ウディ ショウ と マイルズ





"Live volume four" Woddy Shaw (High Note)

 享年44歳、夭逝のトランペッター ウディ ショウ。こういうシチュエーションに日本人は弱いと思うのですが、いまひとつ一般的な人気に乏しいように感じます。そんな人気は別として彼が残したひたむきな演奏はどれも素晴しい物ばかりです。
 彼がこの世からいなくなってしまってからすでに16年の月日がたつわけですが、ハイノートからは4枚目になる未発表ライブ録音が出版されています。いったい全部で何枚出るのか分かりませんが熱意あるプロデューサーのジョー フィールズに感謝です。
 ウディと言えばデビューアルバムのブラックストーン レガシーに代表される先鋭的な演奏がまずは思い出されると思います。真剣勝負といった感のある、切れば血が出るような手を抜くなどとと言うことはまったくありえない真摯なプレイが彼の第一の魅力だと思います。スピード感あふれるシャープな演奏は深く精神性を匂わせ、同時代のフレディ ハバードの肉体を感じさせる演奏とは好対照をなしていると思います。
 その演奏スタイルはおのずとそれを聴く者にも影響をあたえ、寝転がって彼の演奏を聴くというわけにはいかず、ちゃんと居ずまいを正して聴かなくてはという気になります。そのところが一般の人々に対して人気を勝ち得ない理由ともなっているのでしょう。
 ここで紹介するアルバムは81年当時の彼のレギュラーユニットによる演奏ですが、いつものレパートリーに加え"When lights are low","It could happen to you","Bye bye blackbird"と言ったスタンダード曲が演奏されています。ほほうっ、と感じられた方もいらっしゃるでしょう。そのとおりです、ちょっとしたマイルズへのトリビュートといった風に思われる仕上がりになっているのです。
 ピアノのラリー ウィルスなんかは、ぽんぽん機嫌よくケリー節を聴かせてくれ、聴く者をいやでもそんな気分にさせてくれます。そんな中でマイルズの思いをしっかりと感じさせながらウディがミュートでメロディを綴っていきます。
 そのことが彼の中のマイルズよりの遺産とウディにしか持ちえない吹奏とをきわだたせ、聴き応えのあるスタンダードとなっています。そしてそれらの曲の間に"The time is right","OPEC"というウディ ショウ スタンダードが炸裂し、一枚のアルバムをあっという間に聴き終えさせてしまいます。いいライブアルバムを聴いた時にいつも思うことですが、この演奏の空間の中に一人のオーディエンスとして存在したかったと切に思います。
 マイルズのマラソンセッション4部作あたりがお好きな方へもお薦めです。ぜひ一度耳になさってください。ウディのファンが一人でも増えればと願っています。

2005年09月02日 新譜紹介 トラックバック:0 コメント:0












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