マイルズが行った一番遠いところ



"agharta" (col)
Miles Davis 

Miles Davis (tp,org)
Sonny Fortune (ss,as,fl)
Michael Henderson (el-b)
Pete Cosey (g,syn,per)
Reggie Lucas (g)
Al Foster (ds)
Mtume (per)


カトパンといえば加藤綾子アナ
チノパンといえば千野志麻アナ
アヤパンといえば高島彩アナ

それでは
アガパンといえば???

ハイ、ジャズファンではなくともマイルズ デイヴィス好きなら
「アガルタ」「パンゲア」と答えが返ってくるはずです。


むしろジャズファンと自称している人たちの間では
エレクトリックに傾倒したいわゆる電化マイルズを認めないという
かたくなな人たちも多いので
耳の良い音楽ファンたちにこそアガパンは浸透しているかもしれません。


ご存知でない方に少し説明足しますと
マイルズ1975年の大阪での来日公演の模様を
そっくりそのまま昼の部の記録として「アガルタ」という作品が造られ
晩の部は「パンゲア」としてリリースされました。

正規の作品ではこのアルバムを最後として
マイルズは80年の”The Man With The Horn”を発表するまで
長い間の休眠状態となります。

再活動後のマイルズはまた音楽の表現を変化させたために
長いマイルズの音楽活動の中で
電化マイルズの再後期の作品がアガパンであるわけです。


発売当時の一般的な評価は
なかなか良いものではなかったようです。

私の体験でもジャズ喫茶ではこのアルバムのリクエストは
あまり歓迎されて無かったという記憶があります。

それはひとえにこのアルバムが
ジャズという枠の中でロックというものに最接近し
マイルズの構想の中でぎりぎりにジャズ足りえているからだと思います。

これ以降の作品をとってみても
マイルズがこれほどジャズの世界の中心から
遠くへと出かけたアルバムはありません。


メンバーを見てもわかるとおりに
一般的な意味でジャズのミュージシャンといえるのは
ドラムのアル フォスターと管のソニー フォーチューンだけです。

アル フォスターはすでにこの時期のマイルズの多くの作品に参加しているので
電化路線の演奏はおてのものとなっているために他のメンバーとのギャップは感じられません、

ただひとりソニー フォーチューンのみが
それまでのジャズの枠の中での演奏を行っています。

このことから彼の演奏がこのアルバムで
あまりマッチしていないとの評も聞かれます。

私はといえばここでのソニー フォーチューンのファンキーな部分が
この作品の中で面白い持ち味があると思っています。

もう少しこのグループでの演奏があればフォーチューンも
他のメンバーとの演奏の仲で変化があらわれたのでしょうが
このあとサックスは他のメンバーに取って代わられたので
実際の作品での確認は出来ないのが残念です。


この二つのアルバムでのもう一つの特徴は
マイルズの考えるジャズというものを
ロックのイディオムを使って
極限まで演奏の自由を追求したことだと思います。

そういう自由さという意味では
この作品は「プラグド ニッケル」に並ぶ価値あるものだといえます。


「プラグド ニッケル」はそれまでに培われてきた様々なジャズの手法を利用し
各個人が完璧な演奏能力を発揮して
ジャズの自由の地平を広げた演奏だといえます。

そういう意味では演奏された作品については
すべての実権をマイルズが握っているのではなく
おのおののメンバーが触発されあいながら
空中分解すれすれのところでアルバムが出来上がっています。


他方アガパンでは
個々のメンバーのソロに関しては
ジャズの範疇を超えて自由さを最大限与えられていますが
演奏全体のストーリーテラーとしての役割は
完全にマイルズが掌握しているように聴こえます。

異なったジャズの自由さを追求した新旧のアルバムですが
これら二つの作品が聴き手にとって
最大限の努力をしいるヘビーなものであるのも共通しています。


体調の悪いときにはどちらの作品も
手に取ってみようとは思わないです(笑)。


今日はたまたまアガルタな気分になったので
久しぶりに通して4面分の演奏を聴きました。



この記事で紹介した作品です
Agharta



2013年01月28日 レコード トラックバック:0 コメント:2

なかなか大胆な書き出しですねえ。(笑)
2番目の人は、今大変そうですね...。

久しく聴いてないですが、聴きだすと不思議なことに他のアルバムも聴きたくなるんですよね。
69年の4枚組みもリリースされたことですし、久しぶりに聴いてみます。

2013年01月30日 piouhgd URL 編集

piouhgdさん、こんにちは。

69年の4枚組みというのは
れいの正規盤 ブートレッグとかいう形容矛盾しまくりのCBS盤のことでしょうか。

かなり気になってはいたんですけど
どうも新譜を買ってばかりいてちょっと忘れていました。
また今調べてみましたらけっこうおもしろそうなんで買おうかどうか思案中です。

うーん困ったもんだ(笑)

2013年01月30日 Sonny URL 編集












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