ジャマルもラムゼイもシカゴで「エイ コーラ」と船を曳く

「ボルガの舟歌」という題名はご存知なくても
「エイコーラ エイコーラ もひとーつ エイコーラ……」
という掛け声であの歌かと思いつくと思います。

この「ボルガの舟歌」ですが記憶をたどると
初めて聞いたのは人形劇テレビドラマのひょっこりひょうたん島
ではなかったのかと思うのですが

なにせ幼稚園にあがる前の事で定かではありません。


「ボルガの舟歌」ですがロシアのトラディショナル(民謡)で
船曳歌として世界中に知れ渡っています。

ボルガ川を船でさかのぼるためには発動機などの無い昔のこと
川岸の労働者が綱で引っ張り上げていたわけです。
 淀川の三十石などと同様ですな

重量のある船を多数の人間が力を合わせて船を曳くのに
「エイコーラ」と声を合わせるために歌った労働歌が
「ボルガの舟歌」というわけです。

ちょっとこの「ボルガの舟歌」について調べてみると
もともとは農民たちの労働歌であったのが
後に船曳歌に転用されたものだそうで面白いものですね。

今となっては舟歌にしか聞こえません。


こういう労働歌というのはハラーなどと呼ばれてジャズのルーツの一つですが
「ボルガの舟歌」がジャズに取り上げられることはそれほど多くありません。

ですが良く知られている曲だけにアルバムに収録されていると
記憶に強く残っています。

アメリカではジャズとしてはグレン ミラー オーケストラによる録音が
大ヒットしているのですが日本ではそれほど有名ではないと思います。


私が知っているジャズの「ボルガの舟歌」はどちらも
アーゴレーベルのものです。

しかもアーゴの二大看板ピアニストである
アーマッド ジャマルとラムゼイ ルイスの作品です。


Ahmad Jamal Trio ‎– Count Em 88
"Count 'Em 88" (argo)
Ahmad Jamal

アーマッド ジャマルの「カウント エム 88」

1956年発売の作品でベースには盟友イスラエル クロスビー
ドラムはウォルター パーキンスです。

ジャマル版「ボルガの舟歌」ですが当時のジャマルらしく
大きくダイナミズムをつけながら軽やかに旋律を奏でます。

典型的なジャマル節全開で快調に飛ばします。

エンディングでピアニッシモに絞っていき
そのままエンディング
あっぱれ アーマッド ジャマル

とてもおしゃれでしかも省エネで労働歌には
ちょっと不向きでしょうな(笑)




The Ramsey Lewis Trio ‎– More Music From The Soil
"More Music From The Soil" (argo)
Ramsey Lewis

ラムゼイ ルイスの「モア ミュージック フロム ザ ソイル」

こちらは1961年のリリース
ベースにはエルディー ヤング
そしてドラムにはレッド ホルトの黄金のトリオ。

出だしは土臭くいかにもハラーらしく演奏が始まります。

途中からはどんどんとファンキー度が加速し
労働していた人々も踊ること必定のダンサブルな演奏
 ここら辺猫のフェリックスでアニメ化したのを見てみたい


エンディングでは「カルメン」のクオーテーションもはさみながら
ジャマルよろしくだんだんと音を絞っていき……
そのまま完了かと思いきや
一転力強く一声はりあげ「エイ コーラーッ」
マックスで ズドンと終了。

こちらも当時のジャマルトリオの魅力満開な演奏。


ラムゼイが受けたジャマルの影響が興味深くも
それぞれの当時の二人の個性が際立った
楽しい「ボルガの舟歌」であります。





この記事で紹介したアルバムです
カウント エム 88
モア ミュージック フロム ザ ソイル



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