白いジャズについてもう少しゲーリー ピーコックというベース


"In the Evenings Out There" (ECM)
Paul Bley (p)
John Surman (ss,bc)
Gary Peacock (b)
Tony Oxley (ds)


この間の記事でポール ブレイの演奏で
白人たちのジャズについて開眼させられたことを書きました。

そのポール ブレイの作品に冒頭のアルバム
「イン ジ イヴニングス アウト ゼア」があります。


このアルバム一応は四人のメンバーたちによる演奏となっているのですが
そろっての合奏による演奏は少なく
ソロあるいはデュオといった演奏による曲がほとんどです。

ちょっと変わったアルバム構成ですね。

ポール ブレイのピアノはもちろんの事
ジョン サーマン、トニー オクスリーの演奏も良いのですが
ここで注目していただきたいのはゲーリー ピーコックの演奏です。

そういえばずいぶん以前に彼の参加作品も記事にしています。


ゲーリー ピーコックと言えば近年の演奏で注目されるのは
キース ジャレットのスタンダード トリオでのものだと思います。

そこでのサイドマンとしての演奏ももちろん素敵なのですが
もう少し自由なピーコックの演奏を聴きたいときには
このアルバムはうってつけです。


白人ジャズのベーシストとして革新的であったとされ
夭逝したためもあって神格化された人にスコット ラファロの名が
つとに有名であります。

私としてはブレイと同じく白人としてのジャズベースを極めているのは
ゲーリー ピーコックであると感じています。


先の記事で取り上げた山本 邦山の「銀界」でも聴かれるとおりですが
ピーコックの紡ぎだすベースの音はそれまでのジャズベースとは
一線を画しています。


「銀界」を録音した当時にはピーコックは
二年にわたり日本に滞在していました。

体調と精神に変調をきたし
禅と精進を実践する為であったと言われています。
 (実はお薬をヌク為だったとのうわさも……)


その日本滞在の成果であったのでしょう
彼の演奏には琵琶を思わせるフレーズが散見されます。

彼の紡ぐベースの大きな「間」もまた
邦楽に触れた影響を感じさせます。


この「イン ジ イヴニングス アウト ゼア」での演奏からは
さらにインドのシタールやスウールバハール
それからシルクロードを渡った馬頭琴や中国のピパなど
大きな民族楽器の壮大な歴史伝統も思い浮かばされます。

日本滞在以降もピーコックはたゆまずに
様々な伝統的な音楽をも消化し
もちろん自身の個性も失わずに融合させたように感じます。


ブレイとはまた違った道をたどって
ピーコックもまた白人としてのジャズに到達したようです。

ポール ブレイと同様に
私にとっては白いジャズの神髄に触れさせてくれた
ゲーリー ピーコックに感謝しています。



いろんなジャズがあって本当に楽しいです。







2017年06月30日 埋もれたCD紹介 トラックバック:0 コメント:0












管理者にだけ公開する