アルバムからジャケットの無くなる日  いや無くなった日




先日アルバムジャケットについて記事にしましたが、たまたまジャケットに付いて面白い話を聞きました。

アップルのiTunesが展開しているpodcastの番組の中に坂本龍一のものがあるのですがそこで彼が語っていた話です。

彼の一番下の16歳の息子さんが「ジャケット買い」というのはどういうものかと坂本氏に質問したそうです。息子さんは音楽の曲を全てダウンロードによって購入しているために、実体を持ったアルバムを店頭で手にとって買ったことが無かったのです。

なんということか! レコードを知らない若者達がいるのは知っていましたが、CDすら知らない子供達があらわれるようになっていたのです。

一年ほど前に初めてダウンロードで音楽をおっかなびっくりに購入した私には想像だにしなかったことでした。

どうやら坂本氏もこのことには驚いたようで四苦八苦しながらジャケット買いをした経験を子供に伝えたようです。


ダウンロードで楽曲を購入するということは、お目当てだけの曲目を購入することになるのでアルバムという概念すら崩壊してしまっているように思います。

CDの時代になってレコードのA面B面という概念はすでになくなってしまい、アルバムの何曲目という言い方に取って代わられています。それでもまだアルバムという概念はそこに存在しています。

片面3分間しか録音できなかったSPレコードが片面30分ほどのLPに録音媒体が取って代わったときに、ジャケットや作品の内容は必然的に変容しました。

同じ様にLPレコードからCDに録音の媒体が変遷したときにもジャケットやその作品内容は好むと好まざると変化しました。

CDからダウンロードへと音楽の提供形態が変化した結果、今度はジャケットや音楽媒体の実態すら変容しまたは消滅してしまったようです。このことは今までの音楽作品の変化とは次元が違ってしまったように感じます。

現在のところダウンロードという作品の販売形態はポップスを中心として広まってきているようです。この形態がジャズの作品にもすぐさま広まるかどうかは疑問ではあります。

只それでもジャズの作品にもなんらかの影響があるのは間違いのないことのように感じます。


今はまだ作品の一つ一つのダウンロードに対して購入という形で楽曲が販売されています。そのうちに一定の金額を支払うことによって作品を制限なくダウンロードできるようなシステムも提供されるようになると思います。

そうなれば莫大な費用と時間を費やして何千枚ものレコードやCDを購入し自宅に保管する必要など全くなくなることでしょう。

そんな日が来るのがとても楽しみなような気もしますが、本当にそれがいいことなのかといぶかっている気持ちの自分もいます。


もうすでに若くは無い年齢の私はこの変化にどのように対応して行くのでありましょうか。

他人事のように面白がっている私でした。

2007年06月12日 埋もれたCD紹介 トラックバック:0 コメント:10

足跡から来ました。

初めまして、SATOと申します。

ブログ見てくださりありがとうございました。

記事、読ませていただきました。

坂本龍一の話は初耳でしたが耳を疑う話でした(笑)

僕も、ジャケットがなくなるのが便利で良い事なんだけど、心のどこかでいぶかっています。

ジャケ買いって誰もが経験のある買い方でしたしね~。

ネット配信は確かに便利だけどなんか寂しい感じもします・・・

面白く読ませていただきました。

京橋にお店構えてはるんですね☆

近くに行く時によってみます♪

2007年06月12日 sato URL 編集

SATOさん、こんばんは。
初めまして、Sonnyです。

お立ち寄りいただきありがとうございます。
SATOさんのお歳からすると多分、レコードを経験せずCD世代だとお見受けします。
そのSATOさんにしてもダウンロードで楽曲を購入することには少なからず抵抗があるようですね。
なんだか安心しました(笑)。

私はジャズの理論に関しては全くの無理解です。
ジャズの音楽そのもののお話についてなら楽しくお話をさせていただけると思います。お店にお伺いの際はどうぞ名乗ってください。
ご来店いただけるのを楽しみにしています。

ブログにもまたお立ち寄りください。

2007年06月13日 Sonny URL 編集

こんにちわ。
私は貧乏性なので形の無い物を信用する事が出来ないのです(苦笑)。
便利さに負けてLPからCDへと移行はしましたが、そこには「物」として存在をするという大前提が有ったからです。
純粋に「音」を愛すると言う考え方からすれば邪道なのかもしれませんが、それでも手で触れた感触や目で見た感覚の無い物をどれほど信用出来るかは、自分でもわかりません。
パッケージングを含めた全てを自らの記憶と融合させて楽しんだ経験が、今の私の音楽との関わり方なので、やっぱり「物」が無いと駄目だろうと思います(笑)。

2007年06月13日 falso URL 編集

falsoさん、こんばんは。

私自身は物の形を備えた旧来のアルバムという形に愛着を感じている自分と、通信リンクさえ確保できればいつでも自由に望むべき楽曲を楽しめる環境に憧れる自分とがいるのを感じています。
音楽に関してはまだまだパソコン等でデータアクセスすることで自由自在に作品を楽しめるということにはなっていないので、実感としては想像する他ありません。

