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ブルーノートのお蔵に眠っていたピアソンとクロスビー=フォーニエの共演

今少しアーマッド ジャマルの黄金のリズム隊
イスラエル クロスビーとヴァーネル フォーニエのお話を

さきの記事で紹介した通りアーマド ジャマルのリズム隊を従えて
ピアノの演奏をしたミュージシャンにジョージ シアリングがいます。

ではその他には彼らをリズム隊としたピアニストはいなかったのでしょうか。

実は他にもう一人クロスビー=フォーニエと共に演奏したピアニストがいます。

そのピアニストとはデューク ピアソンです。
しかもその記録はしっかりとブルーノートにより記録されました。


少しばかりブルーノートのディスコグラフィーを齧った方は
  クロスビーにフォーニエが入ったブルーノート???
と不思議に思われるかもしれません。

そのブルーノートのセッションはお蔵入りになってしまい
マイケル カスクーナによる発掘盤が後年発売されるまで
人々に知られることはありませんでした。

"The lost sessions" (bluenote)
Various


このアルバムにはマイケル カスクーナが
ブルーノートの多くのお蔵入りセッションから
興味深いものを選んで製作したものです。

当該のデューク ピアソンのセッションからは三曲
"For All We Know"
"I See Your Face Before Me"
"Sweet Slumber"
が収められています。

二番目の曲以外にはアイク ケベックのテナーが参加しています。
録音年月日はJune 26, 1960


ここでブルーノートに詳しい方は「ほうー」と関心を持たれたのでは?
そうブルーノートのA&Rを担ったふたり
アイク ケベックとデューク ピアソンが共演しているんです。
   うふふ おたっきー  
   誰が興味あんねん(©ヤナギブソン)


さてと演奏の内容ですがどうも今一つ
ピアソンとリズム隊がしっくりいっていない様子です。

ピアソン自身がいつも通りにメロディーを謳わせる様は素敵です。

この人はごくメロディーを浮かび上がらせることに長けていますが
多くのアフロアメリカンが持っているソウルフルなところやファンキー感は
あまり強調されることがありません。

そこらへんが一部のジャズピアノ愛好家に偏愛される理由でしょう。

ならばジャマルのリズム隊とも相性が良さそうですが
じっさいにはそうでもありません。


ピアソンのピアノはことさらソウルフルではないのですが
メロディーに体幹の強さを感じさせるような強靭さがあります。

その辺が間を活かすことが特色であるクロスビー=フォーニエと
そりが合わないようです。

フォーニエのドラムについてはそれほどでもないのですが
イスラエル クロスビーのベースはちょっとやりづらそうな感じです。

強力なスゥイング感を追い求めるアルフレッド ライオンの価値観とは
かなり隔たりがあるようでこのセッションがお蔵入りになったのは
むべなるかなだと思います。


この演奏もいつもながらイングルウッドのヴァン ゲルダーのスタジオで
録音がなされているのですが
そもそもシカゴをベースにジャマルのリズム隊を務める二人が
どのような経緯でピアソンとブルーノートで録音を残すことになったのか
全く不思議です。

一体何の綾でありましょうや
知りたいものですなぁ


このセッションについてあまり芳しくないような感想を書きましたが
素晴らしい美点もあります。

それはアイク ケベックの歌心あふれるソロ。

アイク ケベックは本セッションの前まで長らくの間
演奏をすることは無かったのですが久々の録音でも
彼の演奏は絶好調。

彼のインターバルや時代の移り変わりは全く問題に感じられず
ケベックが素晴らしい個性の触れるミュージシャンであることが
証明されています。

一聴の価値大いにありです。



この記事で紹介したアルバムです
ザ ロストセッションズ




P.S.
先の記事でも紹介しイスラエル クロスビーがミード ルクス ルイスと残した
ブギーウギーのアルバムはブルーノートが製作したものです。



2018年07月09日 埋もれたCD紹介 トラックバック:0 コメント:0












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