白く感じます
これでマイルズが「シーババ」を録音してくれていれば
もっと興味深かったんですけれどそれは無いものねだりですな
   誰が興味あんねん(©ヤナギブソン)



さてアイアート自身による「シーババ」については
Airto ‎– Natural Feelings
"Natural Feelings" (buddah)
Airto

彼の初リーダー作である「ナチュラル フィーリングス」で録音されています。

奥方のフローラ プリムも参加し当然のことながら
真っ当にフラジリア風味のジャズといった味わい
出版元はブッダレコード!
  そうあのザナドゥ、ミューズの萌芽となったコブルストーンの親レーベル
     誰が興味あんねん(©ヤナギブソン) "I Don't Care Who Knows It"


     
ジャズとは言いかねますけれどこんなところにも「シーババ」が
Santana ‎– Lotus
"Lotus" (col)
Santana ‎


サンタナの「ロータスの伝説」

大阪の厚生年金ホール(ナツカシイ)でのライブ録音盤です

以前にマイルズの「アガルタ」「パンゲア」の記事でジャケット写真だけを紹介しました。

両者とも大阪でのライブ録音で日本盤がオリジナルしかもコロンビア発売
という事で横尾忠則という流れでしょうな。
  いつもなら邦題に文句をつけて「ロータス」でいいじゃないかと
  言うところですが初出が日本盤なら仕方あるまい

サンタナらしく冒頭からオルガンがギャンギャンと唸り
お祭りワッショイな演奏です。



ついでにもうひとつ「シーババ」
Cal Tjader ‎– Amazonas
"Amazonas" (fantasy)
Cal Tjader


カル ジェイダーの「アマゾナス」

まずもってカル ジェイダーの名前がジャズファンの間で
交わされることはめったにないんじゃあないでしょうか。

私も誰かと話をした覚えがほとんどありません。

ファンタジーやヴァーヴ、コンコードにギャラクシーなどなど
数多くのジャズレーベルにたくさんリーダーアルバムを発売しているのに
いささか不思議な感じもします。


カル ジェイダーといえばピアノとヴァイブラフォンの二刀流ミュージシャンですが
このアルバムではヴァイヴとマリンバを演奏しています。

共演者にはキーボードにジスモンチなどブラジルの有名ミュージシャンが参加し
アレンジメントにはジョージ デュークそしてプロデュースをアイアートが行っています。
  ついでにジャケットは私にはよくわからない名匠フィル キャロル


カル ジェイダーはミルト ジャクソンからボビー ハッチャーソンからつながる演奏を
得意としていますがここではまさにボビー ハッチャーソン。

ブラインドで聴かせればたいていの人はBNLAシリーズ当たりの
ボビー ハッチャーソン盤だと間違えると思います。

とても丁寧なつくりでフラジリアンジャズの名盤として推薦できます。

幸運なことにOJCの発売ありです。




スタンダードとは呼べないでしょうがちょっと気になるいい曲
"Xibaba"についてのお話でした。





この記事で紹介したアルバムです
アイ ドント ケア フー ノウズ イット
ナチュラル フィーリング
ロータス
アマゾナス




2018年11月03日 埋もれたCD紹介 トラックバック:0 コメント:0

実は実験好きだったドナルド バードの「電気鳥」

Donald Byrd ‎– Electric Byrd
"Electric Byrd" (bluenote)
Donald Byrd


なかなか日本盤も発売されなかったドナルド バードの「エレクトリック バード」

ドナルド バードのイメージというのはジャズファンの中でも
様々ではないかと思います。

1950年代から活発に活動していますので古典好きなファンには
サヴォイやプレスティッジそしてブルーノートの4000盤台前半に聴かれる
ハードバッパーとしてのバードのイメージがあるでしょう。

