大西順子の引退を聞いて秋吉敏子を想った




ホームページですでにアナウンスメントがあったとおりであれば
大西順子は最後のツアーを終えてジャズミュージシャンとしての生活を引退しているはずです。


長くジャズを聴いていらっしゃる方ならば大西順子がデビューしたころの
大変な人気ぶりを覚えていらっしゃるでしょう。

上に掲げたアルバムは当時としてはジャズ界のセールス記録をぬりかえる
大ヒット作となりました。

今で言うならば上原ひろみのようなもてはやされ方といえば
その感じを理解してもらえるのではないでしょうか。






それを知っていた人たちならば
彼女がなぜ引退をするのかいぶかしがるのではないでしょうか。

その理由に関しては上記のホームページ上で彼女自身が
簡潔に過不足無く説明をしているとおりです。


私個人としては彼女の引退を知ったときに思ったのは
「そういう具合に解決をしたんだなぁ」
ということでした。


彼女のデビューしたころの演奏からは
苛立ちというか潔癖というような感じを受けました。

インタビューやライブの様子から
とても頭のよさそうな人だなとも感じました。

その後のアルバムを聴いていて
このままであれば彼女自身が行き詰るような予感がありました。
 
賢い彼女であればジャズの本質めいたものを気づき始めれば
おのずと自分の方向性に疑問がわくのではないかなと思ったからです。


その予感どおりであったのかそれとも他の理由であったのかはわかりませんが
しばらくの後に彼女はジャズシーンの第一線から姿を消しました。



そしてその後再び彼女が公の舞台に登場したときには
かつてのダイナミックな演奏とは異なり
かなり内省的な演奏にその姿を変えていました。

そのときに
「なるほど」
と感じました。

この姿の方が前の彼女の演奏よりは
より等身大の演奏であるのだなと思いました。


自分自身の考えるジャズを体現するために
少し大きめのコンボを擁しての最近作



も方向性としては納得のいく作品だと思いました。
 

さてこれからはどこへ進むのかなぁと思っていたところへ
今回の引退の発表が知らされました。

この方向での更なる深化もあるのだろうと感じていたのですが
ここでジャズミュージシャンとしての大西順子は終了となりました。

これからもジャズとの関わりは続けるようなので
再度私たちの前に彼女が現れる姿を
どのような形であっても楽しみにしています。

ジャズに対してそして自分自身にも
真正面から対峙された大西順子さんに
大いなる敬意を表します。



さてここで思い起こされるのは
ジャズに対して長らく真摯に向き合っている
秋吉敏子のことです。



彼女は良くご存知のとおりにビッグバンドを率いて活躍されました。

その実力はアメリカ本国でも日本でも高く評価され
名実共にナンバーワンのビッグバンドとなっていました。


その彼女が突然にビッグバンドを解散し
一ピアニストとしてジャズの活動を行うと宣言したときには
とても驚きを感じました。

ジャズをピアニストとして表現することに
専念したいとの決意表明でした。

70歳を超えられての大きな決断には
大きく唸らされることになりました。

今自身が持ちえている大きな財産を
あっさりと手放して別のことに手を染めるというのは
私のような凡人には考えの及ぶところではまったくありません。



 


方向や決断はまったく違ってはいますが
秋吉敏子もジャズに対してとても真摯である感じます。

秋吉さんにもまた大いなる敬意を表します。




2012年11月12日 未分類 トラックバック:0 コメント:0












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