遅まきながらソニー ロリンズの新譜を ROAD SHOWS vol.1

ロード・ショー VOL.1

新譜のチェックすらままならない状況なのですが、さすがにロリンズの新譜を無視することは出来ずに買い求めました。

今回のアルバムは1980年から2007年にかけてのライブの演奏をそのまま選択して作品化したものです。聴いた感じから言うと多分当初からアルバムとして発表することを前提に録音されたものではないと思います。

演奏の録音状態はそれぞれのライブ会場のPAをそのまま反映しているようです。その為に各楽器間のバランスが悪かったり、音場が不鮮明であるトラックもあります。しかしながら聞くに堪えないといったほどでもありません。

コンサート会場での音を聴きなれている人であれば、かえってこの録音状況を実態にそくしたリアルな物だと感じるかもしれません。


グループのメンバーも四半世紀以上にわたる期間の録音とあって様々なミュージシャン達が参加しています。もっともトロンボーンの甥っ子クリフトン アンダーソンだけは不変のメンバーであります。個人的にはドラムズのアル フォスターが参加しているトラックが三っつもあることが嬉しいです。


ロリンズのコンサートのもようについて何度か記事にしたとおりで、ロリンズと言うのは演奏の出来不出来が非常に激しいのでライブ録音による作品化ということで少し不安がありました。

アルバムを聴いた結果から言えばアルバムに選択されたトラックはどれもロリンズの演奏の平均点をクリアしているように思いました。ただこのアルバムに収められた出来以上のコンサートはもっとあると感じます。


そういったアルバムの中でひときわ鮮やかに思う演奏が1曲目の”Best wishes"です。この曲に関しては文句なくライブでの最良の状態のロリンズを捉えた物だと言えます。楽曲の始まりから9分26秒最後の一音にいたるまで、まさに奔流のようなアドリブが繰り広げられています。

調子のいいときのロリンズのライブ演奏と言うものの典型がここにあるといってよいと思います。迷いやてらいといったものが全く無く、そこにはインプロバイザーとしてののぞむべきものが欠けることなく圧倒的な力と自然さで提示されています。

ロリンズの凄いところはこれらのアドリブが難解さをともなわずに、いとも自然に演奏されているところでありましょう。このような演奏の場に居合わせたならばジャズの初心者や玄人などと言ったことは関係なく、その演奏の中に感動をおぼえること間違いなしです。

私としてはこのアルバムはこの1曲目の演奏のためにだけ買っても損はしないと言っておきます。

この曲が日本の東京でのコンサートでの収録であったことは日本人にとって少し誇らしいような気がするようにも思います。ただし、拍手や歓声そして掛け声がダサいことはもうデフォルトであります(笑)。


その他のトラックのなかでは多分最後のロイ ヘインズとクリスチャン マクブライドとともにピアノレストリオの演奏に注目が集まることでしょう。

ある程度ソニー ロリンズと彼の活動期間にわたるジャズの演奏を聴いたものにとっては、このトラックが意味深い物だとして感じることが出来ると思います。しかしながら単独でこのトラックだけを取り上げて万人の方に素晴しい演奏だと推薦できるとは私には思えません。


その他のトラックに関しては先に述べたとおり良くも悪くも平均点のロリンズのコンサートがうかがえる内容だと聴き取れました。

第一集と銘打ってあるわけですからまだまだ発表すべきコンサートのもようがストックされていると言うことでしょう。その中にこのアルバムでの1曲目以上の神がかったロリンズの姿が納められていることを願っています。


多分最近のロリンズのコンサートに足を運ばれたことの無い方はこのアルバムが良い指標になることだと思います。1曲目は凄いですよ。



この記事で紹介した作品です。
ロード・ショー VOL.1



2008年12月01日 新譜紹介 トラックバック:0 コメント:2

先日、久しぶりにCD屋に行ったら、これがあって気になってました。
こういうライブものは、外れもあるかと思いますが、でもライブの様子が分かるのは嬉しいですね。

>掛け声がダサいことはもうデフォルトであります

司会は入ってないんですね?(笑)

"Tokyo 1963"ってアルバムはどうなんでしょう?

2008年12月01日 piouhgd URL 編集

piouhgdさん、こんにちは。

残念なことに(?)司会は入っていませんでした。

"Tokyo 1963"は初来日のコンサートの物のはずです。だとしたら随分昔にテープだか海賊盤だかで聴いたことがあります。
正規の発売であれば音質の改善は図られていると思いますが、記憶ではかなりひどい録音だったと思います。
日本のミュージシャンとの共演やポール ブレイがピアノで参加しているといった部分で興味はあるでしょうが、ロリンズを知るということでは当時の正規のRCAのアルバムを聴いてからでもいいと思います。
同じ1963年のライブアルバムであればドン チェリーが参加しているパリコンサートの方が聴き応えの面で推薦できます。

でも安く手に入るのなら買ってもいいですね。

2008年12月01日 Sonny URL 編集












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