"Never let me go"ですけどJRのお話


"...And A Little Pleasure" (reservoir)
J.R. Monterose,Tommy Flanagan


リビングストン アンド エヴァンズの「ネヴァー レット ミー ゴー」について
前回記事にしたのですが書き終わってからあれもこれも紹介しとけば 
と思ったので今少し。


JR モンテローズとトミー フラナガンによる演奏を紹介しようと思うのですが
その前にJRのお話。

JR モンテローズによく似た名前のジャック モントローズという
これまた白人のテナー サックス奏者がいまして
よく混同された記事を見ます。


JR モンテローズのJRまたはJ.R.と表記される部分ですけれども
これはジュニアの略称を意味しています。

このJRのJの部分をジャックの略だと勘違いしてか
ジャック モントローズと混同されるのかもしれません。


この二人、同じくデトロイト出身で生年も一年違いと
よく似ています。

ただJRのほうは生後すぐに家族はNYへと引っ越していますので
ほぼニューヨーカーといってよいです。


実際の二人の演奏を聴いてみれば全くの別人であるのは
すぐに了解されるはずです。

JRのほうは白人ですが演奏を聴く限りでは
真っ黒けっけのゴリゴリのハードバッパー。

他方ジャック モントローズのほうはウエストコーストらしい
軽々とした演奏で間違えようのない別人28号です。


JRの紹介記事でラスベガスで働いていたとか
アレンジャーとしても有名であるとかいった記事を見ますが
それは全くの誤りでジャック モントローズの経歴です。

多分両者の演奏をきいたことが無いので
こんな誤りをするのでしょうが結構散見されるので一言。


さてJR モンテローズですが音色は固くて少しいぶされた感じで
ゴリゴリと男性的なテナーサックスで
初めジャズ喫茶でブルーノートの作品を耳にしたときには
てっきり黒人の演奏者だと思いました。

店に掲げられたブルーノート盤のジャケットを手にして
不思議そうに見つめる私に向かってマスターが一言
「黒人よ」

それ以来私は人種ではなく演奏で黒いという事を
改めて認識したわけです。
  氏より育ち


このJRですけれども一般ジャズファンはいざ知らず
ジャズ喫茶に日参するような人たちの間ではなかなかの人気です。

ところがJRの残した作品はどれもこれも幻の入手困難盤ばかり。








これでもか と言わんばかりの超入手困難盤のオンパレード

数々のジャズ喫茶を巡ってもJRの作品を聴けることはほとんど皆無。

せいぜいがブルーノート盤かジャロのザナドゥ再発盤を聴けるくらい。

ジャズ専門の中古レコード店でも見かけることはまれで
あったとしても数万円から十万台と超高額で買えるはずもなく
指を咥えて見るだけの私でした。


1980年に入ってプログレッシブやアップタウンと言った
マイナーレーベルからJRの新譜が発売された時には
大喝采を叫び飛びつきました。

その後ジャロやパラディソなどの希少盤も復刻がなされて
JRのアルバムも少しは聴くことができるようになりました。

現在は当時に比べればJRモンテローズの作品も
形態を気にしなければ容易に楽しめるようになり
これはこれで良い時代になったと感慨しきりです。



さて冒頭にあげたアルバム"...And A Little Pleasure"ですが
先にのべた80年代初頭に発売されたアップタウンレーベルの作品です。

この作品もまたもやと言うべきか入手困難になっていたのですが
レザヴォワ盤で少数流通しているようです。


トミー フラナガンとJRのデュオによるバラード作品集になっています。

ゴリゴリとした力強い演奏が際立つJRの作品が多い中で
彼の歌心あふれる演奏がクローズアップされた素敵な作品です。

トミー フラナガンの真価は歌の伴奏者で発揮されると思いますが
デュオでの登用はまさにドンピシャリ!

JRの演奏につかず離れず
受けに回るところは受け
前に出る時には存分に
さすがはフラナガン。

JRはこの時期ソプラノサックスを吹くことがありましたが
この作品ではバラード集という事もあり好印象を感じます。


このアルバムでの
「ネヴァー レット ミー ゴー」
作品冒頭でとてもこころに残る演奏になりました。





この記事で紹介したアルバムです
"...And A Little Pleasure"




2018年05月14日 埋もれたCD紹介 トラックバック:0 コメント:0












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