ジャズ屋未満トラキチ未満(Sonnyプロト版)

ジャズについてとりとめもなく考えをめぐらす今日この頃でございます。

ドン シュリッテンがマイルズの仇をスティットでうつ

steamin
Miles Davis "Steamin'" '61 prestige

tune up
Sonny Stitt "Tune-Up!" '72 Cobblestone

上に掲示の最初のアルバム
どなたもご存知のマイルズ デイヴィスの名高い四部作の「スティーミン」
プレスティッジ ボブ ワインストック製作

そして二番目のアルバム
私が勝手に呼んでるスティット-ハリス三部作の「チューン アップ!」
コブルストーン ドン シュリッテン製作
 

直ぐにお気づきのようにこの二つのアルバムデザインは
とても良く似ています。

それだけで私がスティットの「チューン アップ!」をマイルズのマラソンセッションになぞらえ
三部作と呼んでいるわけではありません。

「チューン アップ!」は全てのテイクをマイルズのマラソンセッションと同様
わずかワンテイクもしくは二、三回のテイクで録り終えているのです。


さて
ここでわたしの妄想が始まります。

時は1960年
ジャズの熱狂的信者のドン シュリッテンは
自力でシグナルレーベルを立ち上げたもののすぐにつぶしていました。

ドンのジャズへの愛情は断ちがたくボブ ワインストック有するプレスティッジに
フォトグラファー兼デザイナーとして入社します。
  いつかは自分の手でジャズのアルバムを制作することを胸に誓って

プレスティッジはマイルズのマラソンセッションの「スティーミン」の
デザインをドン シュリッテンに任せます。

張り切ったドンはマイルズが煙草に火をつける写真を使用し
あたかも燃え上がるように繰り広げられるセッションを思わせる
いかしたジャケットを作成しました。
  いささか得意に自負するドン

しかし出来上がったアルバムの「スティーミン」には
ドン シュリッテンの名前はどこにもありませんでした。


それから時は流れて1972年の2月の8日

プレスティッジでは副社長も務めたドンは
新しくコブルストーンでソニー スティットのアルバムを制作中。

バックメンバーとして呼ばれたのは
ピアノにバリー ハリス
ベースにサム ジョーンズ
ドラムにアラン ドーソン
いずれも手練れのビバッパー

いずれの曲の収録も簡単な打ち合わせだけで
スルスルと撮り終えていきます。
  内容はもう言わずもがな見事な出来栄え

マイルズの作曲「チューン アップ」を収録中に
ドン シュリッテンの頭に突如あの「スティーミン」が閃きます。
 「そうだ あのジャケット」


その数か月後ドンの自宅

円熟したビバップの演奏を遺憾なく自身の手で
企画収録監修デザインまで行ったソニー スティットのアルバムを眺め
満足そうに微笑むドン シュリッテンの姿がありました。
  ジャケットの余白には DESIGN/PHOTO : DON SCHLITTEN





この記事で紹介したアルバムです
Steamin'
Tune up!