彦八まつりで三代目春團冶に




大阪では上方落語協会の主催でこの時期に彦八まつりという落語家によるお客さんへの感謝祭が行われます。日ごろ舞台やテレビで目にする落語家さんやめったにお目にかかれない(?)落語家さんたちが、文化祭のように屋台を出しています。

開催される場所は落語に縁のある生國魂(イクタマ)神社で開催されます。先日の日曜日に出かけてきました。

この彦八まつり、どうしたわけか私は行くたびに散々な目にあいます。一昨年は境内に川が出来るくらいの突然の大豪雨にあい、パンツまでびしょぬれになってしまいました。

去年はものすごい人出と猛暑のせいでめまいがしました。


今年は行こうかどうしようか迷ったのですが、人出の少ないであろう早い時間に行くことにしました。かなり早いつもりだったのですが境内はもうかなりの人出が有りました。

落語家さんのやっている屋台でホルモン焼やらたこ焼きなぞを買い縁台の上で相方のリムスキーと一杯やることにしました。

隣に座った気のよさそうなおじさんと話をしていると、リムスキーが「あっ、三代目がいてはる」と言いました。なんと縁台のすぐそばの屋台の奥に春團冶師匠がご機嫌さんで座っておられました。


ご存知の方もいらっしゃるでしょうが春團冶は私の高校生以来のアイドルでして、上方落語の神様のような存在です。ジャズのライブには足を運ばないのに春團冶の落語会には年に数度はかよいます。

その神様たる春團冶が私の目の前数メートルのところでお酒を飲みながら、傍らの方と談笑されています。

こちとらもお酒が入っていい気分だったのですが、三代目がすぐそばにいると知るとなんだか緊張してしまいます。
 「何であんたが緊張せなアかんねんな」
そんな私を見てリムスキーが笑います。


以前から三代目が通っておられるバーへと色々な方からお誘いを受けるのですが、もし三代目がいらっしったらと思うとおちおち酒なぞ飲んでいられないからと御遠慮ねがってました。

ですが、こんな具合にこんなところで、こうなるとは。


「わたし、ちょっ行ってくるわ」
といってすたすたと春團冶師匠のところへリムスキーが歩いていきました。

おいおいと思いながら、リムスキーの後姿を追いかけると春團冶師匠にサインをお願いし、あろうことか三代目とツーショットの写真まで撮っています。

なんとも大胆な。


帰ってきて、
「お連れの人に写真撮って貰うときに『べっぴんさんばっかり写して僕を切らんといてや』て言わはった。」
と彼女は上機嫌でした。

こわいやっちゃなぁ~



落語の会へ行くと若い方はすくなくて、年配の方が多いのが普通です。今日はやけに若い人が多いなぁと思うと鶴瓶が出演していたりします。

にもかかわらず彦八まつりにはお若い方がたくさんおられて結構なことだと感じます。

大阪でお笑いと言うとたいていの場合漫才を指すようです。若い人の中には、落語と言う芸能の形態すら理解していない方も多いようです。

現今主流である漫才は演者が演じるというよりは、キャラクターを活かした素のままの芸がもてはやされているようです。


落語と言うのは複数の人物を一人の演者が手ぬぐいと扇子だけを小道具にして演じ分けます。もちろんお座布団の上に座ったままです。

観客の側は少なからず演者の姿から様々な落語上の登場人物を読み取らねばなりません。落語を楽しむのには演じられている落語の中に感情移入する必要性が出てきます。

その上落語と言うのはお芝居のような筋書きがありますので、漫才のようにその場その場のギャグを積み重ねるような笑いばかりでは有りません。

また、古典落語であれば今の世の中の様子とはかなり異なった時代が背景になります。
長屋、へっつい、大家さん、店子、いかけや、おしょうさん、船頭さん、番頭さん、でっちどん……

と言うような具合に、落語を楽しむのも今の若い方にはちょっとした慣れが必要になるのでしょう。


受身で楽しめるお笑いばかりでなく積極的に聞き入る必要のある笑いが若い方にも受け入れられるようになることを願っています。

なんだかどっかの音楽とも似たような話ですね。



三代目に戴いたサインですが、店のトイレの以前から貼ってある三代目の系図の上に貼りました。トイレに神様のサインはどうかともおもったのですが、トイレにはトイレの神様もいらっしゃると言うことで納得しました。

お店においでになったときにはちょっと気にしてやってください。

「マスター、これ春團冶のサインやろ」
といってっくれれば、その日はちょっと嬉しい気分になると思います。



2007年09月06日 ジャズではない話 トラックバック:0 コメント:2

Sonnyさん、こんばんは。

落語に関して全くの門外漢であるため、コメントを残しようがない人間なのですがお許し下さい。

ジャズ+落語の組み合わせで楽しまれておられる方が結構多いようですね。雑誌などでもそのような記事を拝見したことがあります。無知な私には解らない共通点があるのでしょうね。

田舎志向の私ですが、気軽に様々なものを楽しめるロケーションにはやっぱり羨ましいものがあります。こちらから何らかのイベントやライブに出向くとき、行って楽しむ以前に移動する大仕事があります。特に夜の催しなどは終電時間を気にしなければならない切実な問題があって、楽しんでいる最中でも意識半分はそちらの注意にとられてしまいます。

環境は簡単に変えられないので、参加したいイベントの時は毎度悩ましい状況に置かれています(笑)。

P.S. Sonnyさんのオススメされている作品を楽しませていただいております。ジェリ・アレンから始まって色々参考にさせていただきました。特にマクリーンは素晴らしいものでした。今は期待のピアノ『オリン・エヴァンス』が非常に気になっております(笑)。

2007年09月09日 ぬどい URL 編集

ぬどいさん、こんばんは。

確かにジャズと落語の両方を楽しんでおられる方のことを記事などで見かけることがあります。
私の経験ではあまりそのような方に会ったことがありませんので、きっと江戸落語の愛好家に多いんじゃないかなと思っています。
私は上方落語ばかり聴いていますが、ジャズとの共通性はあまり感じることがありません。ライブと実演との共通性はあるかなと思います。

お薦めしたアルバムを楽しんでいただけて本当に嬉しく思います。ぬどいさんにはオリン エヴァンズもきっと気に入っていただけるんではないかなと思います。機会が有れば聴いてみてください。
これからもよろしくお付き合いください。

2007年09月10日 Sonny URL 編集












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