少し淋しい気持ちです




 現存する最古のジャズ喫茶である横浜のちぐさが来年の一月で閉店すると言うお話を聞きました。

 「そうか、そうだろうな」

と心の中で一人つぶやきました。

 私が東京にいたのは今から22年も前のことですから、二月に一度ほど横浜に通っていた記憶もかなりあいまいになっています。
 住んでいたのは浦安でしたのでちぐさへ行こうとすると二時間ほどかかってしまうので、早々たびたび通えるものでもありませんでした。
 確かそのころマスターの吉田 衛さんは70歳ぐらいだったと思うのですが、私の知っているジャズ屋のオヤジと言うイメージとはかなり違った印象を受けたのを覚えています。
 ジャズ屋のマスターと言うと好事家が極まって店を始めたという感じの人が多いような気がします。(昨今開店したジャズ屋さんはそうでもありませんが)
 それに引き換えちぐさの吉田さんは見た感じ頑固な職人さんといった具合に見えました。
 お年のせいもあったのでしょうが、機嫌よくしゃべっているときもあれば、気短に怒っているような風のときもありました。
 戦争で全焼したとのことで思ったよりもお店は古いとはかんじませんでしたが、10人ほどが入れる三角形に近い店内はちょっと変ったつくりでした。
 かなりの有名店でしたから、日によっては全国からいらっしゃったジャズファンばかりが店内にいるときもありました。そんなときは何となくお店の中が道場のような雰囲気になりおかしな気持ちになったことも覚えています。
 サイフォンでいれたコーヒーでしたが正統派のジャズ喫茶らしく、おいしくありませんでした。
 行くと必ずマスターがレコードリストを渡してくれてリクエストをするように促してくれました。
 私はジャズ喫茶ではリクエストはしない主義でしたので、その気もなくレコードリストを繰っていると
 「早くしなよ」
と言われたのもいい思い出になっていますl

 今までもう数え切れないほどのジャズ喫茶との出会いと別れがあったのですが、今回のちぐさの閉店の知らせは残念と言う感じはありません。
 個人経営のお店は皆そうでしょうがジャズ喫茶の場合は特に、マスターがお店そのものと言う図式が当てはまるように思います。
 ちぐさはすでにその店主であった衛さんを失って、十数年が経過していました。その結果わたしは冒頭のような気持ちを持ったのだと思います。

 しかしやっぱり一抹の淋しさは禁じえません。

 もう一度ジャズ喫茶にトライしてみたいな  
   とぼんやりと考えた冬至の一日でした。
 


2006年12月23日 埋もれたCD紹介 トラックバック:1 コメント:4

こんばんは!
ジャズ喫茶をされていらっしゃるんですね。私の憧れです。
大阪に行く機会があった時、お邪魔してもよろしいでしょうか。
お店の名前がSonnyとは、参りましたの一言です。
さっそく「お気に入り」に登録いたしました。
また伺いますので、よろしくお願いします。

2006年12月25日 しゅう URL 編集

しゅうさん、わざわざお越しいただきありがとう御座います。
現在はジャズ喫茶での営業ではなく、洋酒喫茶と言うかカフェと言うかなんとも判別のつかない店をやっております。
ジャズ喫茶を止めてしまったわけはいつかブログにも書こうと思っていながら上手くかけない気がしてほうってあります。
このブログ自体なかなか更新せずに皆からしかられています。
ちょっと気合を入れて記事を書こうと決めたのですが続きますことやら。
こんなブログにお付き合いくださいましてありがとう御座います。
ジャズ喫茶を始めたときのオーディオは動かすに動かせないのでそのままにありますし、ご来店いただくお客様もジャズがお好きな方がほとんどです。
機会がありご来店いただけるのは大歓迎です。ぜひロリンズのお話でもしたいですね。
こちらこそよろしくお願いいたします。

2006年12月25日 Sonny URL 編集

Sonnyさん、当方のブログヘコメント有難うございました。
私も『ちぐさ』には吉田さんのご存命の折に一度だけ伺ったことがありました。近くであれば何度もお邪魔することが出来るのですが、北関東の住民ですのでなかなかその機会に恵まれませんでした。
田舎には最寄にジャズを聴かせるお店は皆無ですので、家の近くにジャズが聴けるお店があるという環境は羨ましいものです。
Sonnyさんの『NONSY』では洋酒が戴けるのですか。スピーカーはパラゴン?いいですねぇ。『NONSY』の装置で『pop wine』を聴かせて頂きたいですね。

2006年12月26日 ぬどい URL 編集

ぬどいさん、ご訪問ありがとう御座います。
ちぐさはなかなか趣のあるお店でしたね。70年前後がジャズ喫茶の絶頂期だったと言われていますので、老舗のジャズ屋のマスターも随分のお歳になるはずです。
そのせいか、どんどんジャズ喫茶も閉店していき淋しい限りです
ぬどいさんのおそばにもジャズ喫茶は無いようですが大阪とて、昼間から開いている店はほんの数軒になってしまいました。
団塊の世代が定年を迎えジャズ喫茶のようなお店を開店するのではないかなと思います。
ただ、懐メロの店でしょうからちぐさのように新譜をかける店は絶えてしまうような気がします。
どうぞ、機会があれば今のうちにジャズ喫茶にお出かけになるといいかと思います。
うちの店はわけのわからない店ですが、また来阪の折にはお立ち寄りください。

2006年12月27日 Sonny URL 編集












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「ちぐさ」の思い出

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2006年12月26日 癒しとジャズとバーボンと……