BLUENOTEからのアンケート

The Complete Atomic Basie
 
アメリカのブルーノートからジャズに関してのアンケートがメールで届きました。もしかしたらごらんの皆さんにも届いたかもしれません。

英語が苦手な私は30分ばかりも苦闘しながらアンケートを処理しました。内容はどうしてジャズを聴くようになったのかとか最初に買ったアルバムは何であったかといったような設問でした。


そのような問いの中に興味を惹かれるものがありました。
それは
 The greatest jazz album of all time is:
というものでした。

この設問自体は別にどうといったものでもないのですが、面白いなと感じたのはそこにあげられていた選択枝としてのアルバムたちでした。

 John Coltrane, Blue Train          3463,1018
Horace Silver, Song for My Father    26878,5379
Chet Baker, My Funny Valentine     
Cannonball Adderley, Somethin' Else    2265,496
Diana Krall, When I Look in Your Eyes   5453,2151
Herbie Hancock, River             1964,673
Thelonious Monk, Monk's Dream       153817,11943
Stan Getz & Joao Gilberto, Getz-Gilberto  3729,681
Dave Brubeck, Time Out             1479,195
John Coltrane, A Love Supreme       10521,404
Count Basie, The Atomic Count Basie   52978,11196
Miles Davis, Kind of Blue            513,37
Other

ご覧になってちょっと面白いなと感じられたのではないでしょうか。

コルトレーンの「ブルー トレイン」はさもありなんという感じですね。当然のことながらブルーノートからのアンケートですし。

ブルーノートつながりでホレス シルバーの「ソング フォー マイ ファーザー」というのも妥当かもしれません。

チェット ベイカーの「マイ ファニー ヴァレンタイン」というのはアルバム名ではなくて曲目だと思いますが、選択は不思議とは思いません。

マイルズ…ではなかったキャノンボールの「サムシン エルス」は当然でしょうな。

ゲッツ ジルベルトもなんとなく理解できます。

ブルーベックの「タイム アウト」はなんといっても”テイク ファイブ”の大ヒットがありますから納得です。

コルトレーンの「ア ラブ シュープリーム」はこれもなるほどです。ただ、ここに挙げた12枚のアルバムの中にコルトレーンが二枚も入っているのには少し驚きです。

マイルズの「カインド オブ ブルー」は通算売り上げ枚数ジャズ第一位を誇る名盤ですから当然の選択です。


さてちょっと「へー」と思ったのはそれ以外のアルバムでして

ダイアナ クラールの「ホエン アイ ルック イン ユア アイズ」。まず綺羅星のごとき名盤の中に一枚加えられたヴォーカルがダイアナ クラールであったことに感心しました。そうエラでもなくサラでもなくカーメンでもなくダイアナ クラールであります。

ジャズを最近聴き始めたような若い方へのはからいであったのでしょうか。グラミー賞を受賞したことでもあり、ダイアナの人気は私が思っている以上にアメリカでは大きいものがあるのかもしれません。

 
ハービー ハンコックの「リヴァー」は彼の最近作です。日本人がハンコックの代表作を選んだとすればブルーノートの「処女航海」あたりになるのではないでしょうか。ブルーノート自身が選択したのがヴァーヴの作品だったことにも「ほう」と思いました。

ジャズを過去のものだとする基調が支配的な日本ではこの選択は無かったであろうと感じます。

この作品もまたグラミー賞を受賞しています。
ひょっとしたらこの選択は深い考えがあるのではなくて、グラミーを受賞しているからといった単純な理由であるかもしれません(笑)。


セロニアス モンクの「モンクス ドリーム」というのもハテナですねぇ。日本人の感覚ではリヴァーサイドの「ブリリアント コーナーズ」ぐらいが挙がるんじゃないでしょうか。


カウント ベーシーの「ザ アトミック カウント ベイシー」もちょっと不思議な感じがします。まずビッグ バンドで両巨頭である他方のエリントンが選ばれたのではなくベイシーが選択されていること。
アカデミックなものを上に見る傾向からして日本ではエリントンが選択されるような気がします。

