ジョー フィールズにもさよならを

いよいよ年も押し詰まり一年を振り返るような記事や番組が多くみられます。

と言ったわけでもないのですが
今年一年のジャズ関連のニュースを見ておこうかと思い
海外ジャズジャーナリズムのサイトをチェックしていますと
目に入ってきた記事が

"Jazz Label Owner Joe Fields Dies at 88"

あっ  と小さく声をあげました


ジャズレーベルのオーナーと書いてありますが
彼の立ち上げたレーベルこそが愛してやまない
ミューズ であり サヴァント であり ハイノート であり コブルストーンです。


70年の半ばから本格的に同時代のジャズ作品を聴き始めた私にとっては
これらのジョー フィールズが創設したレーベルたちは非常に愛着があります。


ビバップ、ハードバップの全盛期に産声をあげた
ブルーノートの創設者アルフレッド ライオンのような知名度はなくとも
私にとってはジョー フィールズの名前は同等の価値を持っています。

彼の名前がジャズファンたちの間でそれほど有名ではないのは
70年代以降という時代もあるでしょうが
ライオンのようにアルバムのすべてをプロデュースするという
立場ではなかったからだと思います。


ジョー フィールズの名をアルバムから確認できるのは

"TUNE UP!+CONSTELLATION" (cobblestone)
Sonny Stitt


このアルバムぐらいからだと思います。
ジョー フィールズの名前はA&R(Coordinator)として確認できます。
プロデューサーにはドン シュリッテンの名があります。

ジョー フィールズ自身はプレスティッジやVerveでも活躍しているのですが
販売部門であったらしくその名前はアルバムからは確認できません。


このコブルストーンと言うレーベルですが
もともとはブッダというブルーズ ソウル系のレコード会社が
ジャズの作品を売り出すためにジョー フィールズを招聘しおこしたものです。

その後フッダ自体が左前になった時に
ジョーがそのレーベルを買い取り改名してミューズとして
プレスティッジでの盟友ドン シュリッテンとともに創設しました。

以前にコブルストーンの名義で出ていた作品たちが
ミューズのレーベルの下で発売されるのはこのような理由からです。


上記のような経緯で創設されたミューズですので
スティットの同一路線のアルバム

"12" (muse)
Sonny Stitt

が発売されるのは当然のことですね。


順調にミューズが滑り出したかに思われたのですが
ドン シュリッテンとジョーは方向性の違いから袂を分かつことになります。

ドン シュリッテンはミューズを去り
新たにレーベル"XANADU"(ザナドゥ)を設立します。

その際にミューズの作品のいくらかはドンが権利をもってでたらしく
ザナドゥでミューズの作品が発売されるのはこのような理由からです。
   うーんめんどくさい そして誰が興味あんねん(©ヤナギブソン)

"Brooklyn Brothers" (xanadu)
Cecil Payne


その後ザナドゥおよびミューズから出版されたアルバム達をみれば
ドンとジョーのジャズに対するアプローチの違いは明らかに感じます。

ザナドゥはそれまでのジャズの保守本流を行く感があり
プロデュース自体もブルーノートのライオンのように
ドン シュリッテン自身が行っています。

彼の場合プロデュースはおろか
ジャケットの写真撮影からデザインまで
果てはライナーノーツまで手掛けてしまうわけですから
アルフレッド ライオン以上の完全主義であるともいえます。


ミューズはジャズの多様性と楽しさに焦点を当てているようで
ザナドゥに比べると何が飛び出すかわからないワクワク感があります。

販売出身のジョーは統括責任者の立場であり
稀にプロデュースに関わりはしますが
複数のプロデューサーにアルバム制作をまかせて
レーベルの個性を広げています。

こういった方針は彼が在籍していたプレスティッジの在り方と
同一であり私はミューズこそがプレスティッジの後継者であると
考えています。


ドンが去った後もミューズは出版を重ねて
カタログにして500枚ほどにもなる大きなレーベルとして成長します。

ところが
ジョーはこのミューズをジョエル ドーン有する32レコードに売却します!

はて
ジョー フィールズはこれで楽隠居でもするのかな
  と思えばどっこい

新たに"Highnote"と"Savant"という
それまでに変わらぬ路線の二つのジャズレーベルを立ち上げます。

  どういうこっちゃねン  マネーゲームですかい


でハイノートもサバントも順調に楽しいジャズのアルバムを
送り出し続けています。


"I REMEMBER BROTHER RAY" (HIGH NOTE)
David "Fathead" Newman



The Adventurous Monk (Savant)
Eric Reed




この二つのジャズレーベルはジョーの息子さんのバーニーとの
共同設立ということなのでジョー亡き後も
しっかりと彼のジャズはレーベルへ引き継がれたとのだと思います。

亡くなったのも自然死であったと記事にありましたので
これはもう大往生と言っていいのでしょう。


リヴァーサイドの後ギャラクシーやランドマークを手掛けた
オリン キープニューズもすでに鬼籍に入り
ドン シュリッテンは隠居状態ですし
確実に一つの時代は去っていく感は否めないです。


70年の半ばから40年以上もの間
お世話になりました

ありがとう ジョー フィールズ











2017年12月19日 未分類 トラックバック:0 コメント:2

この間、その辺の話してましたよね。レーベルの変遷。

2017年12月20日 piouhgd URL 編集

piouhgdさん、こんにちは。

私にとってはとても重要なことなんです。
大抵の人たちはそれがどうしたのって事でしょうけど(笑)。

2017年12月20日 Sonny URL 編集












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