大阪のジャズ喫茶も大変だが東京のジャズ喫茶だって

たまたまですが、東京都区内の同じ老舗「有名ジャズ喫茶」へ行ってきたという
べつのふたりのお客さんからお話を聞く機会がありました。

その老舗のジャズ喫茶は結構なお客さんの入りで
相席さえもみられたとのことでした。

お一人の方にそのジャズ喫茶でかかっていたアルバムをお聞きすると
入店したときにかかっていたのが

"LOVE LOCKED OUT" (RIVERSIDE)
BEV KELLY

ヴォーカル読本などでは必ずと言っていいほど「カマトト」と言う形容詞で語られる
ベヴ ケリーのリバーサイド盤。

あまり陽の高いうちに聴く気にはちょっとなれないアルバム。

そのカマトトネーチャンのバックを
ケニー バレルやらハリー エディソンやらロイ ヘインズと言った
そうそうたるミュージシャンがつとめている名盤であります。

録音は1959年。


さて、その次にかかったのが

“WORK SONG” (Riverside)
 Nat Adderley 

ナット アダリー自身が一番稼いでくれた曲という「ワークソング」が入った
大ヒット有名盤であります。
ジャズファンならば他のアルバムは持っていなくても
ナットのリーダー作ではこれは持っているという方が多いのでは。
CMでも盛んに使われるのでジャズを聴かない人でも
聴けばあぁあの曲かと わかるはずです。

同じく有名リバーサイド1960年録音。


さて、そのまたお次にかかったのが

"Cool Struttin'" (BlueNote)
Sonny Clark

ジャズファンではなくても音楽好きならばもっている人が多いであろうアルバム。

ジャズの入門書には間違いなく掲載されているはずですし
CMにも何度も使われていてさまざまな番組中にもBGとして頻繁に流れます。

ジャケットのデザインも超有名でパロディや二番煎じは数知れず。

まさに説明不要の特筆大書のブルーノートの大名盤であります。

1958年録音



さて、その次は……

かのお客さんはあまりの選曲に苦笑いしながら
クール ストラティンがかかったと同時に退店したそうです。

そりゃそうですわなぁ
ジャズ喫茶にジャズを聴きにいこうとした現役ジャズファンとしては
こうナツメロ超有名盤を連続で聞かされては心も萎えるというものですね。

58年から60年のジャズ三大レーベルから
続けざまに名盤が三枚。

ジャズを聴き始めて三年ぐらいたったお勉強好きのジャズ愛好家のレコード棚から
無作為に三枚続けてかけたような感じの選曲ですな。
とてもジャズ喫茶のレコード係がかけたようには到底思えない……

正直、有線のジャズチャンネルの方がもう少しましかもしれません。
いや、どっちもどっちですかな。


もうお一方のお客さんに聞いても
似たり寄ったりの選曲であったそうです。





地方に比べて数多くの真摯なジャズファンが存在していると言われる東京でも
もはやジャズ喫茶の生き延びる道はナツメロ喫茶が名曲喫茶しかないのでしょう。

しかしそれでは現在進行形のジャズをも愛するコアなジャズファンにとっては
現状のジャズ喫茶には何の魅力も無いのは仕方が無いことです。
真摯なジャズファンは当然ジャズ喫茶から足がとおのいていく。

さりとてコアなジャズファンを相手に商売をしていては
店を存続させるのは不可能。

ジャズファンを自称している人たちの多くは
ジャズと言う名のついた固定化されたナツメロを
歌謡曲然として聴いているに過ぎないのですから。


かくてジャズ喫茶は
名ばかりのナツメロ喫茶に成り果てる。



さてもさても
困った話ですが

私には解決策がありません。

万事窮す!!



いやぁ、そんなことは!!!

といったぐあいに堂々巡りを続けて
いく月日という今日この頃でございます。









しかし大きな声では言えませんが
わたくしこのアルバムのうち2枚も持っていないんです。

買わないといかんよね。











2011年11月21日 象をなでながら考えるJAZZ トラックバック:0 コメント:2

こんにちわ。

一番上以外のはCDでも買いました。
(一番下しか持っていないと思ってて、確認したら持ってました/笑)

音楽を聴きに喫茶店へ入る時、そのソフトはとても重要だと思います。そのままお店のカラーになるはずですもんね。

もうひとつは、オーディオという部分も有ります。昔からひどい機械で聴いている私は、その音の良さにビックリする事が何度も有りました。
田舎でも隣近所が煩いので「大きな音で聴ける」と言う部分も重要でした。セットの良さだけではなく、音の大きさでも聞こえてくるものが違うと言う事をJazz喫茶で教えられました。

また定位置で聴かなくても楽しく聴けると言う事もすみっこばかりに座っていて思ったりしました。

色々な人にも会いました。声をかけられなくても、いつもいる人の仕草やたまにするリクエストで人となりを想像したりして(笑)。

一人で音楽と向かい合って聴くのも楽しいのですが、自分で作った空間とは違う空間に置かれるのも楽しいものだと思いました。

ジャズ喫茶やロック喫茶、レコード屋さんには、色々な音楽を教えてもらいましたし、音楽以外の事も随分教えてもらいました。

今の人にわかってもらおうとは思いませんが、Netで情報を集めNetShopで購入し、たった一人部屋に篭もって音楽を聴く、なんて事は、私には到底出来ない事です。

だって、あの頃の私の興味を満足させてもらったあの快感は、自分の必要とした情報からだけではなかったのですから。
味噌も糞も(失礼)ごっちゃに吸収するあの快感、本当に最高でした。お店の人全てに心から感謝しています。

最近は聴くのに外を見たりしながらなんて方法での音楽と自分の意識外とのミックスの楽しみ方が主になってしまっていますが、お店に行くのは今でも大好きです。買うつもりじゃなかったアルバムと出会ったりした時の快感ったらもう(笑)。


すいません、グチャグチャな文章になってしまいました。

2011年11月23日 falso URL 編集

falsoさん、こんにちは。

コメントいただいたこと、私自身もいちいちうなずくことがおおいです。

私自身のジャズに対する音楽観は間違いなくジャズ喫茶において育ててもらったことです。

いまはジャズ喫茶以上になくなってしまったロック喫茶に教えていただいたこともたくさんあります。

自分自身の好み以外の音楽を大音量で(ひどい音のところこありましたが)聞かせてもらった恩恵は計り知れません。

そうでなければ今私自身の音楽の好みは非常に矮小化されたものになってしまっていたのだと思います。

falsoさんが言われるとおりにレコード屋さんのご主人に教えていただいたことも私に多大な影響を与えたと感じています。

人に接することなく膨大な情報を得られる今の人たちはしあわせだともおもえますが、ヘッドフォーンで閉じこもって聞く音楽が楽しいとは思えないですね。

現在は硬直しがちな音楽に対する自身の感性をfalso1さんやpiouhgdさんに助けてもらっているところです。

そうおもえば今の若い人たちも音楽に対する開かれた世界があるのかもしれません。

でも実際の音に触れる場は減っているのは否めない事実ですね。

好き嫌いで聞いている音楽の世界なんてちっぽけなもんだと感じます。

2011年11月24日 Sonny URL 編集












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