ベイシーの代表作としては日本では「エイプリル イン パリ」か「ベイシー イン ロンドン」が選ばれることでしょう。ジャケットの図柄が非核三原則をつらぬく日本では受け入れられないということでもないでしょうが(笑)。

あそうか、今はルーレットってブルーノート傘下でしたなぁ。



てなわけで、アメリカ人と日本人の感覚に結構なズレがあるのではないかと考えて日米アマゾンのベストセラー順位を調べてみました。上記リストのアルバムタイトルの後に記した数字がそれです。日本の順位、アメリカの順位の順番です。

コメントしたとおりチェットの「マイ ファニー ヴァレンタイン」はアルバムではないので数字はありません。

上に述べたような感想を解き明かしてくれるような数字はでてきませんでした。


それは別として大きく驚いたことがあります。かねがね私が主張している「日本はジャズの理解が深く世界に誇るジャズ愛好国なのだ」と語られることへの疑念が裏付けられています。

一目瞭然。すべての作品でアメリカの順位のほうが日本の順位よりも高いのです。これは何よりアメリカのほうが日本よりジャズが愛好されている証拠ではないでしょうか。
 
これでも日本は世界一ジャズを愛する国だなんてジャズジャーナリズムは語り続けるつもりでしょうか。    ……語り続けるに決まってますな(苦笑)。


ベストセラー順位を見ていてやはり目を惹くのは「カインド オブ ブルー」の数字37位!

ジャズ部門だけではなくすべてのジャンルの中での順位であります。これはすごい数字ですなぁ。日本でも513位と健闘しています。

でも「カインド オブ ブルー」よりも上位にあるジャズアルバムが一つありました。

なんとこれまた驚く無かれ
ダイアナ クラールの「クワイエット ナイツ」!
ダイアナ恐るべし。旦那と併せてドンだけ稼いでいることでありましょう。

山下 達郎夫妻もびっくりですな。



さておき、ざっと普通に考えてチャーリー パーカーやバド パウエルあたりが挙がっていないのも不思議ですなぁ。

なーんにも考えていない米ブルーノートの新入社員がリストをつくっていたのかもしれませんな(笑)。


で私が The greatest jazz album of all time is: に対して何を挙げたかというのは内緒です。

またお店ででも直接きいてください。
やっぱり内緒かもしれませんが

こんなリストひとつであれこれと考えていた暇人のSonnyでありました。


2009年03月01日 未分類 トラックバック:0 コメント:8

こんにちわ。
私は、この12枚の内10枚を持っています。と言う事は、一般的にポピュラーなジャズ・アルバムだと言う事じゃないでしょうか。

でもナンカ、一人の人の好みとか、何か統一されたイメージとかが無いピックアップの仕方がされているような気がしてしまいます。

しかしSonnyさんが、書かれている様に「この人の1枚」みたいな選択からすると、日本とはピック・アップするアルバムは随分変わってきそうですね。

やはり、今後の販売戦略が・・・だったら自分の所のアルバムを中心にするかぁ・・・あはは、わからないです。

The Atomic Count Basieは、私も買うのに随分考えました。やはり、日本人にはイタいジャケットだと思います。

2009年03月03日 falso URL 編集

falsoさん、こんにちは。

12枚のうち10枚ももっているfalsoさんに「おーっ」と驚いています。
ちなみには私は8枚でした。その昔Sonnyは名盤の無いジャズ喫茶として有名でありました(失笑)。

さすがに「カインド オブ ブルー」は持っていますがいまだに「バース オブ ザ クール」が ……

「ザ アトミック カウント ベイシー」はこれからも買う機会は無いように思います。



2009年03月04日 Sonny URL 編集

Sonnyさん、こんにちわ。
「Sonnyは名盤の無いジャズ喫茶として有名」と言う自虐的な言葉に乗ってしまいますよ(笑)。

この12枚が(名盤の定義が難しいのですが)ずっと聴き継がれてきた(これからも聴き継がれるだろう)名盤なのかと言うと疑問が有ると思います。実際には半分くらいじゃないでしょうか。
私もこの中の半分くらいは頂いたとか中古で安かったので、とかいった感じで手に入れたものです。結果から言うと頂いたものと中古で安く手に入れたものは、ほとんど聴いていません。
頂いたり中古で市場に出回ると言う事は、それなりの量が流通していると言う事でしょうね。やっぱり、売る側の戦略が「聴き継がれる名盤」の基準を捻じ曲げている気がします。

