アガルタ パンゲア 正直者のマイルズについてもうすこし



マイルズのアガルタについて前回記事にしましたが
マイルズの話題についてはやはり反響がいくらかありまして
数人の方とこの演奏についてお話をしました。

そこで「アガルタ」「パンゲア」について思いついたことをもうすこし。


前回に掲げた「アガルタ」のジャケットと
今回の冒頭のジャケットは異なっていますが
どちらも「アガルタ」です。

ここに掲げたデザインのものが日本で発売された
オリジナルのレコードのものと同一です。

前回のものはアメリカで発売されたジャケットデザインです。
日本制作のものは横尾 忠則によるものです。


サンタナのこれなんかもそうでしたね。




さて話はマイルズの大阪公演に戻りますが
実際にリアルタイムでこのマイルズの公演を聴いた方たちの話を
いろいろな機会に伺ったことがあります。


残念ながら私はまだ独力でコンサートにいける歳ではなく
未聴であります。

それらのみなさんが口々に言われるのは
「ジャズではそれまでありえなかったとてつもない大音量だった」
「全編エレキの音でおどろいた」
「なんのことやらさっぱりわからなかった」
「公演について多くの否定派と熱烈な肯定派がいた」
といったことです。


マイルズが来ると聞いて
チケットを買って聴きに来たのはいいけれども
あまりの演奏にロビーに退避してタバコを吸う人も多かったようで
「どうする続き聴く? やめとく?」
なんて会話が知人間で行われたそうです(笑)。

実際にギャーギャーとオルガンを弾くマイルズにあきれて
途中で帰ってしまった人も少なからずいたようです。

聴衆の半数ぐらいは
マイルズがミュートで吹く「枯葉」なんかを
期待してチケットを取ったんではないでしょうか。


過去にさかのぼってマイルズのこれらの作品を聴いた私としては
このような電化マイルズの演奏というのはすでにいくらも発表されていたわけで
あるていどの内容の予測はついたであろうにと思うのですが。

少なくともちょっと時代は戻りますが一大センセーションを巻き起こした
Bitches Brewぐらいは耳にしていたはずでしょうが不思議なことです。


これらの事柄を踏まえて読むととても面白いのが
同封されたいるライナーに記載された児山 紀芳氏の
マイルズとのインタビューです。

なんともかみ合わない二人のインタビューが
当時の多数のジャズファンの意識を想像させます。

児「今回の公演に批判的な評論家もいるが?」
マ「別にどうってことは無い、何も感じないよ」

児「アコースティックミュージックに戻ることはあるか?」
マ「ちゃんとトランペットを生のままでも吹いているじゃないか」

児「パーカーのレコードで好きなものは?」
マ「いやな質問だね」


まるで禅問答であります。
もちろんのことですがマイルズが禅の高僧であり
児山氏が凡夫であります。

児山氏がジャズのオピニオンリーダーを自負していた
スイングジャーナル誌の編集長であったことを考えると
まったく憂鬱な気分になります。

このお人1975年にもなって
マイルズ モンクのクリスマスけんかセッションの話を
持ち出すんですぜ
          はずかしいったらありゃしない。



現在は幾分かはこれらの電化マイルズについての評価がなされるようになっていますが
旧態然としたままの意見を述べるジャズファンも数多くいます。

はい、わたしはそういうおっさんたちに
いつもうんざりとした気分にさせられます。
           °。゜(# ̄ ▽. ̄#)



このインタビューは本当にとても面白いので
是非のことに日本盤を購入して
この全文を読んでいただきたいと切に願います。

マイルズのことをへんくつなひねくれものという人も多いのですが
こと音楽に関してはとても素直な人だと感じます。

彼のインタビューを読んで
うんうんと
うなづくことばかりです。


このインタビューを読んで
まだマイルズのことをひねくれものだと感じるなら
きっとあなたはひずんだジャズ観の持ち主だといえるんじゃぁないでしょうか。

すくなくともわたしはそういった人たちと
ジャズの話はあまりしたくはないです。

             というわけにもいかないか。




2013年02月04日 レコード トラックバック:0 コメント:2

ウソみたいな話で笑ってしまいますが、聞いてる本人は至って真面目でしょうから、始末が悪いですね。

アガルタとパンゲア、久しぶりに聴いてみたのですが、集大成的でもありつつ、復帰後の80年代に繋がるようなところも垣間見えたりして、面白いですね。
でも、それもこれも後から聴いてる世代だからで、もしリアルタイムで接することが出来ていたら、果たして自分はどういう感想を持ったのか、想像できません。(笑)

ジャズに限らず、面白い音楽はたくさんありますから、いろいろ聴いてみれば良いのに、と思うこともしばしば、です。

2013年02月04日 piouhgd URL 編集

piouhgdさん、こんにちは。

>ウソみたいな話で笑ってしまいますが、聞いてる本人は至って真面目でしょうから、始末が悪いですね。

困ったことに今でもこんな感じのインタビューを時折見かけます。本当に悲しくなります。

後から追いかけて昔の作品を聴くことには
全体を見渡せるという利点も大きいのですが
演奏をありのままたのしむというのは
リアルタイムでしかのぞめないので
当日フェスティバルホールに居た人たちをうらやましく思います。

ジャズに限らずリアルタイムに産み出される音楽を楽しむには
聴き手が自由な心を持っていることが不可欠ですねぇ。

2013年02月04日 Sonny URL 編集












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