肩身が狭い悪癖ですが……

パイプ


私の住んでいる大阪市でも御堂筋周辺地域に限ってですが路上喫煙が禁止されています。なんとも中途半端やなぁと思うのですが、まずは禁煙の啓蒙からということなのでしょうか。

タバコの害については疑うべくもないのですから、国が販売に関与している時点でいまさら禁煙の啓蒙と言うのもけったいな話ですが。

10月からは僅か1000円ですが違反者には罰金が科料されるそうです。

それほど遠くない時期に公共施設や不特定多数の人々が集まる場所は、ニューヨークのように全面禁煙になるのでしょう。


かほどにドンドンと肩身の狭くなる喫煙と言う行為ですが、私も以前は紙巻タバコの喫煙者でした。あるちょっとしたことがきっかけで8年ほど前に紙巻タバコはやめてしまいました。

ですが、もう一つの喫煙であるパイプに関しては今も続けています。結構若い時分からパイプをくわえていますので、吸い始めてかれこれ四半世紀ほどにもなると思います。

紙巻タバコと言うのは数分のちょっとした時間に吸えますが、パイプタバコはそうはいきません。

人やパイプの大きさタバコの葉の種類などにもよりますが、一旦火皿に火をつけるとだいたい40分位は喫煙を続けることになります。

いきおいパイプを吸うということは40分ほどの時間をわざわざ作って喫煙することになります。喫茶とか飲酒、音楽を聴きながらということも可能ですが、私は基本的にただただパイプをふかす行為を楽しみます。

パイプをくわえている間に煩悩に取り付かれている凡人の悲しさで、色々なことが頭をよぎったり愚にもつかない思索にふけったりします。

パイプそのものの味わいと言う物ももちろん大切なんですが、どちらかと言うとこのぼんやりとした無駄な時間が欲しくてパイプを続けているように思います。


紙巻タバコと言うのは火をつければ誰でも簡単に喫煙することが出来ます。しかし、パイプはそうはいきません。要領のいい人でもある程度スムースにパイプを吸えるようになるのは数ヶ月かかるんじゃないでしょうか。

パイプに火をつけてもなれないうちはすぐに消えてしまいます。すぐに消えてしまうもんだからいきおい強く吸いつけることになります。そうするとタバコの味はとてもきつくなり、自分の舌や口の中を焼いてただれさすことになります。

また、新品のパイプと言うのはちゃんとタバコの味を楽しめるようになるのに、ブレイクインと言う馴らしの作業が必要になります。ある程度のパイプスモーカーであっても新しいパイプの馴らし作業に失敗することもあります。いわんや初心者をやということで、パイプを一人前に吸えるようになるのは並大抵のことではありません。

多分パイプを吸おうとした人のうちの数パーセント以下の人しか吸えるようにならないのではないかと思います。


ちょっとハードルの高いパイプ喫煙ですが、一旦吸えるようになればその楽しみは紙巻タバコの比ではありません。

パイプの葉の種類と言えば、甘い香りのものや非常に辛口な物。デザートのような物から朝食、メインディッシュ、寝る前の一服に適した物など様々です。そのうえに自分自身で複数のタバコの葉をブレンドしたり、ウィスキーやブランデーなどで自在に香りをつけることも可能です。

ひとつのタバコの葉でもパイプへの詰め方や吸い方で、味わいのかるさきつさも加減できます。

またタバコを吸うための道具のパイプ自体にも様々な形のものがあり、作家の手になる逸品も存在します。また喫煙に必要なタンパーや灰皿レストなどなど魅力的な小道具もたくさんあります。

まさに趣味としても一級品であるのがパイプであります。


やっかいな入門の煩雑な手続きを諦めずにこなし、パイプの手入れも怠らずに、たった一人で過ごす時間を愛するはたからみれば偏屈なやつ。


パイプを吸う人間というのはあまり人付き合いが上手であるとは思えないですなぁ。

でも何となくパイプを手放す日は来ないような気がしますなぁ。



秋の日にぼんやりとパイプを手にしてすごす時間は至福のひと時です。



2007年09月12日 ジャズではない話 トラックバック:0 コメント:0












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