ジャズを語る時(偏見に満ちた基準を持っていますが/笑)「聴く楽しさ」を満たしてくれたものを語りたいと思います。勿論「私の耳の意見ですが」と言う言葉を添えて。

2009年03月04日 falso URL 編集

falsoさん、
「Sonnyは名盤の無いジャズ喫茶として有名」というのは客観的に事実であるようです。ただ本人はあまり気にしていません(笑)。

時代の試金石にさらされていない近年の作品を、ベストアルバムに選ぶのはなかなか困難なことだと思います。実際に未来に作品が聴き続けられるのかどうかなぞ、八卦見でも不可能でしょう。
様々な機会でベストアルバムをセレクトするように求められますが、いつもいつも骨を折ることになります。

ジャズを聴くにしても様々な状況下があるわけで、たかだか10数枚に収めるのは無理があるといえます。
他人様にジャズを語らねばならないときには、自分の好みを優先しますが自分の通過してきたジャズの変遷を思い浮かべることが多いです。
相手が特定の方であればもちろんその方のことも考えに入れます。
ジャズを語ることは自然と自分自身をさらけ出すことになりますが、最近は開きなおってお喋りしています。

不思議なものですが音楽に関しては他人からいただいたものはあまり身に付かないような気がします。ここはやっぱり身銭を切らないといけないようです。
その割にはひとにいろんなアルバムをプレゼントしたりしているので、あほなこってすなぁ。

2009年03月05日 Sonny URL 編集

こんにちわ。

Sonnyさんの言葉は、沢山のものを聴いてきた容量の大きさや深さを感じさせる説得力のある言葉です。言葉一つ一つに「うーん」と考えさせられます。「音楽は聴くものなんだよ」と諭されている気がします。

自分の言葉が軽く感じてしまって少々恥ずかしくも有ります。まだまだ聴き足りないのかなぁ。

2009年03月06日 falso URL 編集

falsoさん、
あまりの過分な言葉に私のほうが恥ずかしくなります。かんにんしてください(笑)。

一日に10時間以上も普段から音楽を聴いているという環境なので、量を聴いているというはたしかですが理解の深さはどうにもおぼつきません。
私の本性はジャズ好きのただの酔っ払いであります。piouhgdさんはよくご存知だと思います。

falsoさんの幅の広い音楽の鑑賞力にはいつも敬服しています。これで聴き足りないとは誰も思いますまい(笑)。

2009年03月06日 Sonny URL 編集

随分と遅い反応になってしまいましたが。

>名盤の無いジャズ喫茶

素晴らしいと思います!(笑)
いわゆる名盤とされてる物って、手に入らなくなるということも少ないですし、その気になればどこでも聴けますから。
それよりも、あまり知られてないけど、良い作品を紹介してもらえる方が、少なくとも自分みたいな人間にはありがたいことです。
でも、少数派かも。(笑)
ちなみに、自分は12枚中5枚でした。

>piouhgdさんはよくご存知

え~、なんと返していいのか分かりませんけど(笑)、そんなSonnyさんをお慕い申し上げております。

2009年03月08日 piouhgd URL 編集

piouhgdさん、こんにちは。

一般的によく紹介されている名盤以外で私がよいと思う作品を紹介しても、なかなかはかばかしい反応は返ってこないことが多いです。
そういう意味ではpiouhgdさんは間違いなく少数派であると思います。

piouhgdさんも5枚もオンリストの作品をお持ちだというのだからこの選択も出鱈目でもないということでしょうね。

>え~、なんと返していいのか分かりませんけど(笑)、

って、
肯定しちゃってるのも同じじゃないですか。(大笑)

2009年03月09日 Sonny URL 編集












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