そういえばドナルド バードはジャズメッセンジャーズの初期頃のメンバーですしね。


後にDJ達に再発見されたことでも有名になった後期ブルーノートのヒット作
「ブラック バード」以降のイメージが強いと言う方もおられるでしょうね。


かと思えばコロンビアやジュビリーに残されたジジ グライスとの
コリーダー グループ 「ジャズ ラボ」での作品も特筆すべきものです。

ドナルド バードもジジ グライスも共にクラシック音楽の名伯楽
ナディア ブーランジェに師事した理論派。

残念なことに一般的なジャズファンにはこのグループは敬遠されがちですけれども。


といった具合に彼の残したアルバムはヴァラエティーに富んでいます。

そのバードの残したアルバムの中でも「エレクトリックバード」は
かなり面白いアルバムだと思います。

大雑把に言ってしまえば「エレクトリックバード」は
マイルズの「イナ サイレント ウェイ」そして「ビッチズ ブルー」に対しての
バードなりの回答であったと言えます。


1950年代に活躍し始めたころのバードは同時期の他のトランぺッター達の
多くがそうであったようにマイルズの強い影響を感じさせます。

同時にファッツ ナヴァロからクリフォード ブラウンの路線につながる
ハードバッパーの影響も感じます。

ブルーノートにリーダーアルバムを発表し始めた頃からは
ファンキーな演奏も会得しオリジナリティーを発揮して
「フエゴ」といったジャズ喫茶名盤を出すようになりました。


さてこの1970年に製作された「エレクトリックバード」ですが
ここへ来てまたもや先に述べたようにマイルズ デイヴィスに
強く触発されたようです。

ただマイルズの「ビッチズ ブルー」を代表とする一連の作品が
強力なリズムの上に即興演奏を基本としてコラージュ的に
作成されたのに対して
この「エレクトリック バード」はしっかりとアレンジメントされた
アンサンブルの上でエレクトリックマイルズ風のバードが演奏するといった
仕掛けになっています。

バラード演奏ではやはり後年までマイルズの影響を感じさせるバードですが
ここではもうマイルズに成りきった演奏全開です。

曲の出だしや雰囲気には当時のマイルズバンド風なのですが
実際の演奏自体はしっかりと構成されていて普通に楽しめる作品です。

よくできた作品だなぁと久しぶりに聴き返して感じました。

「ビッチズ ブルー」が苦手なあなたもこれなら安心して
楽しめます(笑)。


録音された当時はお蔵入りになったバードの作品で
この「エレクトリック バード」の一つ前に収録されたものに
"kofi"があります。

現在は発掘発売されCDで聴くことが出来ますが
「エレクトリック バード」に至るまでの習作のように聴こえます。

なんだか今一つ吹っ切れない中途半場な感じがします。


この時代のブルーノートにはすでにアルフレッド ライオンはいませんが
惜しげもなくアルバムを没にする姿勢は堅持されていたようです。
  もっともフランシス ウルフは在職している時期ですが


録音にはエコーやリバーブ等のエフェクトがふんだんに使用されていますが
やはりヴァン ゲルダーの仕事なんでしょうか。

後のCTIの作品群もゲルダーの録音であるのだから
当然と言えば当選ですけれどね。
  ちょっと面白い


電化したマイルズはこの時期の演奏をロック的なものから
協力にソウルファンク化させリズムもどんどん強化させていきます。

が それに対してドナルド バードはいわゆるスムースジャズへと
方向をシフトさせ「ブラック バード」の大ヒットをかっ飛ばします。

マイルズが途中演奏を中断させていた間もどんどんとバードは
それらの路線を万進していくわけですが
結局ところマイルズとバードのジャズ観は全く違っていたわけですな。

このアルバムの真価は逆説的ですが
あまりマイルズの演奏に聴き手が引きずられないで聴くほうが良いです。


色々な意味で楽しめる「エレクトリック バード」です。



この記事で紹介したアルバムです
エレクトリック バード




2018年11月01日 埋もれたCD紹介 トラックバック:0 コメント:0