聴き放題は本当にお得か

うにめし

私の青年時代とは音楽を購入し楽しむ方法は大きく様変わりしました。

レコードを買いプレーヤーにセットし楽しむ
から
CDを購入して楽しむ
そして
ダウンロードで購入しスマホで楽しむ
それから今や
月額聴き放題のストリーミングで聴く

とまぁ このような具合に変化してきました。

結果音楽を月々1000円程度の出費で
ジャズの半数位の楽曲を自由に楽しめるようになりました。


これはもう昔と比べれば雲泥の差があります。

なけなしの小遣いの中から何とか2800円を捻出し
迷いに迷ってせいぜい月に数枚のレコードを購入する
から
たった月々千円で大半のジャズを手軽に楽しめるわけですから。


ヴァラエティーに富みしかも100年ほどの歴史のあるジャズを
自由自在に聴き漁れるという夢のような現実。

自分が気に入るジャズを見つけ出すのにこれ以上の環境はありません。

であれば今の若い方はいち早くジャズのコアな面白さに行きつけると思えます。


ところがお若い方とお話していて気付くのは
ジャズ特有の楽しみになかなか気付いていないのではないかという思いです。

ジャズを音楽として楽しむのに歌謡曲やロックと同じように自分の好みで
聴くというのは入り口としてはもちろん誤りではありません。

しかしフックと呼ばれるようなつかみが楽曲に練り込まれ
すぐさまその楽しみを享受できるようなポップスとは異なり
ジャズは聴いてすぐに楽しめるようになるとは限りません。

よくはわからないけれどなんだか気持ちに引っかかる部分があるなと思い
注意深く聴いたり
何度も繰り返して聴くことにより良さがわかるようになることも多いのです。

というより何年もの間ジャズを聴いてきた人にとっては
幅広いジャズのある程度の範疇を楽しめるようになるには
反復と結構な時間がかかると知れているはずです。


ここで問題になるのが安価な定額での聴き放題というシステムです。

様々な音楽をとっかえひっかえ聴こうが
何度も同じ楽曲を繰り返して聴こうが料金は同じです。

初めて聞いてみた音楽がきにいらないとなれば
すぐに別の音楽を試してみるようになるのは当たり前のような気がします。

別の音楽を聴いて気に入ればそれだけ
時間の節約になると考えるのも自然です。

なにも無理をして気に入らない音楽を聴き続ける必要などないというわけです。

というわけで次々に新しい音楽をとっかえひっかえ聴くわけです。.

こういった行為がエスカレートしますと
ちょっと新しい音楽を聴いてみて気に入らなければ
最後まで聴かずに別の音楽へと移ります。

食べ放題のバイキング料理を手当たり次第に皿に盛り
気に入らなければ残してしまうようなものですね。

これでは自分の好き嫌いは変わらずに
自分の楽しみを広げていくのは困難になります。


こういったテレビをザッピングするような方法でジャズを鑑賞していては
なかなかジャズの楽しさの本質には行きつくは難しいです。

ジャズには歌謡曲のような楽しさもありますが
それ以外のジャズにしかない楽しさが多くあります。

それらのジャズにしかない固有の楽しさに行きつくには
繰り返して楽曲を聴くことが必要です。

そして自らの感性を広げていくことが大切です。
   それこそが豊かさ


先に書いたように安価ではないレコードを購入し音楽を聴いていた時代には
そのアルバムがすぐに好きにならなくても繰り返し聴くとになりました。
   だってせっかく大枚をはたいたアルバムをすぐに放り出すわけにはいきません


また様々なジャズを良いリスニング環境で聴くために
ジャズ喫茶へ通うことも普通でした。

ジャズ喫茶では自分の家でジャズを聴くのとは大きく異なり
マスターがチョイスするので自分が気に入らない音楽だってかかります。
   他人のリクエストも当然あります

ここでも自分の偏狭な好み以外の音楽に多く触れることとなります。


現在のジャズをきくのに恵まれたと思える定額聴き放題のシステムが
実はジャズを楽しむには大きな問題を孕んでいると言わざるを得ません。

便利は不便
遠回りは近道

そんなことを考えている今日この頃でございます。











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