ロン ヘインズ 驚きのデュオ



"2 Man Crew" Ron Haynes(Prosper)

 ジャズの演奏では最小の単位でもリズム隊と呼びならわされるピアノ、ベース、ドラムスが参加していることが普通です。それにはそれなりの理由があるわけでそのうちのひとつの楽器でも欠けるとジャズの演奏はなかなか難しくなるものです。ピアノの替わりにギターが参加したりと言った交換の利く楽器が参加することはままあることです。
 デュオつまり二人だけで演奏する場合は演奏がかなり難しくなるのは間違いありません。デュオという形態を採る場合、たいていの場合ベース又はピアノと他の楽器という組み合わせを採ることがほとんどです。これらの楽器はコードの提示を行う事が出来ますし、メロディを奏でることも出来ます。これらの楽器としての能力の広さがピアノ又はベースがデュオで用いられる大きな理由だと思います。同じ理由からギターがデュオで使われることも多いと思います。
 しかしここで紹介するデュオのアルバムはトランペットとドラムスという編成です。この編成だけを見るとたいていの方はフリーの演奏ではないかと想像すると思います。私も初めはそうではないかなと思ったのですが、内容はとてもダンサブルでファンキーな演奏が収められていました。
 トランペットはフルに鳴りわたりドラムスもかなり高めにチューニングされた音で迷いの無い音を響かせています。実際のところほとんど知らないミュージシャンのデュオということでそれほどの期待は持っていませんでした。ところが私の期待をはるかに上回る演奏内容で嬉しい誤算となりました。
 デュオという構成上それぞれの楽器の持つウエイトはとても大きいわけで、それぞれの奏者が他の奏者に頼らず自分自身の足でしっかりとした演奏を行わないと音楽はいとも簡単に破綻してしまいます。トランペットのロン ヘインズもドラムスのヴィック ベーカーもそれぞれ大地を踏みしめるようにしっかりと立ち、自信にあふれた演奏を繰り広げています。
 ロン ヘインズのトランペットのピッチの確かさタンギングの自在さ良くなるまさにトランペットらしい音。これほど素晴しいトランペッターをノーマークにしていた自分自身の不明を恥じたい気がします。ヴィック ベーカーにいたっては全く知らないドラムスでしたが、一音一音に無駄が無く個性あふれる演奏振りでこれまた脱帽です。
 曲の構成がとても良く考えられていてそのうえに楽器が上手いということで、単に良く出来たアルバムという結果であったかも知れない演奏。ですがこのアルバムは私をここしばらく味わったことも無い新鮮な気持ちにさせてくれました。
 二人の演奏に共通する点が2つあります。楽器が非常に上手くとても思い切りよく音を出すこと。もうひとつはとてもグルーブあふれるノリを持っていることです。この点により演奏が優等生的な演奏にとどまることもなく、勢いにまかせただけの演奏にも終わらないアルバムを作り上げたのだと思います。
 ジャズにかかわらずノリのよい勢いあふれる音楽を好む方に強くお勧めしたいと思います。多少手に入れにくいと思いますが、一度大きめの音量で聴いていただければと願います。
 次回にはこの二人にガンガンぶちきれたフレーズを繰り出すピアニストかベーシストを加え、どこまでアウトできるかといったところを聴いて見たい気がします。どこかのメーカーさんが頑張ってくれないものかと期待します。

2006年02月03日 新譜紹介 トラックバック:1 コメント:6

どうもこんにちは。
このアルバム、ぜひ聴いてみたいです。
なかなか入手困難なようですが、調べたらCD Babyというところで売ってますね。
何曲かは試聴もできるようですので、URL貼っておきます。

http://cdbaby.com/cd/ronhaynes2

2006年02月06日 piouhgd URL 編集

 piouhgdさん、ご訪問ありがとうございます。
CD Babyは何度も購入しているストアなので安心して購入できると思います。ちょっと対応がアメリカらしくフランク過ぎるところが難点ですが。
 ロン ヘインズに関してはリキッド ソウルの創設時よりのメンバーですのでそれらのアルバムで聴く事も可能です。ドラムスのヴィック ベーカーも現在の同グループのメンバーですが録音はまだ無いようです。
 ロン ヘインズのリーダーアルバムは他にも数枚ありますが音楽の内容ということではここで紹介したアルバムを購入されるのがベストだと思います。是非聴いてみてください。
 
 

2006年02月07日 Sonny URL 編集

こんにちわ。
シダーもベースとのDuoでの録音が有りますね。
このアルバムは聴いた事がないので私の聴いた範囲ですが、私の中でのイメージでは、Duoでの録音は演奏する側に大きな緊張感をもたらすと共に、聴く側にもそれなりの緊張感を求めてしまうような気がします。
何と言っていいのか上手く表現出来ないのですが、「どちらが手を抜いても綺麗なBGMになってしまう」みたいな感じかな。
そんな訳でシダーのデュオ・アルバムも滅多に聴かなかったりする手抜きの音楽ファンです(笑)。

2006年02月08日 falso URL 編集

 falsoさん、ご訪問ありがとうございます。
 確かに真剣勝負といった感の有るデュオも多いような気がします。そうなると聴くほうも寝転がってというわけにはいかず、いきおい襟を正してという具合になることも多いですね。ご紹介したアルバムに関しては記したとおり非常にダンサブルな作品ですのでその心配は無いと思います。
 私はデュオだと二人の主張する空間がたっぷりとあり、十分に楽しめるので結構好んで聴くことが多いです。
 シダーのベースとのデュオということですがロン カーターとの物を指しておられるのでしょうか。ロン カーターとデュオを組むのならもう少し主張の強いピアノをのほうがいいような気がします。
 シダーの場合はデュオよりむしろソロのアルバムを聴くことのほうが多いです。

2006年02月10日 Sonny URL 編集

こんばんは。
先日戴いてしまったこのアルバムについて認めてみました。
トラックバックしましたので、お時間のある時に、是非。

感謝です!

2008年04月27日 piouhgd URL 編集

piouhgd さん、こんにちは。

トラックバックいただきありがとうございます。早速記事を拝見いたします。

2008年04月28日 Sonny URL 編集












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