be-bop lives Alfieのピアノ



"Alfie with Mike Boone and Eddie Jones" Alfred Pollitt (PTME)

 ジャズをお勉強する方はジャズを歴史化することによって理解しようとすることが多いようです。どうやら最近また新しい側面からのジャズの歴史を語ることがはやっているようで、いろいろな人がジャズの歴史を私に語りたがります。
 ジャズの歴史を勉強することにより様々な作品を頭の中に整理することはできますが内容を理解することにはなりません。日本料理の歴史を勉強したとしてもそれで料理のおいしさがわかるようにならないのと同じことです。当たり前のことですがこの点を混同する方が多いのです。
 ジャズの歴史を勉強することによって作品を理解することなどできないのは明らかです。しいて言えば、作品の理解の手助けぐらいにはなるかもしれないですが。
 もう一点誤解されがちなことですが、歴史というのは時代の変化を追っているもので全ての事象が時代により変化するものではないということです。40年代にチャーリーパーカーがビバップの演奏を行ったからといって多くのミュージシャンがスイングの演奏をしていたというのも事実です。70年代に全てのミュージシャンがフュージョンを演奏したわけではなくずっとバップの演奏を続けているミュージシャンも数多くいました。全ての現代の日本人がハンバーガー好きなわけでもなく、私の父親がいまだにチーズを食べないのと同じ様なものです。
 お勉強の好きなリスナーは実際の音楽を検証することもなく、歴史観によって誤ってジャズを理解したつもりになる過ちを犯しがちです。ジャズを理解し楽しむことは、実際にジャズそのものを聴くことによってしか成し得ないということを良く解ってほしいなと思います。

 今回ここに紹介するのはアルフィーと呼ばれるミュージシャンのものです。この作品を耳にするまでアルフレッド ポリットというピアニストを知らなかったのですが30年に及ぶキャリアがありジャズよりもR&Bでは名が通っている人のようです。
 ドラムスのエディ ジョーンズは少しばかり知られた存在ですがマイク ブーンというベーシストもあまり耳にしない人です。全編オリジナルの作品でアルバムが構成されているため、みずてんで買うのは少し勇気がいるかもしれません。
 私も購入してわくわくした気持ちと不安な気持ちが半々でCDの再生スイッチを押しました。いきなり子供の声が聞こえてきてそれに答える父親らしき人との会話が…   こりゃいったいなんじゃいなと思ったのですがどうやら父親(アルフィーらしい)がジャズとはこういったものだと演奏で説明するといった趣向のようです。
 いよいよトリオの演奏が始まるとこれが中々年季の入った様子のバップピアノ。そしてところどころにマッコイのような左手の和音が聞こえます。曲そのものも中々の出来で、快調にスイングしていきます。サイドメンとの息もぴったりと合っていていつも一緒に演奏しているのではないかなと思わせます。これでいっぺんにこのアルバムが当たりだったなと感じました。
 次の曲に入るとミディアムテンポの、これが今にも歌詞が出てきそうなメロディアスな曲でソウルっぽいこぶしも入って心をつかまれます。
 その次の曲がいかにもウィントン ケリーが作りそうな軽快な曲想で、ギャロップするようにアルフィーとサイドメン達が楽しそうに演奏しています。
 ここに至ってこの作品は私の中での佳作として認められるようになりました。この後に続く曲もそれぞれ良くできたものばかりでした。作曲も良くしソウルフルなバップピアノということで演奏スタイルは少し違うのですが70年以降のウォルター ビショップを思わせるピアニストです。 
 うなるような名盤ではないのですが、時を選ばずに気軽に楽しめる作品に仕上がっていると思います。多くのパップピアニストが亡くなっていく中で新しくいいピアニストを見つけ本当に嬉しくなりました。


2005年10月21日 新譜紹介 トラックバック:0 コメント:0












管理者にだけ公開する