ただ、版権の切れた書籍に関しては実際に無料でパソコン上で小説を楽しめるような環境が整っています。
これにかんしてはまだまだ本という実態を持ったものでしか楽しむことをが出来ない自分を感じています。
実態のある本を手にしてページをめくり活字を追うという行為でしか読書を楽しむのは難しいようです。
これとて携帯端末の発達進化にともない不満を感じることが無くなるのかも知れません。

さてどうなることやら。ほんの数年前まではパソコンも触ることの無かった私は他人事のように面白がっています。

2007年06月14日 Sonny URL 編集

未だCD化されていない作品であるとか、長らく廃盤になっている作品などもすべてとは言わないまでも扱ってくれるのなら、アーカイヴと言う意味でも、ダウンロード販売も悪くはないかなと思います。
でも、今のところそんな様子もないようですし、自分の音楽の趣味を考えると恩恵に与れる感じではなく、未だ利用したことがありません...。

売れる商品がなければビジネスとしては成り立たないわけで、それは理解できるのですが、音楽の商品化、使い捨てがますます進んで行きそうな、そんな印象です。
しばらく傍観ですかね。

2007年06月15日 piouhgd URL 編集

piouhgdさん、こんばんは。

おっしゃられるとおり、現在のところダウンロードでなければ購入できないと言うことではないですね。
只、ダウンロードの方がはるかに費用が安いということはあるようです。
私の場合も今までの実態のあるアルバムと言う形態に愛着があるので積極的にダウンロードで購入するにはいたりません。

ジャズの場合どんどんと自費出版という形が増えているので、演奏者の立場からするとダウンロードという楽曲の提供形態が増えてくるような気もします。
いずれにせよ、新譜が自由に聴ける定料金制度が普及しない限りちょっと手を出しにくいと考えています。
ナップスターではちょっとなぁと言った感じです。

2007年06月16日 Sonny URL 編集

Sonnyさん、こんばんは。

MP3やATRACの音楽ファイルをDL購入に踏み切れない小生は当分の間は傍観者であると思います。

理由として、

◎PCの不具合でリッピングした音源を大量にパーにした経験があること。(ある意味トラウマです)
◎MP3プレーヤー等の携帯機器で音楽を聴く環境に現在はないこと。
◎圧縮音源であること。

等々ですが、今は選択肢の一つであるものがいずれは必然になっていくような気はしております。

ちなみに邦楽ですが、現在廃盤のCDの音源数タイトルをMP3で購入出来ることを確認しております(SONY系列)。でもなかなか手が出せない小心者です。

2007年06月16日 ぬどい URL 編集

ぬどいさん、こんばんは。

>◎PCの不具合でリッピングした音源を大量にパーにした経験があること。(ある意味トラウマです)
◎MP3プレーヤー等の携帯機器で音楽を聴く環境に現在はないこと。
◎圧縮音源であること。

確かにいずれの理由も実態の無いダウンロードでの楽曲を購入出来ない大きな理由ですねぇ。

可逆的な圧縮手段が提供され、かつバックアップが可能な安価なメモリ等が存在しないことには解決できない問題だと思います。
これも高速大量かつ低料金定量制の配信システムが実現すれば解決する問題ではありますが。

結局のところアルバムという形態で音楽に親しんできた世代の人々が、実態の無いデータというもので音楽に接することが出来るかが一番の問題でしょうね。

音楽は電気を通していない蓄音機から聴くのが最高なんて言っている、ピントの外れた爺さんにもなりたくありませんし……

結局面白がっている私です。

2007年06月16日 Sonny URL 編集

こんにちは。ジャズとは離れますが、先日のビリー・ジョエルの日本公演(本当は行きたかったのですが、TVを録画しました)の中で、「オネスティ」はじめとする「名曲」が収録され「ニューヨーク52番街」について、「はじめてのCDだった」と述べた後に、「最近はCDも過去のもの…」と手を振っている姿を見て、しばし呆然としました。
 小さなCDでジャケ買いが難しくなったことは否定していませんでしたが、やはりそんな時代になってしまったのですねえ。
 私も携帯電話にナップスターからダウンロードした曲を聴いて、「音、悪くないな」とか思っているので、複雑ですが…。
 いずれにしても、ためこんだCDはどうなるのでしょうか。あーあ。

2007年06月17日 しゅう URL 編集

しゅうさん、こんばんは。

ほう、ビリー ジョエルがそんなことを言ってましたか。タワーレコードがつぶれるのを見ていてアメリカの事情は想像していましたが、状況はかなり進んでいるようですね。

この先音楽配信が充分に満足のいくレベルの物になれば手元のレコードやCDは必要なくなるんだと思います。
でも、レコードやCDとして購入し愛聴してきたアルバムたちを手放せるかどうかは微妙だなと思います。
以外にあっさりとアルバムを処分してしまうような気もしますし、そうでもないようにも思います。
まぁ、そうなってからということですね。

2007年06月18日 Sonny URL 編集












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