勘三郎に寛美を見た

 中村勘三郎襲名披露(午前の部)七月二十三日(金)を見てきました。今回ジャズの話ではありません。申し訳ありません。このブログを読んでくださる中に歌舞伎好きの方がいらっしゃるのを祈るばかりです。
 さて、午前の部の出し物は「寿曽我対面」で幕を開けました。ご存知の方には解説無用でしょうが、ストーリーを楽しむというよりは役者さんそのものを楽しむといったような華やかな作品です。お正月などの目出度い時に公演されることが多く、今回も襲名披露ということで選ばれた演目でしょう。 
 ならば見目麗しい若武者を並べれば様になるかというとそうでもないのです。立っているだけで様になると言うような実力を伴った役者さんが揃うことで、成立するような演目だといったほうが正しいと思います。
 残念ながら今回の公演ではさほどのいい印象を持つことはできませんでした。芝居が必要とされるような役どころの曽我兄弟についても、いまひとつの演技にみえました。今後のレベルアップを望みたいところです。男前の若武者を愛でるご婦人がたはまた違った印象を持たれたかもしれませんが。
 唯一の見所はさすがにといった感のあった橋之助さんの敵役でしょうか。
次の演目は舞踊の「源太」。はっきり言って私は舞踊のよしあしを言うレベルにはありません。これが面白いことに、うまい下手というのは素人目にも明らかに映ります。面白いことに、ジャズでもこれは同じで、楽器のうまい下手というのは誰にでもじきに分かるものです。そのでんで言わせていただきますと、当然のこととはいえ三津五郎さんの踊りのお上手なこと。早くよしあしを言えるようになりたいものです。
 さてやっとのことで、今回の主役勘三郎さんの登場で「藤娘」。これまたよしあしはおくとして、勘三郎さんの愛嬌がよくでた踊りだったように思います。しかし三津五郎さんの後に勘三郎さんの踊りというのはどういった意図なのでしょうか。
 次はお待ちかねの「沼津」。ご存知義太夫ものの「伊賀越道中双六」の名場面です。義太夫が好きだというのもあるのですが、この「沼津」には特別な思いがあります。人気のある勘三郎さんですが、私には中々自分の腑に落ちない役者さんだったのです。
 四年ほど前だったと思いますが、勘三郎さんが「沼津」平作をおやりになったときに初めて彼の魅力を見つけたような気になったのです。江戸猿若を掲げる勘三郎さんですが、その魅力は意外なことに愛嬌、稚気、エンタテーナーといったものでした。
 それは普通上方の役者さんが持つべきものの特徴とされていたからです。そう思ってからは勘三郎さんを素敵な役者さんだと感じるようになりました。義太夫ものであったことが勘三郎さんの魅力を引き出してくれたので、鈍感な私にもそれと分かったのでしょう。
 さて今回はどうかと食い入るように勘三郎さんのお芝居を見つめます。お相手役の大好きな仁左衛門さんのお芝居もまったく文句のつけようなく素晴しいものでした。勘三郎さんのお芝居も前回よりもこなれたような印象を持ちとても満足のいくものでした。
 これを言うと叱られるかもしれませんが、子供時分に見た寛美さんのにおいを勘三郎さんに感じました。ご自身のおっしゃる四分の一の上方の血がそうさせるのでしょうか。勘三郎さんの魅力をさらに確認してうれしくなり帰途に着きました。

2005年07月25日 実演鑑賞 トラックバック:0 コメント:2

ならびにコメントもありがとうございました.
「対面」に関しては同じような印象を持ったので,なんだか嬉しくなりました♪

JAZZは聴くのは好きなんですけれど,不勉強でぜんぜんわかっていないんです.
こちらでお勉強させていただければと思いましたので,また寄せていただきますね.

2005年07月29日 NAO URL 編集

Sonny
 こちらこそコメントをいただきありがとうございます。
 ジャズについては歌舞伎のようにお勉強する必要は無いと思います。ぼちぼちと気に入ったものを聴いて楽しんでいかれるといいと思います。
 歌舞伎についてはNAOさんのような見巧者の方のご意見がとても参考になります。これからもよろしくお願いいたします。

2005年07月29日 Sonny URL 編集












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