リーダーとしてのティモンズ発進

ティモンズの記事よりのつづき

前回まではキャノンボールやメッセンジャーズを中心とした
サイドメンとしてのティモンズの録音を追ってきました。


今回からはリーダーとしてのティモンズについてみていきたいと思います。

1954年にケニー ドーハムのジャズフロフェッツでの初録音を記した
ボビー ティモンズですが初リーダー作は1960年のアルバム

"This Here Is Bobby Timmons" (riverside)
Bobby Timmons

となりました。

時期的にはキャノンボールのグループを辞し
再びメッセンジャーズへ参加する間までのちょうど合間になります。

メッセンジャーズで多くの録音を残しているので
ブルーノートでの発売かと思えばリバーサイドからの出版です。

キャノンボールのグループでの演奏を気に入った
オリン キープニューズがすかさず契約したのでしょう。


初録音から五年以上経過しているので若干遅いような気もしますが
この時まだティモンズは24歳になったばかりの若武者です。

シンプルなピアノトリオでの録音ですが
ベースにはケニードーハムのグループ以来何度も演奏を重ねている
サム ジョーンズ。

ドラムにはジミー コブですがこれまでの録音では
ティモンズとの共演はありません。

サム ジョーンズとジミー コブはウィントン ケリーその他で
接点があるのでそういった経緯での参加でしょうか。

もしくはオリン キープニューズがウィントン ケリーのアルバム製作で
気に入っていて選んだのかもしれませんね。


すでにヒット曲として認知されていたであろう自作の
"This Here"
"Moanin"
がA面の頭から続けて演奏されます。

もう何度も演奏された自作曲が手堅く自家薬籠中のファンキーチューンとして
演奏され ティモンズの初リーダー作での名刺代わりのあいさつ言ったところ。


続いて
ストレイホーンの"Lush Life"がピアノソロで奏でられていますが
テーマのみでバラードとして短く収録されています。

ファンキーチューンが二曲続けて収録されたので
チルアウトというかインタリュード的な演奏です。 


4曲目はスタンダードの"The Party's Over"

若干ファンキーな味付けでテーマが始まりますが
アドリブパートはパウエル直系のビバッパーとしての実力を
遺憾なく発揮し快調に飛ばします。

ファンキーピアニストとしての評価の高いティモンズですが
基本的にはビバップ奏者としての奏法が根底にあることがよくわかります。


A面最後はエリントンの手になる"Prelude To A Kiss"

先ずはピアノのみでバラードとしてテーマが演奏され
続いてベース ドラムが入ってのトリオでアドリブとなりますが
短くまとめられてA面の終了を告げます。

先の"The Party's Over"で聴かれたとおりに
ここでもパウエル直系のビバッパーとしてのバラード演奏です。

ちょっとつんのめるようなティモンズ特有のフレーズの歌わせ方が
所々に感じられますがこの曲だけを聴いて
ティモンズの演奏だと当てるのはちょっと難しいかもわかりません。


B面に替わって先ず演奏されるのは
これも自作のファンキーナンバー"Dat Dere"

2曲目が少し意表を突かれた感じがする
"My Funny Valentine"

さきほどティモンズの事をビバッパーであると記しましたが
テーマから左手も存分に使ってクラシカルにメロディーを
雄弁に謳わせます。

そかからよく考えられたビバップのアドリブ演奏となりますが
ここではティモンズらしさが良くあらわれていて見事です。

個人的にはクラシカルなテクニックも披歴し個性あるアドリブも発揮した
このナンバーがアルバム中の白眉だと感じます。


つづく曲"Come Rain Or Come Shine"は
メッセンジャーズでも愛奏されるナンバーでしっかりと。


最後に演奏される"Joy Ride"もまたティモンズの自作曲ですが
これまでもこれ以降も録音されることのない曲です。

内容はと言えば少しファンクなバッパー達がグループのテーマとして
使ったような曲調です。

コンサートの終局としてメンバー紹介と共に演奏される感じと言えば
伝わるでしょうか。

ということでアルバムは終了。



サイドメンの演奏としては
サム ジョーンズはこの時期としてはベストと言える内容。

ジミー コブもかっちりとした軽量級のフィリー ジョーンズのような
演奏で好演。


録音もサム ジョーンズのベースを肥大させることもなく
ピシッと捉えてジャック ヒギンズが好録音。

ジャケットには御大ポール ベーコン。


オリン キープニューズの愛情がふんだんに注がれた
デビュー作となりました。



曲の選択やリハーサルも含めて十分にねりあげられて
作成された様子が伺えます。

まさしく
This Here Is Bobby Timmons

★三つです

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