ギタリストですがバリー ハリスの愛弟子です



"Backyard" Roni Ben-Hur (TCB)

 若手ミュージシャンのプロフィールに「バリーハリスに師事する」といった記述を良く見かけます。ほほうっと思いその方の音楽を拝聴すると、ビバップのかけらも無く、いったいどこにバリー翁の影響があるのかしらんと思うことがほとんどです。バリーは後輩の指導に熱心でジャズ演奏についてのテキストも何冊か書いているようです。
 それにしても彼の弟子を名乗る人がが多すぎやしないかと思っていたら、その謎をNY在住のミュージシャンが解いてくれました。バリーはワンポイントレッスンを数ドルの料金で希望する人達に行っていたそうです。1回5分から10分程度で、そのレッスンが行われるときにはミュージシャンを志望する者の長蛇の列が出来ていたそうです。バリーに師事したと主張する方の全てがそのようなワンポイントレッスンの受講者では無いでしょうが、その話になるほどなあと納得しました。
 師匠弟子の関係というのは通い住み込みの別はあるにしても、師匠の鞄持ちに身支度の手伝い、楽器のセッティングといった状景を思い浮かべるんですが…古すぎますかね。いずれにしても師匠の面影をうかがわせる位の演奏は欲しいような気がします。
 ここに紹介するロニ ベン-ハーのギターをはじめて聴いた時は本当に驚きました。ギタリストなのにそのフレージングやニュアンス、間の取り方等がとてもバリー ハリスのピアノにそっくりだったからです。その上その音色からはバリーの持っている暖かさまで聴こえてくるのです。いやぁ思わず唸ってしまいました。
 ホーンライク(金管奏者のよう)なと形容されるギタリストは山ほどいます。それを一番感じさせるのはグラントグリーンでしょうが、ピアノのようにと形容されるギタリストは寡聞にして知りません。楽器の機構からしてもピアノとギターではまったく異なるのですから、ピアノのようにギターを弾くというのは技術的にも困難だと思われます。それでもベン-ハーのギターはバリーのピアノの面影をはっきりとうかがわせるのです。
 このアルバムではビバップの生き証人たるベースのライル アトキンソンにドラムスのリロイ ウィリアムス、そして師匠のバリー ハリスが共演しています。ビバップの演奏をしようとするのならもうこれ以上は望めない素晴しいメンバーです。彼のデビューアルバムに師匠が送った最上のサイドメンであったのでしょう。
 演奏される曲はモンク、バリー、ロリンズ、といったミュージシャンのものに自作曲とスタンダードです。デビューアルバムにありがちな気合の入った演奏を望む人は肩すかしを喰らうでしょうが、ゆったりとしたくつろげる暖かい演奏がアルバムにたっぷりと詰まっています。
 ゆっくりとした時間をジャズを聴きながらすごしたい方にまさにうってつけのアルバムです。もちろんバリー ハリスのピアノアルバムがお好きな方には気に入ってもらえることを請合います。
 
 私はこのアルバムのジャケットがとても好きです。おじいちゃんと親戚の大叔父さんに囲まれて、就職を祝ってもらっている大学生といった感じがするんですけどね。なんだかこのジャケットだけでほのぼのしてしまいます。


この記事で紹介しているアルバムです。
BACKYARD




2005年11月17日 埋もれたCD紹介 トラックバック:0 コメント:3

silverはsonnyと就職しなかった。

2005年11月24日 BlogPetのsilver URL 編集

こんにちわ。
いつもドッキリするような書き込みありがとう御座います。自分でわかっているつもりでも本当は「つもり」なだけの事も多々有ります。書き込みを読んで、一考したり段ボール箱をひっくり返したりしております(笑)。

Barry Harrisの名前も以前何処かで見た気がするのですが、勘違いかもしれません。
Roni Ben-Hurは、初めて聞く名前です。

実はジャズ・ギターもイマイチの人間でして、ギターはBluesから入って行ったので、どうしても「ブルージー」なだけでは物足りなかったりしてしまいます。ジャンゴやジム・ホール、ケニー・バレルなども彼ら名義は数枚づつしか聴いた事が無いですし、今人気の有るジョン・スコ等も同じ様なものです。

音楽に関しては極めて偏見を持った聞き方をしているようです(苦笑)。

2005年11月25日 falso URL 編集

falsoさん、ご訪問ありがとうございます。
けったいなコメントでお騒がせしております。バリー ハリスは地味な人でそれほどの知名度はなかったのですが、近年彼ほどのベテランバッパーは少なくなり注目を浴びています。ベン-ハーに関しては日本ではほとんど無名に近いのではと思います。記事にあるとおり大変個性的なギターですのでご一聴下さると嬉しく思います。
 falsoさんの音楽に対する幅の広さにはいつも関心していますので偏見というよりは、しっかりとした好みがおありなのだと思います。音楽は楽しむものだという点で共通の認識があるのではと、とても親しいような気持ちがしています。

2005年11月26日 Sonny URL 編集












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